~美高’Sクラブ 本間 悟 監督 「育成功労賞」 受賞~
日本高校野球連盟と朝日新聞社が、高校野球の育成と発展に功績があった人に贈る「育成功労賞」の受賞者が6月7日、発表されました。北北海道からは美幌高校監督や道高野連北見支部審判部長などを務めた本間悟監督(67歳)が選ばれました。
清里、根室、美幌で約30年間、高校野球の指導に打ち込んだ。甲子園出場の機会はなかったが、社会人野球で活躍する選手を送り出し、指導者の育成にも貢献した。受賞の知らせに、「野球は素人なのに」 と謙遜する。国後島を海の向こうに望む標津町に生まれた。あこがれは長嶋茂雄さん。中標津高に入り、野球やバスケットボール、ラグビーの大会で、「助っ人」として活躍した。
「過疎地の中学で教えたい」。そんな思いで教師になり、故郷の中学校で野球部の監督をしていた20代半ば、才能あふれる一人の部員と出会ったことが、大きな転機となる。
「自分の不勉強で、この子の可能性をつぶしてはいけない」。そう思い立って強豪校に出向き、「素人です。指導法を教えてください」と頭を下げて練習に参加。高校生と一緒にノックを受け、専門書を読みこんだ。
30代で高校の監督に転じ、投手中心の守りを重視したチームづくりに取り組んだ。肩の強さや打球への反応などで選手の適性を見極め、中学時代の守備位置にこだわらずに鍛えた。
練習や試合を終えての帰宅はいつも日没後。長男は野球に、長女はソフトボールに夢中だった。素振りは見守られたものの、ボールを投げ交わした記憶はない。その役割は妻のるみ子さんが受け持った。「孫が生まれたら、キャッチボールを楽しみたい」と笑った。
(2013年6月8日(土) 朝日新聞掲載記事より)
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