Family Appreciation Day

カンザスシティーの週末

社員家族感謝デー

2008年8月2日

カンザスシティーの週末

Isoko Durbinのブログ集

アメリカ人夫の一言

アメリカ生活録

アメリカで出会ったおいしい料理

 

 

 私の夫の会社は、毎年、遊園地「ワールドオブファン」で、社員とその家族のための食事会を行う。もちろん遊園地に入場するにはお金がかかるのだが、そのチケットも配られる。過去2年間は、夫が働かなければならない日とこの食事会が重なったため、私達は参加できなかったのだが、今年はうまく休みの日となった。妻として夫の会社の行事に参加するのは今回が初めてだったので、少々緊張する思いだった。私の振る舞い一つで、会社での夫の評価が左右されるかもしれないのだ。海外駐在員の妻にでもなったような気分である。

 今回は夫の従弟アンソニーも連れて、遊園地に行く。入り口に夫の会社の名前が入った張り紙とテントがあり、そこで入場チケットを受け取るのだとすぐに分かった。 夫がテントの中に入ると、傍らに座っていた男性が立ち上がり、彼に握手を求めた。どうやら、お知り合いのようである。そしてその男性は私たちの写真を撮りたがり、写真を撮った後、「これはいいのが取れたぞ」と言って喜んでいた。日本人の私が写真に入ることで、人種的にバランスが良いのかもしれない。入り口を通過し、遊園地内に入ると、他の会社の人たちも丁度同じ頃到着したようで、夫は絶え間なく誰かと握手をしたり、立ち話をした。いよいよ海外駐在員妻状態だ、と思っていると、サングラスをかけた男性が夫の名前を呼ぶ。夫は彼と挨拶を交わした後、私を彼に紹介し、そして「こちらはクリス」と、彼を私に紹介してくれた。彼は奥さんと二人の子供を連れていた。「クリス」は、やたらと浮かれていて、3度も夫と握手をする。彼と別れた後、夫は「3回も握手するなんて気味悪いね。なんかあったんだろうか」と私に言う。そこで、「もしかして、クリスって、あのボスのクリス?」と、私はハッと思い出した。あまりにもたくさんの人達に会っていたので、その他大勢の一人だと思っていたら、なんと夫の上司だったのである。知っていたら、もうちっと気の利いた一言でも言えたのに、ただニコニコ笑っているだけに留まってしまった。しかし、その方がかえって良かったのかもしれない。実際、彼は私たちに会って、大層ご機嫌だったのだから、印象は良かったのだろう。妻としての役目を無事果たし、なんとなくほっとした。

 従弟のアンソニーが乗りたいと言っていた乗り物に乗るため、列に加わると、ここにも夫の会社の社員が彼の奥さんといた。どうやら、園内至る所にいるようだ。この日は大層蒸し暑い日で、ジーンズをはいていた私は、ピッタリと肌に張り付くジーンズの不快感と、汗まみれの自分を感じながら、それでも辛抱強く順番を待った。前回夫の姉と彼女の子供達と一緒に来た時は、それほど暑くなく、ジーンズでもなんら問題はなかったのに、なんといった違いだろう。滴り落ちる汗に、こんなに蒸し暑いなら、ジーンズなどはいてこなければ良かったと後悔した。

 夫と一緒に乗ったその乗り物は、二人乗りの箱が20個ほどくっついていて、中心の棒がその箱を振り回すのである。回転は思ったよりも速く、私は周りの棒に両手でしっかりしがみ付いた。こんなに速く、それもジグザグに揺れたり、ほとんど逆さまになるほど、空中に放り出されるのに、シートベルトもないのである。私が叫びまくったのは、言うまでもない。「早く終わってくれ!」と願いながら、終了した頃には、心身共に疲れていた。なにしろ棒にしがみ付いていたから、腕は痛いし、めまいがする。他の人たちは、何でこんな物が楽しいんだろう、と思わずにはいられなかった。回復するのに、ずいぶん時間がかかり、次の乗り物はパスすることにした。

 夫と従弟のアンソニーが次の乗り物の建物の中に消えてから、私は周りの写真を撮り始めた。ここ「ワールドオブファン」は、スヌーピーがイメージキャラクターで、私が座っていた場所のすぐ近くに「キャンプスヌーピー」があった。そこには幼児向けの乗り物がたくさんある。スヌーピーがかわいかったので、中に入って写真を撮った。赤いヘリコプターには、小さな子供達が親の注目を集めるために、「僕がパイロットだよ!」と大威張りで操縦の真似をしていた。

 夫とアンソニーが乗り物の建物から出てきた時は、既に食事が始まっている時間で、大急ぎで食事会場に向かう。巨大なテントの下には、すでに何百人もの家族連れが食事をしていた。夫の会社に一度行ったことがあるが、倉庫を所有する敷地は広大で、まるで飛行場のようである。その中で働いている人たちとその家族だから、その数は大変なものだった。食事はアメリカの典型的な食事で、バーベキューのブリスケット、ポテトサラダ、とうもろこし、サラダ、ソーセージだ。テントの片隅には、アイスクリームが入った冷凍庫もある。アンソニーも以前、夫の会社で働いていたこともあり、彼もたくさんの知人に会い、その中の一人と一緒に食事の席を取った。それで私たちも彼の友達の家族の横に座ることにした。彼らにはたくさんの小さな子供がおり、一生懸命にアイスクリームを食べていた。奥さんが、「この会社で働けることに感謝しています。こんなにたくさんの子供達がいるのに、仕事を失うわけにはいきませんから」と言った。それはそうだろう、と思った。私の隣に座っていた彼女の娘は、「ハンナ・モンタナ」というアメリカの超人気アイドルのTシャツを着ていた。ハンナ・モンタナのTシャツといえば、例えば私が子供の時、「ピンクレディー」がスーパースターで、彼女達のプリントが入ったTシャツを女の子が着ていたようなものである。そこで、その小さな女の子に「ハンナ・モンタナのTシャツを着ているのね」と言うと、それが嬉しかったのか、バレーとタップダンスを習っているなど、私に色々な話をし出した。ずいぶん人懐っこい子供だった。

 食事を終えた後、夫は一旦家に帰って、昼寝がしたいと言った。前日あまり寝ていなかったのと、猛暑のため疲れていたのだ。そこで、アンソニーを彼の友達のもとに残して、家に帰ることにした。アスファルトの駐車場に行くと、熱がぶり返すのか、さらに暑さを感じ、息をするのも難しいほどだった。それでも道の周りに、蝶がシロツメクサの花に止まっているのを写真に収めた。そして、先を歩いていた夫の写真も取った。後で見ると、なんだか昔見た父の若い頃の写真のようで、こうして私たちも二人の歴史を作っていくのかな、と感慨深く思った。