BBQ Contest

カンザスシティーの週末

バーベキューコンテスト

2008年10月4日

カンザスシティーの週末

Isoko Durbin のブログ集

アメリカ人夫の一言

アメリカ生活録

アメリカで出会ったおいしい料理

 

 

 カンザスシティーは、バーベキューで有名な町で、全国規模のコンテストが毎年行われる。友人から、この週末バーベキューコンテストが行われると聞き、会場となったKemper Arenaに夫と、またいつも通りバイクで出かけた。前回「バイクに乗ってお出かけ」編で登場した古い倉庫がある地域を、もう一度通る。はっきり言って、この辺の治安は良くない。夫は、刑務所での服役を終えた囚人が、普通の世界に戻る前に訓練を受ける施設を、外から見せてくれた。そこの周りには、数人の男性が立っており、その中の一人は、麻薬中毒者のような顔で、私たちを見ていた。ゾンビのようである。こんな場所には、間違っても一人で行ってはいけない。私たちとて、バイクで行ったので、安全とは言えない。幸い誰かに追われる等ということはなかったが、あそこに行くのはもう辞めようと思う。夫曰く、あの倉庫がある地域の建物のいくつかは、幽霊が出るそうである。

 夫がバイクにガソリンを入れたいと言うので、Kemper Arena 近くのガソリンスタンドに寄る。夫が店の中に居る間、私は外で待っていた。すると50代の男性が私の方に近寄ってきて、「何か探してるんですか」と声をかけた。

「いえ、大丈夫です。」

と私は、笑顔でありながらも、「あなたの助けなんぞ要りません」という態度を取ったのだが、そうしているうちに、夫が店から出てきた。夫は誰とでも話をする人である。このときも、私を誘拐するかもしれなかった男(というのはもちろん言い過ぎだが)と、旧友のように親しげに話をし出した。彼に、「これからバーベキューコンテストに行くのだが、駐車代は高いに違いない」と言うと、「それじゃあ、この近くに駐車したらいかがですか?私が会場前まで車で送ってあげましょう」と、誘拐未遂男は言った。夫はちゃっかりその言葉に乗り、私たちは見知らぬ男の車に乗って、Kemper Arena まで行くことになった。彼の車は、意外にも新しく高級車ぽかった。車の中には、これまた高そうなスーツが掛けられていた。どうやら、お金持ちらしい。彼はガールフレンドが病気で看病している、という話をし出した。なんだか、いい人みたいだった。何事もなく、その男性は私たちを会場前で下ろし、にこやかに去っていった。これまた、一人では絶対にしない経験である。

 Kemper Arena で開催されているこのコンテスト会場に入るには、12ドル必要である。ただ単に中に入るだけで12ドルかかるのである。それもクレジットカード等は、全く受け付けない。ここですでに24ドルの現金が消えていった。

 まず私たちは、入り口横にあった、コンテスト参加者のキャンプ場に行った。普段は駐車場なのだが、そこには、全国津々浦々から集まったコンテスト参加者達のキャンピングカーや、バーベキューレストランの名前が入ったバンがずらりと並んでいた。あちこちから、バーベキューのいい薫りがする。ここでまた夫は、アメリカ人特有の「誰とでも話すフレンドリーさ」を発揮し、"Hi, how are you doing ?" と、あちらこちらのコンテスト出場者に声をかける。このカンザスシティーのバーベキューコンテストは、アメリカで一番規模が大きいらしい。ということで、私達が話した人たちの中には、ニューヨーク等、東海岸から来た人もいた。なんでも2日がかりでドライブし(アメリカは大きいからね)、また2日がかりで家に帰るらしい。このコンテストに出場するため、休みを取ったという話だ。基本的にこの駐車場で、彼らはキャンプしているのである。コンテストに出品するバーベキューも、ここで料理する。コンテスト終了まで、寝泊りもする。それでもって、コンテスト出場者のバーベキューを、私達一般人は食べることができない。それなら、なんで一人12ドルも払って、会場に入らなければいけないのだろうと思った。12ドルも取るなら、何かしら、お土産があっても良いはずである。しかし、敷地内にある一般人向けのお店のバーベキューを食べるには、これまたお金を払わなければならない。バーベキューのお店など、巷にたくさんあるのである。外にあるレストランは「入場料」に12ドルを請求することもない。キャンプ場を見学するのに、私達は一人12ドル払ったのである。これは、ずいぶん間違っていると、つくづく思う。夫は「あそこには、二度と行かない」と、後に語った。

 しかし、せっかくバーベキューコンテスト会場まで来たのだから、バーベキューを食べずに家に帰ることはできない。そこで私達は、適当に選んだ店の中から、ポークリブとビーフサンドイッチを頼んだ。ポークリブはおいしかったが、ビーフのほうは、パサパサしていて、私にはおいしいとは思えなかった。ちなみに右の写真は、私たちが食べた店ではないので、誤解なく。たくさん人が並んでいたので、あの店のはおいしかったのかもしれない。

 この後、ぐるりと施設内を巡った。またまた、キャンピング場である。ところどころで、バンドがあったが、これもそれほど感動的ではなかった。館内に入ると、アイスクリームと「ルートビアー」といって、ビールのような咳止め薬のような味がする飲み物を売っている店があったので、アイスクリームとルートビアーを買った。ルートビアーは、アルコホールではない。夫はなぜか、この飲み物が好きである。

 アイスクリームを食べ終わり、また歩き出すと、夫の同僚に出会った。彼の奥さんも一緒であった。奥さんも同じ会社で働いているらしい。聡明そうな、きれいな女性であった。そういえば、私達が日本に帰ったとき、「ミキモト」がある三重県鳥羽市に行ったのだが、そこで私達は、安い真珠の指輪をいくつかお土産に買った。確かその中の一つは、彼女の下に行ったはずだ。こういう女性につけてもらえるなら、お土産に買ってきたかいがあったというものだ。笑顔が美しい彼女を見て、そう思った。

 この後、動物を触れる場所があるというので、行ってみることにした。ヤギや羊やラマ等が檻の中に居て、特に子供たちが喜んで撫でていた。その横に、小さな馬が子供達を背に乗せて、ぐるぐると歩き回っていた。アメリカのお祭には、こういった子供向けのエンターテーメントがよくある。そして、また売店で「ジャイロ」というギリシア料理の一つを夫と分けて食べた。こちらの方はおいしかった。

 基本的に、バーベキューコンテストに見学に行くことはお勧めできない。入場料を取られないのならまだしも、入場料を払ってまで行くほどの価値はない。しかし、何事も経験であるから、それはそれで良かったと思おう。