研究室配属について

注意事項

本ページでは、静岡理工科大学情報学部の応用認知行動科学研究室の紹介を行います。研究室への配属を希望する場合は、本ページをよく読んだうえで、メールにてアポイントメントをとり、事前に面談を行ってください。メールアドレスは、Top pageに記載されています。


面談では、最低限、以下の点を質問しますので、回答を用意しておいてください。

  1. ヒトに関する、どのような点に興味を持っているのか
  2. 卒業研究で取り組みたい研究テーマ
    • 明確に決まっている必要はありません。漠然とした内容で構いません。
  3. 卒業後の進路(就職、大学院進学、その他)
    • 明確に決まっている必要はありません。
  4. 履修済みの科目
    • 特に、心理学や統計、プログラミングに関連する科目


2018年度は7月19日(木)に配属先の研究室が確定する予定ですが、7月19日を含み、前期中に数回、ゼミを実施します。心理学的な研究に関する注意点や、最低限知っておいてほしいことを、教科書を用いながら教員が解説します。

また、夏季休暇中に課題を課します。各自が興味のあるテーマに関連した論文を渡しますので、夏季休暇中に精読し、レジュメを作ってきてもらいます。後期のゼミ(情報セミナー2)において、そのレジュメを用いながら、各自が読んだ論文を紹介してもらい、全員で議論を行います。

研究領域

ヒトの認知・行動の背後にある、情報処理の仕組みの解明

ヒトの「心のはたらき」を、「情報を処理するシステム」ととらえ、実験や調査によりそのシステムを解明しようとすることで、ヒトに関する理解を深める

ということを目指します。


別の言い方をすれば、

ヒトの~~~という「心のはたらき」や行動は、ヒトが・・・・・・という情報処理システムを備えていることで実現されている

といったモデル(理論)を考えることを通じて、ヒトを理解することを志向します。


たとえば、作業に集中しているときに話しかけられても、気づかないことがあると思います。ヒトが情報を処理するための資源、コンピュータに喩えればメモリのような存在を仮定することで、この現象が説明できます(情報を処理する資源は有限なので、それらの資源が目の前の作業に向けられてしまい、声という情報を処理する資源が残っていなかった)。

工夫された研究計画により、上記のようなモデル(理論)がどの程度妥当であるかを検証し、ヒトの「心のはたらき」という情報処理システムの実態を解明していくことが、本研究室における卒業研究の主な目標になります。


”応用”認知行動科学研究室という名前のわりに、どこが「応用」なの...? と思うかもしれませんが、実験室内のような特殊な環境だけでなく、日常・現実環境におけるヒトの「心のはたらき」や行動も説明できるモデル(理論)の構築を目指すことが、本研究室の志向する「応用」です。そのようなモデル(理論)が存在することでようやく、日常・現実環境における類似した事例に関する予測ができるようになったり、対策(例:交通事故の低減)を試案することが可能になると考えるからです。


ヒトに関して、現在明らかになっていることを学びましょう。

そして、まだ明らかになっていないことを見つけましょう。

その謎を解いて、ヒトに関する理解を深めましょう。

ヒトに関して「なぜなのだろう?」と疑問を持ったことがあるなら、ぜひ一度研究室に遊びに来てみてください。



本研究室では、主に認知心理学的なテーマを中心に、研究を遂行します。主なキーワードは以下の通りです。

知覚、注意、記憶、感性、感情・情動、認知バイアス

現実社会の問題への応用

また、これらの知見を応用して、現実社会の問題へアプローチすることも歓迎します。例としては以下のキーワードなど。

交通事故、商品の購買

その他のテーマ

上記のテーマ以外であっても、教員が指導可能なテーマであれば、極力支援したいと考えています。

これまでの卒業研究

2018年度 卒業研究(1期生)


  1. ACCを用いた長時間運転における注意や運転行動の時系列的変化
    • ACC(Adaptive Cruise Control)という運転支援システムが搭載された車両を長時間運転し続けた場合に、ドライバーの交通環境に対する注意力がどのように低下していくのかを、ドライビング・シミュレータを用いた実験により検証しました
    • 優秀発表賞受賞
  2. 色の調和評価における文脈の効果
    • 2色が同時に存在する際に、それらが「調和しているかどうか」の評価に、文脈(幾何学的図形における色の調和評価なのか、服なのか...等)が及ぼす影響を検証しました
  3. 課題無関連な秒針音による注意の捕捉とミソフォニア感度の関係
    • 秒針音が気になって、目の前の作業に集中できない、寝られない...という経験からヒントを得て、秒針音により作業が阻害される程度と、音に対する不快感の個人差との関係を検証しました
  4. ワーキングメモリにおけるピッチ情報のリハーサルシステムの検討
    • 音の高さ(ドミソ、など)の記憶メカニズムは、言語的情報(文字、言葉)の記憶メカニズムと異なるのかどうかを、実験的に検証しました
    • 優秀発表賞受賞

研究の進め方

  1. 興味があるテーマやキーワードに基づいて、先行研究の論文や関連書籍を読む
  2. そのテーマに関して、「すでに明らかになっていること」と「まだ明らかになっていないこと」の境界を見つける
  3. 自分が解くべき謎(Research Questionとよぶ)を見定める
  4. その謎を解くための方法を考案する
  5. 得られるであろう結果を予測する(つまり、仮説を立てる)
  6. 実験や調査によりデータを収集して、統計的に分析する
  7. データを得たことで、仮説が支持されたかどうかを評価する
  8. 今回行った実験や調査により、本来解きたかった謎が解ききれなかった場合は、今回の研究の限界を考え、改良した研究計画を考案・実施する
  9. 一定の知見が得られたら、卒業論文の執筆や、卒業研究発表会のプレゼンテーション資料を作成する
  10. 成果の発表(卒業研究発表会など)

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1. 先行研究の論文や関連書籍を読む

本研究室では、この点を重視します。ゼミでは、各自が関心のある論文に関してレジュメを作成して発表し、研究室のメンバー全員で議論を行います。もちろん、それ以外の機会にも、自主的に論文や書籍を読んでもらう必要があります。


2. 「すでに明らかになっていること」と「まだ明らかになっていないこと」の境界を見つける

先行研究の論文を読み進める中で、この境界は明らかになってくることでしょう。

ただし、これは「まだ誰も取り組んでいないテーマを探す」という意味ではありません。よく、「自分が興味を持ったテーマは、すでに先行研究で取り組まれていた」と相談を受けることがあるのですが、大事なことは「すでに取り組まれていたかどうか」ではなく、「明らかになっているかどうか」です。例えば、その先行研究の研究手法に不備があったとすると、その謎はじゅうぶんに解明されているとはいえないことになります。

したがって、先行研究の論文を批判的に読み、まだ残っている謎を見定めてください。


3. 自分が解くべき謎(Research Question)を見定める

仮説のことではありません(仮説については後述します)。どういう謎が解けたら、どういう理由で面白いのか、を考えましょう。

なお本研究室では原則的に、Research Questionは学生の皆さん自身が設定することとし、教員から研究テーマを指定するとはありません(※例外として、研究室全体で取り組んでいるプロジェクトがある場合は、共同研究という形で、テーマを提案することがあります)。学生の皆さん自身が解きたい謎を、可能な限り支援したいと思っているからです。教員と何度もディスカッションを重ねたうえで、最終的に取り組むテーマを決めることになるので、教員はテーマ設定のためのサポートを行います。


4. 謎を解くための方法を考案する

オリジナルな研究手法を考案する必要がある場合も存在しますが、卒業研究では原則的に、何かしらの実験パラダイムに則って研究を遂行します。ここではパラダイムとは、「ある問題を解くときに、よく用いられる研究手法」と理解してください。

例えば、どの程度正確に情報を記憶できているか、を測定したい場合には、「再生法」や「再認法」といった手法がよく用いられます。

  • 再生法:実験参加者に記憶してもらった情報を、そっくりそのまま思い出してもらう
    • 例:画像を記憶してもらった場合には、画像を描いてもらうことで、記憶の正確性を測定する
  • 再認法:実験参加者に情報を記憶してもらった後で、実験者がある刺激を呈示し、先ほど記憶した対象に含まれているかどうかを回答してもらう
    • 例:画像を記憶してもらった場合には、画像Aを再び呈示して、先ほど覚えた画像であったか否かを報告してもらう

なぜパラダイムに則るとよいかというと、同じパラダイムを用いた先行研究がたくさん存在するので、おおよその結果が予測できたり、結果を比較できたりするからです。したがって、パラダイムを学ぶためにも、先行研究の論文をたくさん読むことが重要です。


5. 仮説を立てる

今回採用した実験パラダイムに則って実験を遂行した場合に、どのような結果が得られるかを、具体的に予測します。

例えば上記の「再認法」のパラダイムを用いた場合には、「A条件ではB条件に比べて、正しく再認できた割合が高い」のような予測を立てることが可能です。


6・7. データを収集して統計的に分析し、仮説が支持されたかどうかを評価する

研究手法や統計的分析手法については、情報セミナー2など、ゼミの中でトレーニングを行う機会があります。しかし、心理統計解析心理評価法は必ず受講しておいてください。


8. 今回の研究の限界を考え、改良した研究計画を考案・実施する

自分自身が遂行した研究を先行研究ととらえ、上記1~7の手順を繰り返します。


9・10. 論文執筆や発表会資料の作成

各自が行った研究を、論理的に・分かりやすく、紹介します。論文の添削や、発表練習は入念に行います。

卒業研究を通じて習得してほしいこと

「ヒトを対象とした調査をする際に注意しなければならないことを知り、適切な技術を身につけること」です。

したがって卒業研究の遂行においても、研究に協力してくださる方々への適切な応対(礼節など)が、最低限必要となります。

ゼミにおける活動内容

情報セミナー2(3年次後期ゼミ)

週1回実施。主に学術論文(英語)の輪読。研究遂行に必要な技術(例:実験プログラムの作成、統計)等の実習もあり。

各週、論文の発表担当者を決め、研究室メンバー全員(4年・3年)でディスカッション。

発表者は、前日までに紹介する論文のレジュメを作成し、メンバー間で共有。


卒業研究(4年前期)

  1. 週1回の全体ゼミ
    • 情報セミナー2と同様、学術論文の輪読や、実習を行う
  2. 週1回の個人面談
    • 毎週の進捗状況を報告し、研究の方針を教員と相談

受講済みが望ましい講義

  • 心理学(2017年度以降の入学生は、基礎心理学)
  • 心理統計解析
  • 心理評価法
  • 感覚と認識(2017年度以降の入学生)


研究室配属後にこれらの科目を受講しても構いませんが、必ず卒業までに受講するようにしてください。

FAQ

テーマが関連する研究室は他にもあるが、違いは?

  • 大椙 研(遺伝情報/人工生命研究室 )
    • 応用認知行動科学研究室では、ヒト以外の動物(魚)やロボットを用いた研究は行っていません


  • 奥村 研(神経行動学研究室)
    • 応用認知行動科学研究室では、生理学的な指標(脳波、皮膚電位など)を用いた研究は行っていません


  • 櫻井 研(視覚色彩工学研究室)
    • 応用認知行動科学研究室では、「モノづくり」は行いません


  • 本多 研(心理学研究室)
    • 具体的な違いは、直接各教員と話し合い、ご判断ください


研究室メンバーの声

本研究室に在籍する4年生・3年生(2018年度)へ匿名でアンケートを行いました。原文のまま以下に掲載します。


本研究室の良いところ

◇4年生からの意見◇

  • 理論的な思考を養える
  • 認知心理学の範囲であれば、自分の好きなテーマで研究することが出来る
  • 先生の指導が少し厳しいが、逆にそれが成長に繋がる(勿論、厳しくてもしっかりとバックアップしてくれる)
  • 今後の人生でも高確率で役に立つ「統計学」のスキルを鍛えられる
  • 先生が親身になって研究の練り合わせ、実験から最後の発表までをサポートしてくれるため、とてもいい環境で研究ができる
  • 研究を強制せず、自分の時間もしっかり作れるため、気負いせずに研究ができる
  • 学べることが多い

◇3年生からの意見◇

  • 学生が意見を述べやすい
  • エアコンがある
  • 先生が親身になってくれる
  • 拘束があまりなく、融通が利く


本研究室に向いている学生

◇4年生からの意見◇

  • 近場の学生
  • 英語が得意な学生
  • 壁が立ちはだかっても諦めずにやり遂げられる人
  • 知識やスキルを何でも吸収していく(or いける)心持ちがある人
  • 上辺だけの知識ではなく、しっかりと中身まで理解していける人
  • 前向きで、実験に対して熱心な学生
  • 認知心理学が好きな学生
  • 真面目な人
  • 物事を批判的な面でも見れる人

◇3年生からの意見◇

  • 自主性がある学生
  • 実験を行う必要があるため、行動的、社交的、意欲的な学生が向いていると思う
  • 心理学に興味がある
  • 英語に苦手意識がない
  • 自主性がある程度ある人


本研究室に向いていない学生

◇4年生からの意見◇

  • 大学から遠い学生
  • 英語が苦手な学生
  • 英語アレルギーの人
  • プログラミングが嫌いな人
  • 講義中に、後ろでずっと喋ってたり、寝てたりする人(要は頑張らない人)
  • 指摘に対してすぐに折れてしまう学生
  • さぼり癖のある学生
  • 真面目じゃない人

◇3年生からの意見◇

  • 流されやすい学生
  • 人と話すことが苦手な人
  • 英語に苦手意識がある
  • 言われないとできない人