既存研究を調べる

1.とりあえずWeb of Scienceにアクセスします。

- おそらく最も使用する論文検索エンジンです。学内でしか使えません。また、日本語の論文には対応してないです。

-【おすすめ】トムソンロイター公式の紹介漫画:よくわかる!Web of Science

- 使い方に関する公式サポートはこちら(簡易マニュアルが16本もある)。

2.気になるワードを入れて検索。

3.検索結果の画面では、分野を問わず多くのペーパーが表示されます。サイドバーから、経済系のジャーナルに絞り込みます。

-「研究領域」 or 「研究分野」で”economics” を選択→「絞り込み」

- 欲を言えば「出版物」でトップジャーナルに絞っておくとよいです。

- 経済系ジャーナルにはランキングがあります。とりあえずIDEASを参考にしてください。(他にもSJRが有名)

- 分野全体の流れをつかむには、Journal of Economic Literature、もしくは Journal of Economic Perspectives の記事が最適です。

4.上段中部「並び替え」で「被引用数--多い順」を選択し、Citationが多いペーパーを片っ端から読みます。(意味わかんなくてもAbstractくらいは全部読みたい)

-Citationの多いペーパーはだいたいトップジャーナルです。

5.気になるペーパーを発見したら「Tulips Linker」をクリックしてダウンロード。頑張って全部読みます。

-大学が購読していないジャーナルはダウンロードできません。が、最近このような問題が起こっているようです(外部記事)。

6.トップジャーナルに載るペーパーは、既存研究をわかりやすく纏めてくれています。Introduction や Background のセクションを頼りに、別の既存研究を辿ってゆきます。

7.ビビっと来るペーパーに出会ったら、そのペーパーを引用している研究を探します。

与太話

# Web of Scienceと似たようなサービスにGoogle Scholarがあります。ここでは右側に落とせるpdfのリンクが張ってあります。また、「引用」ボタンをおすと参考文献の形式で表示してくれるので、自身の論文の参考文献リストにコピペでもしておくと楽。

# 良いテーマってなんなんでしょうか(泣)

# Stearns 先生とHuey 先生の記事(日本語訳)より抜粋:大学院生への「ささやかな」アドバイス,大学院生への「ポジティブな」アドバイス

##「完璧な」論文などできないのだと悟らなければならない。なんにでもそうであるように、欠陥はかならず見つかる。あなたが得ることのできる限られた時間、お金、エネルギー、励まし、思考の範囲内で、できるかぎり良いものをつくるようにすることだ。

# Rubinstein 先生の記事より抜粋:10 Q&A: Experienced Advice for “Lost” Graduate Students in Economics

##あなたは地球上で最も恵まれた人間の一人です。社会はあなたに、好きなことをさせてくれる素晴らしい機会を与えてくれた。新しいアイデアを考えてよいし、自分なりの視点を自由に表現してもよい、好きな方法で試しても構わない、それらが認められれば報酬すら与えられるのです。この特権は誰しももっているものではありません。

# Blattman 先生のブログ記事:Just say no

##成功するかどうかはNoが言えるかどうか・・・

# Pischke 先生の記事:How to get started on research in economics?

# Davis 先生の記事:Ph.D. Thesis Research: Where do I Start?,

##とにかくTalkとWriteingだ。アドバイザーや学生同士で議論することだ。

## 統計的に有意でも、経済学的に有意でないとね。

# 「博士号のとり方」より抜粋:

## 打算的に効率を重視するのは別に後ろめたいことではない。深い海へと身を投げることはカッコよくはあっても、沈んでしまうこともあるのだから!(「博士号のための研究はどのタイプ?」 p.88)

## 知的な孤独は研究の成功のために不可欠かつ望まれるものである。しかしDelamont et al.(2004)は社会的、感情的な孤独はこの限りではないと述べている。専攻やトピック、大学にかかわらずインタビューを受けた大学院生は、研究よりも研究をする社会的環境から来るものに悩まされていた。その結果、初期に持っていた高揚感を失い、研究のペースも落ちた。(「孤独」 p.117)

## 社会心理学専攻のエヴェリンと地理学専攻のジョイスは互いのドラフトを批評しあった。もちろん彼らはお互いの専門について特別な知識はない。彼らは共に社会科学分野の専攻であり、調査や統計の手法が社会科学の研究として適切であるかどうかを理解し、英語が読めるというだけだ。これは、二人が相当に高度で専門的な議論の段階に達するまでは、互いのコメントが有益たるに十分な条件だ。(「自助努力と相互扶助グループ」 p.138)