Mama Jo's BBQ & Home Cooking

カンザスシティーの週末

地元バーベキューレストラン

2008年6月28日

カンザスシティーの週末

Isoko Durbin のブログ集

アメリカ人夫の一言

アメリカ生活録

アメリカで出会ったおいしい料理

 

 

 今日はどうも朝から、ついていなかった。犬のボジョに起こされ、そういえば銀行のCDがもうすぐ満期になるから、銀行に行かなければいないのを思い出した。週日は働いているため、土曜日しか銀行に行く機会がないので、早起きできて良かったと思った。ボジョも連れて車に乗る。もちろん、ボジョを銀行の中に連れて行くことはできないが、ドライブ好きな彼を、少しでも喜ばせてあげたかったのだ。

 銀行には私の前に既に2人待っている人がいて、なかなか私の番にならない。20分以上待った後、やっと私の番になる。

「今日は、どういったご用件ですか?」

と、にこやかに、でも疲れた様子を隠せない銀行員が、私に聞いた。

「CDがもうじき満期になるんですが、満期後、お金を普通預金に移したいので、今日は伺いました。」

私は、契約時に貰った書類を渡した。すると、その銀行員は、

「これは、7月8日に満期になりますから、今することはできません。」

と言う。7月8日は週日だから、銀行に行くことはできない。かといって、このCDがまた自動更新されることは避けたい。だからこうして事前に来たのだ。なのに「できません」とは、なにごとだ!と、少々不機嫌になった私は、「今日、サインだけでもできないんですか」と、自分でもびっくりするほど、いらいらした大きな声で言い返した。どうも最近、短気でいけない。しかし、もう少し頭を使ってくれてもいいのではないか。今日時点で満期でないのは十分承知である。なにも、今日お金を移したいと言っているのではない。7ヶ月の契約で結んだCDをそのまま放っておけば、自動的に更新され、また7ヵ月後まで使うことはできない。だからわざわざ「事前」に来たのだ。その辺は、ほんのもう少し頭を使えば、分かるんじゃないの、と思った。私も、ずいぶん主婦らしく、自分勝手なずうずうしさを身につけてきたのかもしれない。しかし、案の定その銀行員は、「サインするだけならできます」と言う。やっぱり、できるんじゃん、と、ただ単に引き下がらなくて良かったと思った。やっぱり、アメリカではこうした押しの強さが大切だ。主婦が主婦らしくあるのは、主婦としての理由があるからである。(これは、真実をついた名言だと、自分で思っている。)

 車に戻り、ボジョと一緒にダウンタウンに向かう。シティーマーケットで野菜や果物を買って、まだ寝ているであろう夫のために、朝食を作ろうと思ったのだ。しかし、ハイウェイを降りると、途端に道が込みだして、前にも後ろにも行けない。やっといつもの駐車場に着いても、駐車するスペースがない。私のように「後進」できない車に乗っている者にとって、込み合った駐車場と、「行き止まり」ほど恐ろしいものはなく、諦めて帰るしかなかった。せっかくダウンタウンまで来たのに、ガソリン最近高いのに、と無駄足を踏んだことを悔やんだ。

 車を運転している途中で、近所のガソリンスタンドの看板を見た。「そうだ、せめてガソリンスタンドのコンビニで、春巻きとドーナツだけでも買っていこう」と思い、最後の寄り道と思って、駐車した。すると、そこに「ランチスペシャル5ドル」との広告が、「Mama Jo's Barbeque & Home Cooking」というレストランの前に見える。夫が以前「あのレストランは、きっと高いよ」と言っていたので、この5ドルスペシャルを見逃すわけにはいかないと思い、コンビニで買った春巻きとドーナツを握り締め、早速家に向かった。

 コンピューターに向かっていた夫に、「ランチスペシャルが5ドルだって。あそこのバーベキューって高いんでしょ。ねー行こうよ。」と、誘う(ねだる)と、「じゃ、行こうか」と、夫も言う。そこで、私は大急ぎでシャワーを浴び(銀行にはシャワーを浴びずに行った)、化粧をして、外出の準備をした。何しろ「ランチスペシャル」である。ランチの時間が過ぎれば、このスペシャルは、魔法のごとく消え去ってしまうに違いない。(こういう発想が、そもそも主婦になった証かもしれない。)しかし夫は、「準備はできている」と言ってベッドで寝転んでいたくせに、私が「準備完了」と彼の前に現れてから、やっと出かける準備を始める。なんて典型的な夫婦のあり方なんだ、とドラマを見ているような思いだった。

「遅くなったら、ランチスペシャルが終わっちゃうよ。早く、早く。」

と急かせど、この間買ったばかりのサングラスのセットを私に見せたりして、真剣さが足りない。

「もう、ランチスペシャル、きっと終わってるわ。」

と私が言うと、「なんでそんなに悲観的なの」と言う。なんでって、もう1時近いからである。悲観的でなく、現実的なのである。(これも大層、主婦的発想である。)そして、低価格で新境地を切り開く努力をしている者の真剣さである。(これは、もっと主婦的かもしれない。)とにかく、こうして私たちは、いつもの通りバイクに乗って、近所のバーベキューレストランに行った。

 

 

 前置きがずいぶん長くなったが、やっとお目当てのレストランに到着だ。私は、夫が「あのレストランは高い」と言っていたため、ウエイターつきのレストランだとばかり思っていたが、意外にも、レジで最初に注文し、自分で食事を運ぶタイプのレストランだった。私は、結構こういうタイプのレストランが好きだ。ウエイターにチップを払わなくても良いし、気兼ねなく長居ができる。アメリカのレストランでは、ウエイターがチップ欲しさに、何かと声をかけることが多く、煩わしいと思うこともあるからである。それに、料理の値段自体は安いことが多い。ここのレストランも、レジ横の壁にある写真付きのメニューは、6ドル代から始まり、今まで高いと思って避けてきたのが、ばかげている。この値段なら、これから度々訪れても良さそうだと思った。

 

 夫が、「ランチスペシャルは、何ですか」と、レジ係に聞くと、「あれは、週日だけです」と言う。「でも、外に看板があるけど」と言うと、「知ってるけど、毎週土曜日だけ取り外すことはできないんでしょ」と言う。それならそうと、「週日のみ」と看板に書いとくべきだ!と思ったが、レジ横の写真付きメニューの値段もそう高いものでもない。ランチスペシャルでなくても、ここで食べていこうと言うことになった。それで、名前は忘れてしまったが、夫が頼んだセットが一番上の写真にあるものだ。大きかったので、二人で分けてちょうどいい大きさだった。パンの間には、薄くスライスされた牛肉のバーベキューがぎっしり詰まっている。私は日本にいた頃、バーベキューといえば、肉と野菜が交互になった串刺しを言うのかと思っていたが、そういうタイプの物は、「シシカバブ」と呼ばれる。アメリカのバーベキューとは、豚や牛肉などの塊をバーベキュー用のコンロみたいな、釜みたいな装置の中でじっくりと焼いた物である。焼き方は、各個人でかなり違うようだが、「弱火でじっくり長時間」が基本であるようだ。私たちが今回食べたバーベキューは、写真にもあるようにサンドイッチで、中にバーベキューソースがかけられていた。肉は柔らかくておいしかった。ステーキとは全く違う味わいである。よく、「アメリカには、アメリカ典型の料理がない」などと、間違った発言をする人がいるが、バーベキューは、アメリカの伝統的な料理である。アメリカならではの食事が味わいたい人は、ぜひバーベキューを食べていただきたい。

 レジ係に「ランチスペシャル」とは何か、と聞いたところ、要するに月曜から金曜まで行われている日替わり定食のことである。これが5ドルなのだ。金曜日のメニューは、「キャットフィッシュサンドイッチ」だった。キャットフィッシュは、私の大好物の魚なので、金曜日にぜひ来ようと思った。

 ブースに座って、バーベキューサンドイッチと、フライドポテトを、夫と半分ずつに分けて食べた。店の中は結構広く、ゆったりと食事ができるのが良い。それに自宅から近いのも気に入った。また近いうちに来ようねと、夫と言い合って、店を出た。