企業分析パート



ようこそ企業分析パートへ

「…というのは、自分の利害に関わることがらで、判断を誤ればたちまちその結果によって罰せられるようなことがらについて各人がなす推論のうちには、学者が書斎で実際には何も生まない思弁についてなす推論のうちよりも、はるかに多くの真理がありうると思われたからである。」
(ルネ・デカルト,1637,『方法序説』27頁,山田弘明訳,2010,筑摩書房)


【企業分析パートとは】

 本パートは、好きな上場企業を選んで、その会社が「買い」なのか「売り」なのか意思決定を下し相手を説得する、というゲームをしています。そのためのリサーチと、投資家を交えてリサーチ結果を共有する報告会が主な活動内容です。報告会は2017年現在、東京大学の駒場・本郷キャンパスにて毎週水曜日19:00~に行っています。その他にも過去には外資系投資銀行のBarclaysと共同で投資勉強会を主催しました。
 入ゼミ希望者の大学/学年/学部/投資経験は一切不問です。学部1年生から院生まで、法学部、経済学部から工学部、医学部まで、幅広い分野から学生が集まっています。東工大、筑波、早稲田、慶應、ICU、上智などの学生もゼミに在籍しています。
 
【企業分析パートの目指すもの】
  リサーチ→投資判断→発表→議論の過程を通じて、批判的思考力・人を説得する力・不確定な将来をより正確に予測する力を鍛えることで、各界において先導的に活躍し、重要な意思決定を行えるリーダーを育成することを目的としています。

【リサーチとは】
 投資判断において漫然と判断を下すことはありません。徹底的に調べることで確かな根拠を集める作業を、私たちは「リサーチ」と呼んでいます。主として有価証券報告書などの企業業績に関わる書類を読み込みますが、過去のゼミ生にはそのような一般的な分析に留まらず、学生それぞれの強みを活かした分析や、独自の実地調査によって説得力ある根拠を集めている人たちもいます。意外な方法で手に入れた証拠が決め手となって投資判断の確定に至ることもあります。
 経験を積むに従って「ここに(特定の調査結果)がなければ聴衆が納得しない」と批判的に主張を検討する力が身につき、膨大な企業情報を効率的にかつ正しく読めるようになっていきます。このようなリサーチ結果をプレゼン資料にまとめ、報告会で発表します。

【報告会】
 ゼミの中心の活動である報告会は、「リサーチした銘柄を2,3名のゼミ生がそれぞれ発表し、瀧本先生や他のゼミ生が様々な疑問や意見を投げかける」といった形で進みます。報告会の最後には、プロの投資家である瀧本先生からの発表に対するフィードバックを受けられます。 
 前述した「リサーチ」の項目で漫然と判断を下すことはないと述べましたが、そのような発表があった場合はここで炎上します。他のゼミ生や瀧本先生から徹底的な反駁を浴びるために、投資判断が崩れて最後まで発表できなくなってしまうこともあります。

企業を分析する中で、「一見すると素晴らしい経営を行っている企業が、実は負債で首の回らない企業である」ということや、逆に、「世間ではあまり注目されていない企業が、実は恐るべき成長可能性を秘めている」ということが分かることが、よく有ります。
このような「世の中が気づいていない事実」にこそ、私達は価値を見出しており、それが気づいた瞬間は格別です。

【パート内の雰囲気】
 ここまでの説明からは、なんだかとても「お固い」もしくは「怖い」活動をしている団体だと思われるかもしれません。ですが、必ずしもそうではありません。
 瀧本ゼミは「クラブ的で、長く続くネットワーク」を志向しています。ゼミ生同士はごくふつうの学生のようにウェイウェイ(?)交流をしていますし、報告会の後に行われるアフターには瀧本先生も参加し、ゼミ生がそれぞれ、企業分析に限らない様々なトピックについて普段感じている素朴な疑問を先生にぶつけて、新たな展開が発生するシーンも見られます。
 またゼミの卒業生は現役のゼミ生と頻繁に意見交流しています。仲のいい卒業生と一緒に飲みに行くこともあります。
 
【企業分析パートの魅力】
我々は「みんなが知っていることに意味はない」という前提に立ち、たとえ誰でも見ることができる公開情報でも、うまく繋げて解釈すれば、他の人が気付いていない価値ある情報に気付けるという確信のもとに集っています。
 
 活動をこなす中で、世間一般で低く評価されている企業が実は有望な事業戦略を展開しているなどの貴重な知見を得られます。このような知見は報道されることは少なく、ググって簡単に見つかるものでもなく、ふつうは一次情報を徹底的に調べた者だけが辿り着ける見地です。私たちのパートではそのような知見が発表会で惜しげもなく共有されると共に、実際の投資家がそれに対して価値を感じるかどうかを間近に見ることができます。
 
 評価が序列や性差や所属に関係なく成果物で決まる、というフラットな評価体制も魅力です。先輩だから/女性だからという特別扱いなしで、自分の能力を試すことができます。
 
 また、私たちのパートでは、一度発表してそれでお終い、とはなりません。発表で得られたフィードバックを持ち帰って、もう一度リサーチし直し、次の機会に再び発表することで投資判断のクオリティを上げていくという、各人の能力の違いを踏まえた運営体制を採っています。ただしパフォーマンスが長期間上がらない人は途中退場(Fire制度)となります(ゼミ生資格を失います)。このゼミで2年間生き延びることができれば、入る前とはまるで違う視座で日本社会を見通せるようになっていることでしょう。
 
 企業分析パートはそんな組織文化を備えた団体です。