技術心理学研究会とは?

現代社会には,さまざまなモノやサービスがあふれています。

その社会をよりよいものにしていくために,人間の「心」を理解することがますます重要になっています。

現代の心理学は,脳科学や情報科学などの周辺諸科学と有機的に関連しながら発展しています。実験心理学とは,目に見えない人間の心の働きを,目に見える形で実証的に検討しようという学問です。もともと知覚・注意・記憶といった研究テーマが中心でしたが,現在では,感情や感性,社会行動までを扱うようになりました。

実験心理学のバックグラウンドを持った研究者は,これまでにも工学や産業,社会問題に関する分野で活躍してきました。しかし,現場からの要請で行われる研究は,その場ですぐに役立つことが求められるため,得られた情報を蓄積したり,広く交換する機会は限られていました。また,現場に密着した研究を「学術的に劣る」と軽視する風潮が研究者のなかにあったことも否めません。

しかし,人間の心や行動に「基礎」や「応用」といった垣根があるわけではありません。実験室で得られている知見を現場の人々にヒントとして伝えるとともに,現場の視点から新しい研究テーマを見つけて実験室で発展させていく。このようなスパイラルによって,日々を生きる人間の「心」をよりリアルに捉えられるようになると期待しています。

技術心理学とは,そのような「実学としての実験心理学」を指す造語です。本研究会は,実験心理学の知見や枠組み,方法論を生かして,社会の要請に応えたいという有志が集まり,熊田孝恒代表のもと,2009年に創設されました。

このたび,研究会代表と事務局長を引き継ぐことをきっかけとして,このウェブサイトを充実させ,研究者と実務家をつなぐためのプラットフォームにしたいと考えています。また,「実験心理学を通じた社会貢献」に関心のある学生のみなさんへの情報提供も行います。これまでどおり研究会を年1-2回開催するとともに,メーリングリストを開設する予定です。

関心のある方々の積極的なご参加をお待ちしています。

2014年6月

研究会代表 入戸野 宏(広島大学)
事務局長  須藤 智(静岡大学)

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