【東京地裁2016年12月14日】 植村裁判の東京訴訟第7回口頭弁論が12月14日午後3時から東京地裁103号法廷で開かれた。この日の傍聴券行列は50人。いつもの抽選はなく、抽選後に来た人も含め全員(65人)が傍聴した。 原告席には植村さんのほか中山武敏、神原元、宇都宮健児、黒岩哲彦、穂積剛、泉澤章、吉村功志、秀嶋かおり各弁護士ら11人が着席、いっぽう被告席はいつものように喜田村洋一弁護士ともうひとり若い弁護士の2人だけ。原克也裁判長が定刻より2分早く入廷したため、開廷時刻まで法廷には奇妙な沈黙の時間が流れたが、午後3時、「閉めてください」と法廷のドアを閉めさせて開廷した。 ■「平穏な生活を営む権利」と「共同不法行為」 冒頭、まず被告側の準備書面陳述手続き。いつものように要旨朗読はなく、被告側の音無しの構えはこの日も続いた。原告側は第5準備書面を提出し、その要旨を神原弁護士が陳述した。 これまでの裁判で、原告側は、「週刊文春」と西岡力氏による名誉棄損表現は、植村さんの名誉とプライバシーを侵害する不法行為であることを具体的に論証してきたが、今回はその論証に加え、①植村さんは「平穏な生活を営む権利」を侵害された、②その侵害行為は文春と一部勢力の「共同不法行為」であり、文春はその責を負わなけれならない、と主張した。 「平穏な生活を営む権利」と「共同不法行為」は原告側のこれまでの主張を法理論的に補強するもの。 この日提出された第5準備書面によれば、「平穏な生活を営むことについての人格的利益」は、受忍限度を超える態様で侵害された場合には民法上不法行為として損害賠償の対象になる。判例では、たとえば工場の操業による騒音粉塵被害や飛行場の騒音被害から、犬の鳴き声の放置や隣人による布団たたきの音などまで、幅広く認められている。サラ金業者が債権取り立てのために債務者の自宅の近隣に張り紙をしたり、勤務先や家族に連絡を入れて精神的に追い込む行為も、一連のサラ金訴訟で不法行為とされている。「植村さんが勤務先や自宅へ受けた嫌がらせや脅迫は、サラ金取り立て業者の行為と極めて類似しているが、侵害の程度ははるかに大きい」。陳述で神原弁護士はそう主張した。 「共同不法行為」とは別々の行為の間に因果関係や共謀がなくても、客観的にみて関連性が認められれば成立する。植村裁判では、週刊文春とネトウヨ勢力が行った①ブログでの大学攻撃の扇動②インターネットテレビ「チャンネル桜」での攻撃③神戸松蔭女学院大学へのメールとFAXによる中傷④北星学園大学へのメールとFAXによる中傷、がそれにあたる。 「いずれも文春記事を引用しており、時期も近接すること、植村さんから大学の職を奪うという共通の目的を有している」と、神原弁護士は「共同不法行為」成立の要件を説明し、さらに「次回弁論では、成蹊大学渡辺知行教授の意見書を提出する」と述べた。 意見書提出期限を3月22日とし、午後3時10分に閉廷した。次回期日は4月12日(水)午後3時と決まった。 |