HF10

使われているウィルス
単純ヘルペスウィルス(herpes simplex virus HSV)

ウィルスの特徴
  • 生活環とゲノムの全塩基配列が解明されている(ウィルスがどのようにふるまうのかすべてわかっている)
  • 変異ウィルスの中でも感染効率が高い
  • ヒトのほとんどの細胞に感染する
  • 増殖を抑制する抗ウイルス薬が存在するため任意にウィルス治療を中断できる
説明
“生活環とゲノムの全塩基配列が解明されている”ことから、万一ウィルスが突然変異を起こしても危険なウィルスにはならないことが分かっています。“感染効率が高い”ので転移したがん細胞に対しても有効性が期待されます。“ほとんどの細胞に感染する”ことから多くの種類のがんに対して有効であると考えられます。ウィルスに対する治療薬があるので例えば複合的な要因でウィルスが重大な病気を引き起こしても安全に中断することができます。

現在に至る概略と実用化の状況
1990年、名古屋大学大学院医学系研究科分子総合医学専攻の西山幸廣教授(2011年8月31日退官)が野生株から発見しました。
2003年、再発転移した乳がんの患者6人に対して実際の治療に用いられると想定される量の100分の1の量のHF10ウィルス療法を実施しました。結果5人に効果があり30~100%のがんが死滅しました(やや有効、軽度の効果 1例、 やや有効、中程度の効果 2例、 かなり有効 1例、 かなり有効~著抗 1例)。
現在、名古屋大学医学部第二外科で第1相臨床試験が行われています。また、米国でも第1相臨床試験が始まりました。さらに2012年1月5日、タカラバイオは三重大学医学部付属病院と共同でHF10の臨床研究を開始すると発表しました。
なお資料4において「2018年度の商業化を目指してHF10の開発を行っていきます」と記述されています。このことからタカラバイオとしては2018年を目標にしていることが分かります。

開発及び関連機関

資料
  1. 名古屋大学大学院医学系研究科 分子総合医学専攻 微生物・免疫学講座 ウィルス学教室 研究紹介 http://www.med.nagoya-u.ac.jp/virus/research.html
  2. 医学書院 週刊医学界新聞 第2629号 2005年4月11日 寄稿 がんをウィルスが治療する 単純ヘルペスウィルスHF10を用いたウィルス療法 http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2005dir/n2629dir/n2629_03.htm
  3. タカラバイオ株式会社 遺伝子治療事業 HF10プロジェクト(HF10について商品化の権利を保有) http://www.takara-bio.co.jp/medi/gene.html
  4. タカラバイオ株式会社 ニュースリリース 抗がん剤事業の買収完了に関するお知らせ http://www.takara-bio.co.jp/news/2010/11/30.htm
  5. タカラバイオ株式会社 ニュースリリース がん治療薬HF10の臨床研究開始について http://www.takara-bio.co.jp/news/2012/01/05.htm
  6. 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器外科学 研究 腫瘍溶解性ウイルスは「抗がん剤」と成り得るか? http://www.med.nagoya-u.ac.jp/surgery2/scientific/study/virus/aboutvirus/index.html

情報

患者・市民の意見・希望表明
サブページ (1): YOMIURI ONLINEより
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