植村裁判東京訴訟の判決言い渡しが6月26日、東京地裁であり、原告植村隆氏の請求はすべて棄却された。 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する 2 訴訟費用は原告の負担とする 被告西岡力氏と文藝春秋の表現と記事は「名誉毀損に該当する」とされたが、その責は免ぜられた。 法廷で読み上げられた「理由の要旨」はこうである。 「しかしながら、各表現は、公共の利害に関する事実について専ら公益を図る目的で行われたものであり、摘示事実または意見論評の前提としている各事実について、その重要な部分が真実であること、または真実であると信ずるにつき相当の理由があること、についての証明がある。かつ、意見ないし論評の域を逸脱したものでもないから、被告は免責される」 開廷前に傍聴券を希望して整列した人は82人。使用された法廷は定員85人の103号室に事前に替えられていたため、抽選はなく全員が傍聴できた。 定刻午前11時30分に開廷。第1回の口頭弁論から担当してきた原克也裁判長の姿はなく、大濱寿美裁判長が主文と理由要旨を4分にわたって代読し、11時35分閉廷した。裁判が退廷すると法廷はざわつき、「恥を知れ」「ひどい」などのつぶやきが聞こえた。 地裁前の路上に大勢のカメラマンが待機する中、永田亮弁護士が「不当判決」の旗を掲げた。その旗を取り囲んだ20人を超える支援者が「#捏造ではない」のメッセージボードをかざし続けた=写真下。 植村隆氏は弁護団とともに午後2時から司法クラブで記者会見し、「植村捏造バッシングは、植村だけをバッシングしているのではない。真実を伝えても標的になるような時代はやめませんか。高裁でも、言論の場でも、不当な言いがかりを覆すべくたたかっていきたい」と語り、控訴の意向を示した。植村氏と弁護団はそれぞれ、不当判決に抗議する声明を発表した。 朝日新聞デジタル(2019年6月26日)より引用 ■文春などへの賠償請求棄却 元朝日新聞記者の慰安婦報道訴訟 元慰安婦の証言を伝える記事を「捏造(ねつぞう)」と記述されて名誉を傷つけられたとして、元朝日新聞記者の植村隆氏(61)が、西岡力・麗沢大客員教授と「週刊文春」を出版する文芸春秋に計2750万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁(原克也裁判長)であった。判決は請求をいずれも棄却した。植村氏は控訴する方針。 植村氏は1991年、韓国人元慰安婦の金学順(キムハクスン)さんの証言を朝日新聞で記事化した。この記事に対し、西岡氏は週刊文春2014年2月6日号で「捏造記事と言っても過言ではありません」とコメントするなどした。植村氏は、名誉を傷つけられ、教授に内定していた大学との雇用契約の解除を余儀なくされたなどとして、15年に提訴した。 判決は植村氏の記事について、「金さんが日本軍により、女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行され、従軍慰安婦にさせられた」という内容を伝えていると認定。植村氏の取材の経緯などを踏まえ、「意図的に事実と異なる記事を書いた」として、西岡氏の記述には真実性がある、などと判断した。また、慰安婦問題は「日韓関係にとどまらず、国際的な問題となっていた」として表現の公益性も認め、賠償責任を否定した。 植村氏は同様の訴訟をジャーナリストの櫻井よしこ氏と別の出版3社を相手に、札幌地裁にも起こした。同地裁は昨年11月に請求を棄却し、植村氏は札幌高裁に控訴している。 植村氏は現在、「週刊金曜日」の発行人兼社長。判決後に会見し、「裁判所は私の意図を曲解し、西岡氏らの責任を不問にした。ひるむことなく言論人として闘いを続けていきたい」などと述べた。(編集委員・北野隆一)
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