十夜ヶ橋のご紹介

正法山 永徳寺 十夜ヶ橋大師堂
四国番外札所『弘法大師御野宿所』、
四国別格二十霊場・第八番、南予七福神・福禄寿尊

 昔、弘法大師が行脚のおり、この辺りにさしかかった時、日が暮れてしまい、泊まるところもなく空腹のまま小川に架けた土橋の下で野宿をされました。その折に、一夜限りとはいえ夜明けまでの時間が十夜の長さに感じられ「行きなやむ 浮世の人を渡さずば 一夜も十夜の橋と思ほゆ」と詠ったことから十夜ヶ橋と名がついたといわれています。

十夜ヶ橋の縁起

 今を去ること一千二百有余年の昔、弘法大師は衆生済度大願のため四国の各地を行脚し給い、当大洲地方をも御巡錫になりました。そして当時、宿も民家も近辺には無く、ご修行中の身であったため、橋の下で一晩お休みになられました。その時お大師様は詩を詠まれました。
 それは『行き悩む浮世の人を渡さずば、一夜も十夜の橋とおもほゆ』という詩でありました。この歌の意味は『行き悩む浮世の人』というのは、日々の生活を過ごすので精一杯で、自分のことを考える時間も無く、悟りを得ることもできず、まよい悩みの世界にいる我われのことです。『渡さずば』悟りの世界にいけるようにするには、日々充実した生活を、心安らかな生活を送ってもらうためには、どうしたら良いのだろうか。どのような方法があるのだろうか。という意味であり、『一夜も十夜の橋とおもほゆ』とは、この事(衆生済度)を考えていると、一晩が十日ほども長く感じたと詠まれたのです。
 お大師様は人々が充実し明るい気持ちで生きていくにはどうしたらよいかと考えていたら、長い長い夜であったと歌を詠まれたわけです。それより十夜ヶ橋という名が起こったと伝えられています。
 大洲の人はこの詩を通じて、自分たちのことを考えていて下さったお大師様に感謝して、橋の下に横になって休まれているお大師様をお祭りし、今に到っているのです。

お遍路さんが橋の上を通る時、杖をつかないという風習はお大師様を「上から杖でつかない、杖の音で起こさない」という思いから起こったものです。

釈雲照律師の石板

釈雲照律師
弘法大師御野宿所には弘法大師の読まれたの歌の石版があります。釈雲照律師82歳時の筆。明治41年建立。

釈雲照律師(しゃく うんしょう、1827ー1909)

 幕末から明治期にかけての真言宗の僧。出雲国(島根県)の出身。
 釋雲照律師は、その学徳と僧侶としての戒律を厳格に守る生活姿勢、そしてその崇高なる人格に山県有朋、伊藤博文、大隈重信、沢柳政太郎など、明治の元勲や学者、財界人が帰依し教えを請うた明治の傑僧であった。
 53才の時に高野山に登り一山の法規を改正。高野山、仁和寺、醍醐寺、智山、豊山の五大本山の宗規を改正。東京、湯島の霊雲寺で真言宗合同の大成会議を開いて真言宗の統一に深く関わった。

十夜ヶ橋永徳寺大師堂

大師堂彫刻
十夜ヶ橋永徳寺大師堂
明治19年


彫刻 長州大工 門井宗吉 27才作
 向拝蟇股に彫刻銘あり


永徳寺の紹介(十夜ヶ橋本坊)

名 称 正法山 永徳寺(しょうぼうざん えいとくじ)
宗 派 真言宗 御室派(しんごんしゅう おむろは)
仁和寺末 (にんなじまつ)
建 物 本堂・位牌堂・客殿・庫裡
境外仏堂十夜ヶ橋大師堂(とよがはしだいしどう)
本 尊 千手観音(せんじゅかんのん)、
脇侍(不動明王・毘沙門天)
沿 革 永徳年間(一三八一~一三八四)の開創と伝えられているが、火災によってその記録を失ったので、不詳である。その後の一七二七年(享保十二年)秀意によって再建され、平成十六年までの本堂は一八四六年(弘化三年)に寛如によって建立された。平成十六年(圓定代)にその本堂が老朽化のため、新改築がなされ、現在に至っている。
永徳寺
十夜ヶ橋より1.5km。車で約5分。

南予七福神

 七福神信仰は「七難即滅・七福即生」という現世利益の祈りであることは広く知られているが、仏教でいう「七」は、悉地成就の意味がこめられているといわれています。つまりすべてが成就するということ、更には教えを信仰実践することにおいて得られる「七福」ということです。
 南予七福神は、南予七ケ所霊場ともいわれ、すべて四国霊場と別格霊場からなり、弘法大師と深いかかわりを持つ、古い歴史を有する霊場です。

第1番 弁才天 観自在寺 四国霊場第40番
第2番 毘沙門天 龍光院 40番奥の院
別格霊場第6番
第3番 恵比寿尊 龍光寺 四国霊場第41番
第4番 大黒天 仏木寺 四国霊場第42番
第5番 布袋尊 明石寺 四国霊場第43番
第6番 寿老尊 金山出石寺 別格霊場第7番
第7番 福禄寿尊 十夜ヶ橋永徳寺 別格霊場第8番

四国別格二十霊場

 四国は弘法大師の御生誕の地でもあり又御修行の地でもあります。御大師さまにまつわる信仰や伝説にもとづいて開かれた寺々は、八十八カ所霊場以外にもたくさんあります。
 別格霊場はその中でも御大師さまとご縁の深い寺院二十ヶ寺が結集した霊場です。この霊場の中には弘法大師さまをご本尊とする寺院も多くございます。
 別格霊場はすでに八十八ヶ所の巡拝を終えた方が改めてこの二十ヶ寺を巡り、あわせて百八ヶ寺として人間の百八煩悩を滅するのもよし、四国巡拝の道中に立ち寄られてみるのもよし、衆生を救わんとされる御大師さまの御誓願が伝わる親しみのある霊場であり、何と申しましても昔ながらのお遍路さんに対するお接待の心が残されている霊場です。

寺番 名称 ご 本 尊
第1番 仏王山 大山寺 千手観世音菩薩
第2番 東明山 童学寺 薬師如来
第3番 月頂山 慈眼寺 十一面観世音菩薩
第4番 八坂山 鯖大師本坊 八坂寺 弘法大師
第5番 高野山 大善寺 弘法大師
第6番 臨海山 龍光院 福寿寺 十一面観世音菩薩
第7番 金山 出石寺 千手観世音菩薩
第8番 十夜ヶ橋 永徳寺 弥勒菩薩
第9番 大法山 文殊院 徳盛寺 地蔵菩薩・文珠菩薩
第10番 仏法山 西山興隆寺 千手観世音菩薩
第11番 生木地蔵 生木山 正善寺 延命地蔵菩薩
第12番 摩尼山 延命寺 地蔵菩薩
第13番 金光山 仙龍寺 弘法大師
第14番 邦治山 椿堂 常福寺 延命地蔵菩薩・非核不動尊
第15番 宝珠山 箸蔵寺 金毘羅大権現
第16番 巨鼇山 萩原寺 伽羅陀山火伏地蔵菩薩
第17番 五穀山 神野寺 薬師如来
第18番 経納山 海岸寺 正観世音菩薩・弘法大師誕生仏
第19番 寶幢山 香西寺 延命地蔵菩薩
第20番 福大山 大瀧寺 西照大権現

アクセス




JR JR予讃線伊予大洲駅から宇和島バス鹿野川経由野村行きで6分、十夜ヶ橋下車すぐ
高速道路 松山自動車道、大洲インター出口すぐ
国道 国道56号線、十夜ヶ橋交差点すぐ 
その他 周辺情報・観光スポット(goo)


アクセスのページヘ