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タウンミーティング


 報告:アルスタウンミーティング@東京 
 2012年12月21日(金) 13:00〜18:00
    東京大学理学部1号館5階508号室,  阪大RCNP 3階
  福島原発事故の反省と原子力科学の中興
 (福島事故に関して議論してきた内容のまとめと提言について)

 ミーティング参加者は、東京7名、大阪1名 と少人数でし ミーティング参加者は、東京7名、大阪1名 と少人数でしたが「福島原発事故の反省」について1年半余の月日をかけてアルスの会で重ねて来た議論のまとめについてその内容の検討と扱い方について話し合いました。先に阪大RCNPでも行って来たことであり、その時に出された意見を取入れて加筆修正した事もあって、大きな修正意見はなく終わりました。公表の主体についても「アルスの会」の名前ですることには問題が多いので「アルスの会」の代表幹事 中井が責任をとりこれまでの活動の報告として発表することにしました。

 このまま出版物とするには「反省」だけでは 暗くネガティブな内容となるので、事故分析を基に今後の進め方を論じ「原子力の中興」としてまとめてからにしようという考えに同意がえられました。それには、今後なお年近くをかけるつもりで勉強会や討論会を重ね内容の充実を図る必要ががあります。同時に『アルスの会」の体質改善と、体制強化を図る必要が認識されました。(中井浩二)

「アルスタウンミーティング2」原子力平和利用::過去の総括と次世代への提言
 アルスの会では、2年前にアルスタウンミーティングシリーズを京都-仙台-東京で開きJ.J.ルソーの文明批判をとり上げ勉強しました。「学問や芸術の進歩は奢侈・退廃を招き、徳の喪失を招く」と彼が「学問芸術論」で論じた批判は、まさに福島原発事故を予言しているように思えます。この反科学的思潮を生むような批判に対し、「学問と芸術は社会の精神的・文化的風土を高める営みによって社会を救う」という、より本質的で大きな貢献に注目するV.F.ワイスコップの考えを紹介して、学術文化の薫りを求める私達の努力を自己評価しました。 
 それから2年を経て起った福島原発事故は、はからずも「科学と社会」の接点における困難と過ちを具現し、反科学的思潮の芽生えを感じさせる社会現象を生み出しています。事故の原因が地震や津波であるという天災であれば別ですが、事故の一部始終が明らかになればなるほど、事故は人災によるものであり、日本の社会の弱さ、後進性に原因を求める要素が重なっていることが明らかになっています。しかし、何よりも大きな要素は戦後半世紀余りの間に於ける政府と電力業界の強引な原子力政策にあると言えましょう。 
  このアルスタウンミーティングシリーズの第2弾では、標記のテーマのもとに充分に時間をかけて、未来に向けた前向きの討論を積み上げて行きたいと考えます。特に、核エネルギーの解放という科学の大きな成果が、原子力の軍事利用、原子炉が抱える重大な危険性、によって悲劇を生んできたことは無視できませんが、エネルギー利用ばかりでなく、例えば、アイソトープの核医学的利用、工学的利用や、放射線利用のような新しい可能性を開いたこと、また、エネルギー利用に於いても単に火力発電・水力発電を補うという消極的理由ではなく、原子力だからこそできることに注目すべきであります。かつて原子力潜水艦ノーチラス号が成功させたサンフランシスコ→北極海→ニューヨークの航海は通常の潜水艦には考えられないことで世界中が驚いたことは余りにも有名ですが、そのような可能性を考えると胸が踊ります。 
  福島原発事故の教訓を踏まえ、原子力開発の夢を語れるような社会をめざして、 原子力利用の未来を考える機会にしたいと考えます。「科学」が進むとき「社会」がそれに追いつかないと悲劇が起ります。福島原発事故の問題はそのことを教えてくれたと思います。
 アルスタウンミーティングには、今後、TV会議の方法を部分的に導入することにしました。最終的には、各地からいろいろな方に参加いただいて interactive な討論ができるようになりたいと考えています。 皆様のご理解とご協力をお願い致します。 




[第一部] わが国の原子力研究創始期の夢とその後

アルスタウンミーティング@東京(7/23) (副会場;大阪、仙台)
 2011年7月23日(土) 13:00~17:00 
 東京大学理学部1号館 10階 1017号室 
  話題提供:小沼通二 (慶応大学名誉教授, 元日本物理学会長) 
  コメント:山口嘉夫 (東京大学名誉教授, 元IUPAP会長、- -) 
  コメント:高橋嘉右 (KEK名誉教授, 元KEK副所長、- - -) 
(1)学術会議に於ける原子力平和利用推進の発案 ー 研究者主導の路線 
(2)原子力軍事利用に対する厳しいチェック、原子力三原則、など 
アルスタウンミーティング@大阪(7/31) (副会場;東京、仙台)
 2011年7月31日(日) 13:00~17:00 
 大阪大学核物理センター 4階 大講議室 
  話題提供:住田健二 (大阪大学名誉教授, 元原子力安全委員 
  コメント:馬場 宏 (大阪大学名誉教授, 元原研RI製造部) 
(1)財界・産業界による国策としての原子力利用推進の熱意 
(2)福島原発事故と東海村JCO事故における初期対応、など 

アルスタウンミーティング@奈良 (8/1) (副会場;なし)
 2011年8月1日(月) 13:00~17:00 
 奈良商工会議所 4階 小ホール 
  話題提供:能澤正雄 (元日本原子力研究所理事) 
  コメント:坂東昌子 (愛知大学名誉教授, 元日本物理学会長) 
(1)高速炉開発の努力が活きた"常陽"と活かせなかった"もんじゅ" 
(2)原子力船開発をタブーにした誤政策、原子炉の安全設計、など 


[第二部] 福島原発事故の反省とわが国の原子力研究の未来を考える

  半世紀を振り返った[第一部]の議論をベースに、[第二部]では原子力研究の今後のことそして未来について考えたいと思います。それには先ず福島原発事故 の反省から始めます。既に明らかなことは、原子炉という危険なものを用いる原子力発電において、ハードウエアの技術的改善・強化と並んで、或はそれよりも 大切なことはソフトウエア、つまり人的な組織・体制の欠陥に注目し改良することが必要であります。それに何よりも優れた人材が危機に対応できる体制をつく ることであります。それは人材の養成から考えなければなりません。 
 ともすれば経 済効果とか、景気刺激策とかに目が向かう財界・政界の考えで動く科学技術行政に対し、人の心を重視して科学に取り組む姿勢を求めることが「アルスの会」の 基本理念であります。言うまでもなくそのことは原子力に限りませんが、原発事故は、大きな教訓を与えてくれています。「科学と社会」について考える時「原 子力と社会」は 最適のテーマであります。[第二部]では、特に人材の育成・養成について集中的に討論したいと考えます。教育の問題にまで踏み込む議論が必要です。技術教 育の改良をめざす努力が、単なるマニュアル作りに終わり、結果として何事もブラックボックス化して「想定外」のことに対応する能力が育たない結果に終わる ようではなりません。 

  タウンミーティングシリーズ[第二部]の企画はまだ決めかねていますが、議論を深めるため合宿形式の会合が適していると考えています。参加希望者のご意思 を確かめたいのでもう少し時間をかけ、[第一部]のミーティングにおいてご意見を集めながら考えたいと思っています。