個人情報保護法の過剰反応

~最近気になり腑に落ちないこと~

平井秀信

2007/8/15〔鳥類観察人間学研究所―展望台〕


  Photo:T.I.

私の所属する或る趣味の会、最近「会員名簿」が届かなくなった。主宰者にその訳を訊いてみると、「会員名簿など出していたら、個人情報保護法の“同意原則”に抵触して大変なことになる。」とのこと。住所、氏名、電話番号だけのものだったのだが。それでは、住所と氏名だけにしては、と質してもダメという。このようなことが、ほかの組織でも起きていると聞く。

 この程度の情報が法律によってまで、規制されなければならないのだろうかと思う。なるほど、この世の中悪徳業者の絶えることがない、巨額の資金を騙し取られる事件がつぎつぎ報じられもする。だからといって、なんでもかんでも匿名、閉鎖社会にして良いものかどうか、私は大いに疑問を持っている。隣は何をする人ぞ、都会に住む人たちに対する、昔ながらの比喩もあるが。あれもこれも、秘密、ひみつといわれては、やがては全身を長衣で包み、顔にはお面を被って歩くことになるぞ、・・・・・とまあ、ヤジの一つも飛ばしたくなるというものだ。

 別にこだわるつもりもないのだが、会員名簿、またその類の情報にはそれなりの、意義があるものでもある。趣味の会においては、会員同士の情報交換、親睦交流、消息の確認などに役立つし、なんといってもお互いに連帯感が生まれる。

また災害時の対応策として、一人暮らしの高齢者、病人の有無などの情報を事前に把握しておくことは、必要事項、地域住民の務めでもあるといえる。学校の生徒たちの名簿、老人ホームの名簿なども議論のあるところと聞くが、いずれ良識ある結論が出されることだろう。

 まあ堅いこというのも時には必要かもしれないが、住所も隠し、名前や電話番号も隠して、お互いのコミニュケーシヨンもままならず。そんな息の詰まりそうな社会が、果たしてよいものか。「頭隠して、尻かくさず。」になってしまう恐れなきにしもあらず。要は、世の中「うまい話」などあろうはずがない、と自らが肝に銘じて、電話といわず、訪問といわず「ただであげる。」「こんなに儲かる」そんな旨い話に絶対乗らぬこと。また“振り込め、振り込め”といった詐欺行為も横行し、悪行はとどまることがない。まず自らが騙されない人間になることこそが肝要ではないのか。

 個人情報保護法に「過剰に反応しているのではないか」といった論議もあり、また一般の人の中にもそのような声が無くはない。しかし今のところ、さしあたり痛痒を感じないのか、諦めか、あまり大きな声にはなっていないのが現状ではある。

さて、「上記程度の個人情報」の管理、規制のあり方、その対応について、皆さんはどんな感想をおもちでしょう。

鳥類観察人間学研究所が立ち上げられた機会に、愚見を申し述べる次第。