■判決の下敷きとなる「主張整理案」めぐりやり取り 植村裁判札幌訴訟の第8回口頭弁論は7月7日午後、札幌地裁805号法廷で開かれた。原告と被告双方は、裁判所が前回弁論(4月14日)の後に提示した「主張整理案」(6月2日付)についての意見を書面で提出し、次回以降の進め方についても意見を交わした。 裁判所の「主張整理案」とは、第1回弁論以降の原告側主張と被告側の反論を精緻に要約した文書で、本文はA4判17ページ、別紙主張対照表はA4判8ページにわたっている。ここに書かれている内容は、裁判所の客観的な“理解度”を示しており、裁判の最後に書かれる判決書の争点整理の項の下敷きともなる重要な書面である。 植村さん側はこの整理案について、肩書や日付の誤記の指摘と、表現の補強要請など8点を簡潔に述べるにとどめ(第12準備書面)、この日の法廷では意見陳述はしなかった。原告側の読み上げ陳述なしは今回が初めて。 一方、被告側は、櫻井氏と新潮社が7月5日付の書面を提出したが、追記と部分削除の要求が含まれていたため、主張整理案をめぐるやりとりは持ち越され、次回以降も続くことになった。櫻井氏側はこれとは別に、前回弁論で植村さん側が提出した第11準備書面(ネット上の櫻井氏の記事が植村バッシングを拡大させたことを実証し追及した)に対する反論(第5準備書面)を提出し、「櫻井の論文と第三者による脅迫行為に因果関係はない」と主張している。また、ワック社はA4判27ページの長大な書面(6月30日付)を提出し、戦時中の軍資料類を多数援用しながら、朝日新聞の慰安婦報道や吉田清治証言を批判している。これは「主張整理案」とも植村さんの書いた記事とも直接は関係がない“歴史修正主義”史観の展開である。温厚で公正な訴訟指揮ぶりで定評のある岡山忠弘裁判長は、ワック社の弁護士に対して、「(要するに)捏造との関係では、女子挺身隊と慰安婦は違うということを言いたいのですね」と皮肉たっぷりな質問を浴びせていた。 次回以降の進め方については、岡山裁判長が「次回と次々回も主張整理案の論議は続けるが、同時に証人尋問の方針やその範囲も双方にお伺いしたい」と述べ、簡単なやり取りの後、原告、被告双方が証人尋問の具体的な準備に入ることを確認した。日程は次回(9月8日、第9回)と次々回(10月13日、第10回)が確定した。これにより、第10回弁論で双方の主張のやり取りは終了し、その次に、終盤の対決のヤマ場となる証人尋問を迎えることになった。証人尋問には植村、櫻井両氏が出廷する。両氏の直接対決があるかもしれない。開廷は午後3時30分、閉廷は同3時45分だった。 この日、札幌は最高気温が33度を超え、今年初めての真夏日となった。支援者の夏も熱い。傍聴希望者は定員71人に対して78人だった。午後3時過ぎ、裁判所職員が今回も抽選となったことをハンドマイクで告げると、横7列の行列から軽いどよめきが起きた。 次回は9月8日、次々回は10月13日に開かれる。いずれも午後3時30分開廷。 |
