世界遺産ワット・プー

ワット・プー(Vat Phu)は丘の麓に位置するクメール建築とヒンドゥー教の遺跡群である。プー・カオ(Phu Kao)の頂上はその形のために人の注目を集め、古代にはシヴァ神の聖なるシンボル、リンガと同一視されたため、古代にはリンガパルヴァータ(Lingaparvata)と呼ばれ、聖なる丘と信じられていた。

(聖山プー・カオ)

この地域のかつての支配者がシヴァ神を祀る神殿を建てた主な理由は、崖下に永遠の泉があるからだと推測される。

この遺跡群に関連して、下の平原のメコン川の側には、クメール王朝の前身となる都市があり、その跡(広大な土壁の囲い、煉瓦の遺跡)がかろうじて地面に見ることができるが、航空写真では極めて明瞭に観察できる。1991年以来、P.R.A.L.(ラオス考古学調査プロジェクト)によって、正確な考古学的地図を作るための発掘が行われている。

ワット・プー遺跡群のパノラマ・ビュー(乾季)を見る

神殿内部のパノラマ・ビューを見る

チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群(ユネスコのウェブサイトより)

ワット・プー寺院群を含むチャンパサック県の文化的景観は、極めて良好に保存されている1000年以上前の計画的景観である。10kmに渡り、寺院と神殿、水が山頂から川岸まで地理的に配置され、ヒンドゥー視点による自然と人間の関係を表している。メコンの畔にある二つの計画的都市と、プー・カオ山もその一部である。これら全ては5世紀から15世紀のもので、主にクメール王朝と関係がある。

世界遺産への登録基準 #1

(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。