鷹野 澄 教授

研究概要

私の研究室では、情報通信技術(ICT)を利用して、大きな災害から人の命と暮らしを守るための研究を進めています。これまでは、地震時の建物の揺れを診断するIT強震計の開発、建物の健康診断(ヘルスモニタリング)技術の開発、強い揺れの前に警報を出す緊急地震速報などの地震警報システムの研究などを行ってきました。今後も学生さんと一緒にこれを発展させて、「ITで人の命と暮らしを守る研究」を推進したいと思います。

IT強震計の開発と防災への応用研究

IT強震計は、身近な場所や建物が地震時にどのように揺れるのかを、利用者自身が調べることができる道具です。我が国は、世界に類をみないほどの高密度に地震計が設置されていますが、それでも高々一つの区市町村に1~3台程度にすぎません。これらの地震観測ネットワークは、国や自治体などの公的資金によるセンサーネットワークで、その利用も気象庁や研究者向けとなっています。もちろんこれらは大事ですが、一方で、私たちの身近な場所の地盤や建物などが地震時にどのように揺れるのか、自宅や学校、職場の建物が大地震で倒壊することがないのか?ということに対しては、公的ネットワークは何も教えてくれません。IT強震計は、このような身近な場所の実際の揺れを調べて利用者に有用な情報を提供するものを目指しています。

 
図1 建物用IT強震計システム

地震警報システムの開発、あるいは、緊急地震速報の活用研究

私の研究室では、公的地震観測点のデータや自前のIT強震計等のデータを使って、地震発生を早期に検知して警報を出すシステムの研究も行ってきました。また、気象庁の緊急地震速報の情報を活用して、放送をしたり装置の制御を行うための利用者サイドの活用の研究も行っています。IT強震計と緊急地震速報を組み合わせた警報システムについても取り組んでいます。まだまだ技術的には開発途上で、取り組むべき課題が色々と残されていますので、興味のある方は、研究室の門をたたいてみてください。

研究テーマの例

大学院生の研究テーマとしては、以下のようなレパートリーを用意しています。本人の希望や適性も考慮してふさわしいテーマを決めていきます。
  1. IT強震計を用いた、建物や構造物の健康診断(ヘルスモニタリング)手法の研究。
  2. IT強震計を用いて日頃の地震時の建物の揺れを可視化し診断する技術の研究。
  3. IT強震計を用いて強い揺れの前に警報を出す地震警報システムの研究。
  4. 気象庁の緊急地震速報など地震警報情報の情報伝達の仕組みと活用に関する技術。
  5. 地域の要援護者などを対象とした草の根型地震防災情報システムの研究

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勉強の仕方 

望まれる学生は、地震や防災に興味があり、情報通信(ICT)には自信があるという学生です。学生の部屋は、地震研究所の予定ですので、地震学の知識は研究室に入ってから学習できます。まずは、しっかりとICTの勉強をしてきてください。