昨年暮れに親戚の叔父さんが亡くなり喪中ぎみ。質素な年末年始だった。遠くで、ぼぉ~ん、ぼぉ~ん、と静かに響く除夜の鐘を感じながら風呂に浸かり、年越し蕎麦を食べて眠った。元旦はいつも通りの朝食、初夢はパスカルズリハーサルの夢。超現実的。
何だかとてもとても静かな年明け2日目、家族で父の墓参りに。お寺の裏山の険しい斜面に真紅の実が眩しい。とにかく今年一年、健康で過ごせますようにと祈る。
御神籤を引いたら、6番、末吉。「失物、出ず」「旅行、悪し」。引き直したい。
先日、友人と会う約束があったので通り道の神社に寄ろうと思っていたら、正月の大渋滞で時間がなくなってしまい、夜の神社を横目に見ながら帰宅。
後日あらためて参拝。御神籤を引き直してみる。55番、小吉。「学業・技芸・試験、実力は十分ある。自信に満ちている。この状態をうまく持続していけば大丈夫。」よし、よし。
「そのための努力が要る。」だろうな。世の中そんなに甘くない。
たくさんの書き込みで、ぐちゃぐちゃになってしまった譜面を書き直したりコピーしたり。ファミレスでお茶しながら、新曲含め未完成に戻りつつある自分にエールを送ってみる。ツアー中など毎日演奏していた曲がフッと記憶から飛び立って何処か遠くへ旅している感じ。戻って来ーい、私。
東京駅から京葉線に乗って幕張へ。企業人向けにパスカルズで演奏の仕事。駅で石川さんと会い一緒に会場入り。
会場内に用意されていく白いお皿やグラスなど見ながらリハーサル、お客さんの乾杯や食事や名刺交換の様子を見ながら演奏。
私たちは食事なし。持参してきたおにぎりやメンバーお土産の人形焼をもらって食べたりして質素に過ごす。
私は明日のLIVEのことが気になってBGM演奏も冴えないまま。演奏会の方は何とか年末LIVEのリベンジその1、くらいにはなっただろうか。とにかく何だかすごく疲れた。
昨晩は、ホテルに戻ると疲れは少し消えていたが出直して夜の街を彷徨う元気はなく、ツマミを買って部屋でまったりする。「広いお部屋をご用意しておきました。」と言われただけあって、ベッドルームと続きで応接ルームが広がっている奥行きのある広々した部屋だった。翌日は入り時間まで、クレープの美味しい店でのんびりまったり。リベンジその2、に備える。
本番には多田さん、友部さん、と豪華ゲストに助けられ守られ心安らぐ夜になりひと安心するも、慌てて片付け終電ホーム駆け込み乗車で例によって私もあかねも忘れ物する。
昨日、安らかな気分になれたもうひとつの理由はこの御守り。本番前にみんなでもらってみんなで首から提げて演奏した。こんな小さなペンダントに秘められた力は何よりも強く暖かく心地良い空間を作ってくれる。
初めてフランスツアーに行く前夜、そう思ってヴァイオリンケースに着けたpeko&pokoのキーホルダー。異国の演奏会場でこの笑顔に助けられることが多い。御守りの威力はすごいなって思う。
パスカルズの新しいHPづくりのためミーティングに出かけることになり、資料など集めていると、2001年初フランスツアーのDVテープが出てきた。レンヌ、パリ、ナンシー、&道中。思えばここから始まったフランス。
夜は美味しい料理やケーキ堪能しながら、また、石川さん出演のTV見ながら、パスカルズ演奏VTRの流れるシーンをドキドキしながら待ち、見て過ごす。HP扉絵のイラストもばっちり決まり満足な夜。
帰りは8039に寄って、あずささんが預かってくれていた1/24サムズの忘れ物を受け取り、いつものホテルへ。
節分用の豆を買ってきた。「鬼は~外っ!」と大声でバラバラ豆撒きするほど体力も気力も若さもない、ということにして、豆まきはせず、野草茶飲みながら、2月の夜長をプチプチ食べて夜更けまで。大袋を買ってきてしまったため、今日も引き続きポリポリ食べすぎて、少々お腹を壊す。私の内なる鬼をみんな追い出して、代わりに沢山の幸せがやってきますように。それにしてもお腹がイタイ。食べすぎ。
ファミレスでお茶する。アイスコーヒーを注文したら私のもらったガムシロにだけYOU are Lucky!と書いてあった。なんか幸せな気分に。
そのあと注文したデザートにアタり、激しい腹痛に襲われて猛烈ローな気分で店を出てスピード帰宅。Luckyは誰の手に渡ったのか。
年明けから、ほぼ毎日のようにフランスのネットTVを見ている。アナウンサーの流暢で早口なフランス語はもちろん何を話しているか半分以上理解できないが、ときどき知った単語を発したりするので興味深いといえば興味深い。日常では、街角でフランス語を耳にすることは限りなくゼロに近い。あのまま教室に通い続けていたら今頃、と思うと悔やまれてならない。独学の道は遠く険しいのだった。
2/19、稲生座のマスター柴田さんが亡くなった。夕方、友人から電話で連絡をもらい呆然とする。久し振りの高円寺駅。あまりの変貌に淋しくなり、駅南にグッドマンの場所を確認するも、まだ何か理解できず。
懐かしの「カフェテラスごん」でミルク雑炊を注文してひと息つく。腹ペコだったはずが、お通夜帰りで胸がつまり半分もノドを通らず。
お土産に「ヒロセ」でボンジュール買って上り中央線内でまたひとしきり泣いてしまう。
スタジオという名の場所でリハするのは、とても久し振りな気がする。今日から2泊3日のホテルにチェックインして都内スタジオへと向かう。
メンバー14人のうち9人+1人。明日はリベンジの総決算だと自分に気合を入れる。気合を入れすぎて夜半ぐったりとなる。
今日はドラムスの龍太郎さんが誕生日のため、本番前の会場2階で、ケーキ3つ(人数多いので)でお祝いする。
本番は、色んな意味でスピード感ある演奏のままスラーッと過ぎ、気がつけばアンコール。終演時間気にしながらも新曲含め3曲演奏。
今夜、私のリベンジはほぼ完結したと思いたい夜だった。
デジカメが壊れ、ローな気分とは裏腹に快晴の彼岸入り。早朝、父の墓参りに出かける。父の居ない10回目の春。
帰り道、赤信号で止まった交差点で、ふと外を見ると、春の空にそびえ立つミシュランの坊やがいた。クレルモンフェランを思い出し懐かしい。
3/9のビデオ編集やっと終了。編集作業もやっと慣れてきたがとにかく時間がかかる。2層焼きが恋しい。
夕暮れの散歩。焼けるような空が眩しい日没間際の夕闇は、薄い寒さと寂しさが情緒的で私は好きだ。この季節は太陽も月も大きくて美しい。
先日、遠く離れた友人から、月がキレイだよ、とメールが届き、急ぎ窓を開けて空を見上げたが、こちらは霧で雲の隙間から星がチラチラと瞬く以外には重い闇が広がるばかり。
遠く離れていても同じ美しい月を見上げて、ホントだ、キレイだねと思いたかった。ここはそんなに遠いのか。フランスじゃあるまいし。
今日から約1ヶ月かけて外観リフォーム。期間中は足場とシートで家がすっぽり囲まれてしまうため、閉所がとても苦手な私にはキツイ。避難したい。
数日前の公園。初夏のような暑さに車のクーラーも反応が鈍い一日だったが、今日からまた通常の寒さに。るるるんと歌うように咲いていた草花たちも、この異常気象に震えていることだろう。
リフォーム第一弾が終わり、癒しの神社へ行く。桜吹雪と鮮やかな緑の新芽が美しい。境内をポチポチ歩いてのんびり過ごす。同じく散策中のハトと目が合い、ドキッとする。
我が家のリフォーム第一弾が終わった直後、我が家のPCがダウン。PCもリフォームに出すことに。
そんな最中の4/14、藤沢にある遊行寺にてパスカルズ出演。写真は、鐘つき堂の裏でリハーサルしているところ。
4月にしては強い日差しと木漏れ日の中での演奏は昨年夏のツアー先、ポワティエのホテル中庭での練習を思い出し懐かしくて楽しかった。この一週間後、PCが初期化されて(涙)戻ってきた。
快晴。近くのホームセンターに行く。昨日からの頭痛は、ここ数日の光化学スモッグのせいだろうか。
時々ふっと思い出すヨーロッパの空気やにおい、行く先々で感じた、たくさんの思いや暖かさ。店の外装がヨーロッパの旧市街で見た風景とどこか似ていて懐かしかった。
このところ、すっかり動かなくなって身体がドロンとしている感じがしたので、久々に少し遠くまで歩いてみた。
気持ちいい。歩くことが好きな私を思い出して嬉しかった。これからは何処へ行くにもなるべく歩いて行こうと思った。実際、どこまでも歩いて行けたらいいなと思うが、日本は島国なので海を隔てて遠い異国までは歩いて行けない。
ヨーロッパへ行くと、車でブーンと国境を走り抜け、すぐにドイツ、スペインだ。次の日曜日はドイツに散歩、なんて言ってみたい。
散歩途中で休憩した神社内にて、新緑まぶしく勇ましい大樹を見上げ、キミは何処から来たのと尋ねてみる。大樹は何も答えず、南西からの風を受けてサササ・・と静かに笑った。
まるで、昨年夏の欧州ツアーのような炎天下(欧州はあと10℃くらいは暑かったが)のなか、西八王子市庁舎脇の浅川河川敷広場にて、第15回、そして最終回の国際交流フェスティバル「みんなちがってみんないい」にパスカルズで出演した。
たっぷり塗ったUVカットファンデも、汗で一瞬のうちに流されてしまうところまで昨年夏のツアーに酷似していたが、ステージ足元に置いていたリコーダーが、床の熱で水分が噴き出され光っていたのにはびっくりした。
ヨーロッパはとにかく暑いけれど湿気はほとんどないので、楽器も我が身も、ひたすらカンカンに暑く干からびていくばかりだったことを思い出す。
結局、終演後に会場屋台を1時間ほど散歩しているうちに、腕と首まわりを真っ赤に日焼けしてしまい、夜のシャワー温水がヒリヒリと沁みた。やっぱり帽子じゃなくて日傘にするんだった。
オーガニックのアイスコーヒーとバナナシフォンケーキがとっても美味しかった。道のりが遠くなければ無農薬野菜もたいへん立派で、お土産に買って帰りたいくらいだった。
大所帯の対バンがあるうえにPA小俣ちゃんの欠席で半ばどうでもいいや的な過激な不安感に襲われつつも、久々の斉藤くん参加ということで楽しみもあり、かなり複雑な思いで入り。
ここ吉祥寺のSPCは光の演出が素晴らしい。観客だけでなく演奏している私たちの心もすっかり包み込む温かさがある。パスカルズの音楽と会場のメロディアスな光によって、どうか今日のステージ無事に愛らしく盛り上がりますようにと祈る。
開いてみれば何の心配もなく、久々だった斉藤くんも、まるでずっとそこに居たかのように自然で嬉しかった。
雲が低く空を埋め尽くした午後。横になってみたが、その重さは変わらなかった。
この季節はいつも憂うつだが、7月以降、前向きに忙しく充実した日々となる予定。そして、それらはすべて来年のための準備期間なのだ。上昇運と取るべきか。あるいは、前向きに考えて耐えよという啓示か。微妙だ。
吉祥寺STAR PINE'S CAFE にて、パスカルズ初2daysライブ。
1日目は、パスカルズワンマンだった。幕間に昨年夏ツアーの道中ビデオ上映会があり、ちょうど一年前の私たちが会場の大スクリーンに映し出されると気持ちもすっかり猛暑のフランスツアー気分となり、後半は怒涛の演奏。新曲があったがスラーッと流れた。
2日目は、友部正人さんと一緒に、初めて演奏する曲や、この日のために作られた新曲もいくつかあり、私は、ほとんど頭の整理がつかないままのリハーサル。
前日からステージ天空にシルバーリングが浮かび、パスカルズ全体がひとつの天使のようになっているところへ、森の妖精のような友部さんが加わり、一層、幻想空間が広がって、本番中は何度も魂が浮き上がる様な気分だった。
ヨハネ受難曲の譜面をコピーしてもらい、自宅にて、ひとりヨハネ。既存の演奏に合わせて弾いてみる。
カッコ良く始まる1曲目で早くも指がもつれそうになる。バッハらしくない旋律。なんか、カイザーやってるみたいで悲しい気分に。
ようやく1曲目が終わったと思ったら Da capo だ。完奏への道のりは、果てしなく遠い。
ドライブ帰り
秋の気配を感じさせる夕空をながめながら
今後について静かに思う
このままそーっとしておくべきか
今のうちに治めたほうが良いのか
わたしは何処へ向かっているのか
ほんとうはどうしたいのか
これからの秋の夜長を
わたしは なすすべも無く漂うか
あるいは
ふたつにひとつの階段をえらび
降りて、または昇っていくか
ときおり夜中に胸打つカウントダウン
そこで わたしを待っているのは誰だろう
写真は、8/29 横浜THUMBS UP パスカルズLIVEのリハーサル中。
パスカルズの音楽は、一見たいへん易しい演奏のようにも見えるが、実は、ロケットマツほかメンバー編曲陣による繊細なフレーズの演出が緻密に練り込まれており、完成に至るまでのプロセスは相当シビアである。
フランスのあるサイトのライターがこの緻密さを探り当ててレビューに書いていて、するどい洞察力に恐れ入ったが、果たして国内でこれに気づいている人は何人いるだろうか。
14人のメンバーが結集されるずっと前から、各個人に対して良い意味でバケモノ的な発想やら演奏やらを見せられ圧倒され続けてきた私にとって、彼らの輪のなかに自分が居ることは、誰よりも私自身が一番不思議に思っている。
こんなに大勢いる、と思うが、パスカルズは、特注の巨大な仕掛け時計、という感じで、表向きはただ単純に時を刻んでいるように見えて、フタを開けると歯車が難解に噛み合わさっていて、どれひとつ欠けても上手く時を刻めなくなるという仕組みになっている。
実際、欠員が出て助っ人を探してもピタリと納まる人にあたることは無いに等しく、奇跡ともいえる。
そんな中で、担当楽器=得意楽器、が大半を占めるうち私だけが不得手なヴァイオリンを手に参加しているということは不可解の極みで、謎はいっそう深まるばかりである。
この謎が解ける日は来るのだろうか。
先日、散歩の途中に見かけた広々とした畑の一角に、色とりどりのコスモスが群れて咲いていた。細くすっきりと空に伸びる鮮やかな緑が秋風に揺れて気持ち良さそうだった。
一枚ずつ個性を持つという、葉や花たちの賑やかなおしゃべりが聞こえてきそうな、穏やかな秋の午後。
横浜にて、友部さんwithパスカルズのレコーディング。
よく晴れた朝、海風のなかを汗ふきながら歩いて、ヨーロッパの風情が漂う洋館に向かう。9月中旬とは思えない暑さだったけど、なんか爽やかでとっても良い気持ちだった。
先日、とてもとても大切な友人の中村さんを天に見送ったばかりで、どうしようもない寂しさに包まれたまま迎えた今日だった。
夜、追悼イベントがあるというので原くんが持ってきた中村さんのパネルを窓辺に置いて、見守られながら一日を過ごす。
録音は無事に終わり、会場で友部さんとメンバーとで記念撮影。帰りは、ここはパリの裏通り?と錯覚してしまいそうな町並みを歩いて中華へ。
吉祥寺スターパインズカフェにて、パスカルズライブ。久し振りに斉藤くんが来て何だかいろいろ思い出して懐かしい嬉しい気分になる。みんなも楽しそうだった。
大所帯のパスカルズでは、なかなかスケジュールが合わないことが多いが、今年はわりとフルメンバーで演奏できている。今日は斉藤くんも加わって最強のフルメンバー。今日、このライブに参加できるお客さんたちは、奇跡に近い幸運といえる。
実は、欧州ツアーでは、まだ一度もフルメンバーで演奏したことがない。日本唯一。大事にしなくちゃと思った。
このところ、ようやく晩秋らしい涼しい風が吹いているなと思ったら、富士山に薄く雪がかぶっていた。今頃の富士は、むかし遠くに住んでいたころ知らない富士山を想って描いた絵によく似ていて、なんか好きだ。
このあたりでは、富士山に雪がかぶれば朝の気温がぐっと下がり、空気も張り詰めてくる。紅葉も近いしるし。
伊豆高原合宿レコーディングのためのリハーサル。早朝出発して龍太郎さんちに行く。体調がいまひとつ。でもここは癒しの里。パスカルズの音楽にすごく良くハマっている空間なので、今年いちばんかもと言われた寒い夜も心は深く癒される一日に。
夜は暖かい美味しい料理つきで何とも贅沢なリハーサルだった。新しい曲は難曲も多く、気合が入る。がんばらねば。
晴れた朝、渋滞を予測して少し早めに家を出て、あかねの運転で伊豆高原へ。
今日から2日間、伊豆高原にある音楽スタジオにて合宿体制でパスカルズnewアルバムのレコーディング。体調は今ひとつだが気合は充分。
回り道をしたおかげで渋滞にも会わずスムーズに行けた。パスカルズで初の車。途中、ちいさな山をふたつほど越えて、頭ぐるぐるになりながら。
REC1日目はものすごく快調に進み、一気に5曲を録り終える。リゾート地のぬくもりが良かったのか美味しい手料理がエネルギーになったのか。こうして合宿していると、なんだかツアー中のポワティエを思い出して嬉し懐かしい気持ちになった。明日も快調に進みますように。
昨日に続け、とサクサク感を保ちつつ、2日目は、午前中に数曲録って、ジャケット撮影。スタジオの中庭の芝生にイス出したり犬連れたり林に入ったり。
自然の似合うパスカルズ。狭いところ、とりわけ、そこから外が見えないなどという空間には一時も居られない性分の私が、このスタジオに来てからずっと、スタジオの一番奥、写真でいうとチェロを弾く三木さんの後ろに見えるガラス窓の奥に4人も入っていて、2日目はかなり精神的にきつい。
奥の部屋の天井は不思議な筒状で中央が絞られていて、このままぎゅぅーと絞られてしまうような恐怖感もあったため、なるべく譜面だけをジッと見て、場所のことを忘れるようにして、ひとつ録り終えるたびに外へ駆け出す行ったり来たりを繰り返して過ごす。
パーカッション龍太郎氏の後ろにだけ外の見える窓があり、ブースの小窓の隙間から、中庭で遊ぶ子供達や猫たちを見たりして2日目もなんとか終了。今日は少々苦しかった。
パスカルズレコーディング最終日。残り数曲を録ってダビング作業。私はもうなんか達成感でぼーとして、紅葉しはじめた木々たちを眺めたり、おにぎりもらって縁側で食べたりして平和に過ごす。
夕方、時間が空いたのでメンバー数人と近くの海岸まで散歩に出掛けた。深い森を抜けた先に広がる「いがいが根」という海岸。溶岩でイガイガ。とても歩きにくいうえに、その先は断崖絶壁で、岩の隙間から深い海の底が見えたりして、打ち付けられる波の音が遠くでドドーンとか聞こえてくるので怖い。決して足を踏み外してはいけないので慎重に進む。
少し丸みをおびた海面に、ちょうど夕陽が沈むころで、とっても美しかった。そして、沈むまで見ていたのですっかり暗くなり、帰り道はいっそう危険に。深い森はいっそう深く、遠くで(実はわりと近くで)獣の声を聞きながらスタジオに戻った。
12月に入り、急に寒さが始まった。
実家近くの公園でクリスマスのイルミネーションがキレイというので行ってみると、木枯らし吹くなか、特設ステージが作られてイベントが催されていた。地元の学生達が手作りのクリスマス劇をやっていて、寒そうだったが何かほのぼのとしていて良かった。
しかし出店はやっぱり純日本風、夏でも冬でも、焼そば、たこ焼き、イカの丸焼き、やきとり。その向こうにキラキラとやや控えめにイルミネーションが連なって光っていた。
吉祥寺SPCにて2days。
初のライブCD「ハイセンス・シューズ」先行発売。大量の音源のなかから選んで1枚にするというのに、そもそもムリがあった。アルバムにならなかった他にもたくさんの町での楽しい演奏やらは今後どこかで皆さんにお見せできる機会があるだろうか。海外公演などは、音+映像で楽しみたいところ。日本では決っして見られないシーンもあるし。
vol.2は、DVDになればなぁ思う。サラさん欠席で助っ人ヴァイオリン美尾さん久々に登場。ますます昨年ツアーを思い出し、ギガやパタフィシでカミーユを思い出し、エスパスチバルでお世話になった皆さんのことなど思い出し、何だか心がポッとした。
2dyasの2日目、昨夜の疲れもあまりなく、会場入りして今日の課題曲の譜面確認する。
この2日間、ほとんど曲がダブらないため、助っ人の美尾さんは大変だが、私だって大変だ。懐かしい曲をたくさんやるので、つまり、久し振りなので、構成から思い出す作業。
パスカルズの楽曲は絶えず変化するので曲によっては譜面が7枚もあるものもある。xxxx年時のヴァージョンで、ということもあるため古い譜面が捨てられないのである。パスカルズの活動歴の長さを物語る譜面の厚み(重み)は、それはそれはすごいものである。
この2日間とも演奏する数少ない楽曲のなかに、マタイ受難曲がある。普段は全く触ることがないヴィオラをクローゼットの奥から出してきて練習。昔の記憶をたどりながら、懐かしみながら。
パリのヌーボーカジノ公演では、アンコールで演奏したマタイ受難曲。隣接するバーは本物のカジノだった。奇声を挙げて騒いでいた明らかに怪しい若者たちが、マタイを演奏し終えたら、整列して一斉に拍手した。その様子を見て私たちの方がビックリした。彼らの瞳が澄みきってしまっていたのである。
恐るべしマタイ。恐るべしバッハ。そして、恐るべしパスカルズ、か。