友人の影響でカメラを衝動買い。さあこれから毎日持ち歩いて沢山撮るぞーと思ったが、なかなかシャッターチャンスがない。撮って残したい風景というのは、大抵は何年も経ってから、あのとき撮っておけば良かったと思うもので、だから今は気がつかない。こういうことって他にもたくさんあると思う。
写真の町も、ほんの10年前までは土の道が多く残っていた。午後には懐かしい金魚売りや風鈴売りがチリリンと鈴を鳴らしながらやってきて、孫を連れたおじいさんと路上で立ち話して笑っている様子を幾度か見かけた。あの風景を見ることはもう二度とできないかと思うと少し寂しい。
昨年のフランスツアーが後を引いて毎食後のスウィーツが欠かせなくなってしまった。(彼等が本当に毎食後スウィーツを食べているかどうかは分かりませんが)滞在中、私は毎食後、食べていた。フランス各地で出会った、皿の上を彩るスウィーツのデコレーションの美しさ。そして食べればほぼ間違いなくとても美味しい。写真は一緒にフランス語教室に通っている料理上手の友人にいただいたマロンケーキと花。とっても美味。帰国してもなお、こうして美味しいひと時を過ごすことができる、良い友人を持って私は幸せだなぁ。
R家でパーティ。手作りの料理やケーキで大いに盛り上がる。夜は焚き火を囲んでプチパスカルズ。火の粉が降り注ぎ妖気漂う風景&演奏。これからも良いこと沢山ありますようにと祈りながら。炎と夜空の美しさに見とれて何度も演奏の手が止まってしまう私。パスカルズの曲は自然の美しさにあまりにもピッタリなのだった。それが嬉しかった。
今年の開花はとても早かった。公園に行ってみると、ものすごい人出。遊歩道脇の緑地に立派な応接セットを構えてバーベキューにカラオケで大騒ぎ。それを静かにじっと見下ろしている桜。桜色は精神安定の色。みんな癒しを求めて桜のもとに集まってきた。そして私も。けれども果たしてあの宴会人達が桜を見たかどうかは疑問である。本場フランス人シェフの焼くクレープのスタンドショップに長蛇の列ができていて、シェフが空になってしまったボールを抱えて一目散に駆けていく姿を見る。そういえば昨年はホットワインの屋台があったのを思い出した。クレープはとても食べたかったけれど並ぶのは苦手なので横目で見送りながら帰る。
ロ短ミサの譜面をもらう。薬局でサージカルテープを購入し製本。クラシックの譜面はこうして綴じるのだと昨年「マタイ受難曲」に参加したとき教えてもらった。綴じながら、沸々と湧き上がる緊張感に浸る。昨年夏、友人の所属するオーケストラに参加させてもらったときの色々な思い出が蘇る。その本番前に母に話したら「また、ひと様に迷惑かけて」と一言。私の演奏を聴いたことがないのに、するどい指摘。。今年もやるなんて、とても言えない。
都内某所にてパスカルズのレコーディング。今日はダビングの日。こんなことでもなければ降りない駅で、とっても美味しいバウムクーヘンのお店を見つけて感激の日だった。演奏の方は、短いけれど難しいフレーズで、ライブなら味な演奏もレコーディングだとNGになってしまうので大変だ。私の味は天然なので。曲目は多彩で今から楽しみ♪
父の墓参りに行く。小さい寺ながらも毎年、近所の人達が手作りで盛り上げている春の行事。しかし境内の砂利に深い轍を残して止めた2t.トラックから流れる大音響の演歌はなんとかならないものか。写真は手作り餃子の屋台裏にあった金魚すくい。金魚すくいのやり方のわからない子供が直接ボールで金魚をすくってしまい、屋台のおじさんがあわてていた。「それはだめっ!」と叫んだ池の中央には小さならんちうが1匹そよそよと泳いでいた。
御祈祷の前には住職の家の大広間で軽食となぜか毎年恒例のビンゴ大会。景品はトイレットペーパー、タワシ、ナベ、煎餅など。
パスカルズで古川へ行く。写真は前日入りして宿泊した「中新田交流センター」もとは廃校になった古い小学校。とてもモダンな建物。翌日、その中庭でライブをした。地元のおいしい料理やお菓子を堪能。静かな田園風景の空に響くパスカルズの音楽。朝、センター周辺を散歩すると、幼少時代にタイムスリップしてしまったかの様な、道端の小川の水音やカエルや虫、鳥たちの声。牛舎のにおいとシロツメクサ。その向こうには地平線まで続く桃源郷のような田園風景が朝もやの中に広がっていて、これぞ残したい風景だったのに、あまりの美しさに私は写真を撮るのも忘れて呆然と立ちすくんでいた。
親子牛にカメラを向けたら母牛が突進してきた。結構恐かった。
パスカルズで2度フランスに行って思った。フランスではフランス語がわからないと結構不便だということ。でもフランス語はすごく難しい。この歳で語学勉強なんて始めてしまったのが無理だったのか、習い始めて1年、自分なりに頑張っているなと思っていたのに、テレビのフランス語講座を見ていたら、ほんの1ヶ月分だったのでショック。気持ちだけが焦っている。このまま続けていつか本当に話せるようになるんだろうかという不安も。
なんだかんだで、ふと気がつくと2年余りもお借りしてしまった帽子作家の友人の帽子をやっと返しに国立の帽子展へ。フランスツアーでもずっと帽子をかぶっていたのですっかり汚れてしまい思い切って洗ったらキレイにはなったけど少し小さくなっていて、これは大変!と被ってぐいぐい伸ばしてみる。無理か。帽子展のあと、ギャラリー近くのcafe&bistrot&vin の「Porte de Paris」へ。壁にワインのラベルをたくさん貼ってデコレーションされた小さいけれども雰囲気のあるお店。フランスの地図も貼ってあった。最近すっかりフランスよりの私。現地でも何度か食べたクロックマダムを注文。ナンシーではクロックムッシューを食べたが食パンが巨大なうえにチーズが濃厚で美味しいのにどうしても3分の1くらいしか食べられなかったことなどを思い出しながら。
8月に入り、迫り来るスケジュールの数々に心身の安定が失われつつある。8/11「パスカルズ」初台ドアーズLIVE。8/28「千葉混声合唱団&室内管弦楽団テオフィルス」千葉ぱるるプラザ演奏会。8/30「うつお」高円寺稲生座LIVE。種類の異なるそれぞれの本番に向けてのリハーサル。合間にふたごのCDの制作準備やエッセイの原稿書きもいくつかある。。この日はオーケストラの全体リハーサルだった。会場に向かう車中で緊張のあまり体調をくずして2度も途中下車。気弱な私。で、練習後癒しを求めて湯島へ。演奏するのは「ロ短調ミサ」宗教違うけど何とか無事できますようにと祈る。
そしたら少しホッとしたので蝉の声やカブトムシの匂いなんかを感じながら近くの和風喫茶で昆布茶とぜんざいを頂きました。
お盆過ぎて実家から戻ってみると庭のデッキで猫の親子がくつろいでいた。どうも、ここ2~3日、声がするなぁと思っていた。生まれたばかりの、まだ猫の声じゃなくて人間の赤ちゃんのような鳴き声で母猫におっぱいをねだっている様子が実にかわいい。我が家の庭は人通りもなく奥まっているので安全だと思ったのだろう。3匹の子猫たちは毎日ドタンバタンとデッキの上で遊びまわっている。洗濯物干そうとして戸を開けたらすごくビックリして庭のすみに丸めてあるトタンの中へと一目散に逃げ込んだ。そうか、そこが君たちの家だったのね。
千葉ぱるるプラザホールにて千葉混声合唱団&テオフィルス室内管弦楽団の演奏に参加。昨年「マタイ受難曲」の感動を再び、と思ったが、完奏にはほど遠い出来上がりとなってしまい反省。昨年より演奏時間も曲数も少ないし、主旋律で覚えやすいし、と甘く見ていたら、実際には、昨年と違い曲中の休みがほとんどなく、しかも1stヴァイオリンは忙しかった。終演後、深く重い疲労感があった。もう少しで「背負いヴァイオリン」になるところだった。
8月の苦しい暑さも少し和らぎ、忙しいスケジュールもとりあえず終わると秋の祭りがやってきた。夏のにぎやかな祭りも好きだが、私は秋のしんみりとした祭りが大好きである。秋の虫たちの声を聞きながら屋台をのんびり見てまわるのがいい。けれどもこの日は台風の影響で激しい風と雨に打たれ、参拝客はみんな本堂に入る門の下にぎゅっと入って雨やどり。途中から雷も鳴り始め、一時停電騒ぎも。喫茶店で濡れた服を乾かして駅に向かうと電車も止まっていた。
翌日、気を取り直して再び祭りへ。町中を一巡りするたくさんの神輿を見に。威勢の良い掛け声が秋空にこだまして気持ちいい。夕方までのんびり散歩した。
実家からバスと電車を乗り継いで山へ。沢滝を眼下に見ながら、遠く見えない山裾まで延々と地蔵が祭られている不思議な山を散歩。そのあと温泉につかり、一日中まったり過ごす。
夜、遊歩道沿いのイルミネーションの中に浮かび上がるウサギのオブジェあり。
MANDA-LA2にて「ひとりずつ」ライブ。せっかくの十五夜が曇り空で見えず。でもステージは島田さんが作ってくれた色とりどりの星たちがキラめき、会場の照明があたってさらに神秘の光を放っていた。その美しさにうっとり。
お客さんや友人から沢山のお菓子をもらった。お菓子の日だった。和菓子、洋菓子、フランス菓子、そして紅茶。これからの秋の夜長を楽しみたい。ありがとう!
関東では久し振りのライブ。新曲もあり、今度こそは決めるぞとリハーサルにも一層、気合が入る。ロシア土産のキャビアやチョコレートをいただきながら。包み紙のイラストがとってもキュート。鮮やかな原色を使った光沢のある美しい包みを開くと濃厚なカカオの香りがした。
そして、本番。2部制の長いステージのリハーサルをやっと終えたころ、台風23号が接近。会場付近一帯に出ていた避難勧告にそわそわしながら、急きょ、短縮1時間ライブに切り換えて早々に会場を後にした。落ち着かない様子が顔に出ている。この日が今年最後のパスカルズライブとなった。
マスタリング作業。これでやっとアルバム完成。現役?の頃のライブを見ている人はもうあまりいないかも知れないくらい幻のアルバムだけれど、知ってる人も初めての人にもじっくり聴いてもらえる仕上がりになったと思う。じっくり、は本当は恥ずかしい。とても元気でふたごのカワイイ衣裳を着て、振り付けありで鉄琴叩いたりしていた頃の自分を思う。スタジオの外に出て、どんよりした曇り空を仰ぎながらボンヤリ懐かしんでみる。あの頃、10数年後の今の自分を想像できるはずもなかった。これからどうなっていくのかもわからない。来年の手帳にはもう予定が入っているけれど。
今年は忙しいばかりで過ぎてしまったような気がする。気がつくともう11月になっていた。最近、上京した頃のことを思い出し深く思うことが多い。11/2、久し振りに原マスミさんの稲生座ライブに行く。20年前は、毎月行われていた稲生座でのライブに実家から新幹線に乗って見にきていた。いっぱいで入れなくて店の外で聴いて帰ったこともあった。この日、整理券をもっていなかった私は「もしかしたら入れないかもしれない組」になってしまい、昔のことを思い出したのだった。ぎゅうぎゅうだったが何とか店の厨房に入れてもらい、カウンターに並んだ洋酒ボトルの隙間から原さんを見る。
そして週末は通っているフランス語教室のサロンでアコーディオンコンサート。もと生徒さん、今はパリ在住という何とも羨ましいシャンソンの夕べ。ゆったりとした時間。今週は癒しの週だなと思う。帰り道、友人からカワイイ雪だるまのロウソクをもらう。すべてのものに平等にともされる灯りをつけた雪ダルマは平和への祈りのように静かにうつむいて佇むのでした。
12月に入り、諸々のスケジュールが一段落。急にポツンと暇になった。本番がなくてもやる事は沢山ある。でも、とりあえず今年の自分に「お疲れさま」ということで人気がなくなった町をフラフラ散歩。たどり着いた公園には静かに川が流れていた。橋の欄干に両肘をついて、さっき沈んだばかりの夕陽を恋しがりながら西の夜空を望む。鳥の声もなく、ただ水音だけがユルユルと聞こえて気持ちいい。
遊歩道途中、外灯脇に立ってふと見上げると、それはそれは美しい紅葉が外灯に照らされて発光していた。真っ黒で寂しいなと思っていた公園が人知れず、赤く強く色づいていた。。それにしても、さ、寒い。日暮れ前に来れば良かったかな。