■結審後に弁論を再開 被告側に証拠を追加提出させる 「公正な裁判を妨げる」裁判官を忌避 第15回口頭弁論は2月22日午後4時から東京地裁705号法廷で開かれた。 開廷してすぐに原裁判長が、被告側に提出させた証拠乙27号の弁論手続きを始めようとした。植村弁護団の神原事務局長は、「すでに結審したのに新証拠を提出させた裁判長の訴訟指揮は不公正だ」と抗議し、原告と弁護団全員が退席した。 その後、植村弁護団は抗議声明を発表した。 抗議声明 忌避申立書は2月27日付で東京地裁に提出された。 この裁判は、昨年11月28日の第14回口頭弁論で結審し、判決言い渡しはことし3月20日午前11時、と決まっていた。ところが、裁判所は2月8日に突然、「弁論を再開し、被告に新しい証拠を提出させる」と通告してきた。結審後の弁論再開は通常、原告または被告が重要な証拠を発見し提出する場合などに限られる。ところが、裁判所が被告に証拠を提出させるというのである。 民事裁判には「弁論主義」と「当事者主義」という基本原則がある。審理は被告と原告が出した証拠や証言のみに基づくこととされており、裁判官はそれ以外の証拠や資料を用いることはできない。原裁判長の指示は、この原則に明らかに反した職権の行使だった。 民事訴訟法第24条には、「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、その裁判官を忌避することができる」とある。東京地裁の原克也裁判長の訴訟指揮は文字通り「公正を妨げる事情」であり、異常といってもよいだろう。「予想も経験もしなかったこと」「頭の中が真っ白になった」と、植村弁護団の経験豊かなベテラン弁護士たちが口を揃えるほどである。 原裁判長が提出を求めたのは、朝日新聞社の慰安婦報道に関する「第三者委員会報告書」の「全文」だった。この報告書は、朝日新聞社が弁護士や学者、評論家ら7人の識者に検証作業を委嘱し、その結果をまとめて2014年12月に発表したものである。内容の大半は、じっさいにはなかった「吉田清治虚偽証言」を書いた記事に関するものであり、「吉田証言」とはまったく関係がない植村さんの記事は主要テーマとはなっていない。しかも、この報告書の「要約版」は被告側が提出しており、また、植村さんの記事についての部分を抜粋した個所は植村さん側が提出していた。 それなのに、どうして裁判所は提出を求めたのか。理由は明らかではないが、報告書全文の中には被告側に有利と思われる部分があり、それを材料とした判決を導き出そうとしているのではないか。植村弁護団はそう判断して、東京地裁に原裁判長ら3裁判官の忌避申し立てを行った。 |