(開催済)社団法人日本心理学会技術心理学研究会第6回研究会

2015/12/15 22:28 に Satoru Suto が投稿

投稿日 : 2012年2月1日 最終更新日時 : 2012年2月1日 カテゴリー : 未分類

タイトル:第6回技術心理学研究会開催のお知らせ


以下の日程で第6回技術心理学研究会を開催いたします。 今回は,東京のキャン
パスイノベーションセンタ東京広島学会議室(田町)にて、 芝浦工業
倉典子先生をお招きし、ご講演と、実験心理学の実学適用に関するショート
トークを3件を行います。
また、研究会終了後(17:30~)に簡単な懇親会を田町駅付近で行う予定で
す。 懇親会に参加希望の方は、2012年2月20日までにml-admin@techpsy.jp ま
でご連絡 ください。

日時:2012年2月22日(水) 14:00~17:30
場所:キャンパスイノベーションセンタ東京 広島学会議室(4F 408号)
http://www.cictokyo.jp/
http://www.hiroshima-u.ac.jp/liaison/access/

山手線田町駅から徒歩1分
備考:1Fエレベーター脇の電光掲示板に 「日本心理学会第6回技術心理学研究会
 4F広島学408」 と表示されています。

 13:30~      受  付

 14:00~15:00 講  演(講演50分・質疑応答10分)
                          講演題目:わくわく感測定の課題
              講演者:倉 典子
             所属:芝浦工業

 15:10~16:25 ショートトーク(各トーク20分・質疑5分)
             ショートトーク①
                            発表題目:行動科学による「かわいい」研究の射程
                            発表者:入戸野 宏
                            所属:広島学院総合科学研究科
             ショートトーク②
                            発表題目:残留農薬に関する情報デザインの検討
              発表者:朴ソラ(1),増田知尋(2),村越琢磨(2),木村 敦(3),小山慎一(1),日比野治雄(1),和田有史(2)
              所属: (1)千葉学院工学研究科デザイン心理学研究室,(2)(独)農研機構食品総合研究所,(3)東京電機学情報環境学部
                          ショートトーク③
                            発表題目:複数個体の魚の鮮度判断に対する輝度分布変数の効果
              発表者:村越琢磨,増田知尋,和田有史
              所属:(独)農研機構 食品総合研究所)

  16:30~17:00 総合討議と今年度の活動報告と今後の活動方針
  17:30~      懇親会


講演題目:わくわく感測定の課題
講演者:倉 典子
講演要旨:講演者は,ゲームなどインタラクティブシステムを含めた人工物のわくわく感の工学的研究を行っているが,わくわく感は,通常の工学の対象とは異なっており,分析に窮すことも多い。今回は、これまでの研究例をご紹介し,人間の心理の研究の専門家の皆様からご助言をいただきたい。


ショートトーク①
発表題目:行動科学による「かわいい」研究の射程
発表者:入戸野 宏
講演要旨:“かわいい”という言葉は日常生活でよく使われる。また,日本のポップカルチャーを代表するキーワードとして世界中に広まっている。かわいいとよばれるものは多種多様であり,共通する定義を見つけるのは難しい。しかし,これだけ“かわいい”が普及しているのだから,かわいいものを見たり所有したりすることには,その行動を強化するポジティブな効果があるはずである。私の研究室では,“かわいい”を対象がもつ性質ではなく対象に触れて生じる感情という側面から捉え,学生を参加者とした行動科学的な調査・実験を数年前から行ってきた。今回の発表ではその一端を紹介するとともに,この研究テーマの応用可能性について私見を述べる。

ショートトーク②
発表題目:複数個体の魚の鮮度判断に対する輝度分布変数の効果
発表者:村越琢磨,増田知尋,和田有史
発表要旨:画像の輝度分布変数は対象の質感判断や、食品の鮮度判断に効果を持つ。Wada et al. (2010) は単一個体内での食材の劣化過程と食材表面の輝度分布の相関関係を明らかにした。しかし、食材には個体差があり、同時間を経た劣化であっても画像に含まれる輝度分布は個体間で異なると考えられる。このような複数個体の食材を用いた場合にも食材表面の輝度分布が鮮度判断の規定要因となるかは明らかでない。本研究では、複数個体の食材画像を用い、画像の輝度分布変数が鮮度判断に効果を持つかを検討した。食材として3個体の魚を用い、チャンバールーム内で、0, 1.63, 3.29時間後の3時点の状態を撮影した。3個体3時点の画像から眼の部分を128×128ピクセルでトリミングした画像9枚を刺激として用い、一対比較法にて鮮度判断を行った。ランダムに選ばれた2枚の刺激画像がCRTモニタ上に並べて提示され、実験参加者はどちらがより新鮮に見えるかを二肢強制選択により判断した。二要因分散分析の結果、知覚された鮮度得点に対する劣化時間の効果が有意で、個体差の効果も有意であった。さらに劣化時間と個体差の交互作用も見られた。輝度の標準偏差および歪度が鮮度判断に影響を与えるモデルの適合度判断を重回帰分析により行った結果、重決定係数が有意で、輝度標準偏差の標準偏回帰係数が有意であった。これらの結果から、食材画像による鮮度判断では個体ごとに知覚される鮮度は異なるが全ての個体内で劣化時間に伴って知覚される鮮度が低下することが明らかとなった。さらに、異なる個体間の鮮度評価においても画像に含まれる輝度分布の変数が鮮度判断に効果を持つ可能性が示された。

ショートトーク③
発表題目:残留農薬に関する情報デザインの検討
発表者:朴ソラ,増田知尋,村越琢磨,木村 敦,小山慎一,日比野治雄,和田有史
発表要旨:ポジティブリスト制度を導入して以来,日本では流通する食品に用いられるすべての農薬の残留量が人体に影響を与えないよう管理されている。しかし,厳重な管理にもかかわらず,食品の安全性に関する消費者の不安感は根強いものがある。このような消費者の不安感を軽減させるためには,生産者,専門家,消費者との食品安全に対する共通理解を促すツールが必要である。本研究では,消費者への正確な情報伝達を促す表示方法を開発し,その効果を検証することを目的とした。具体的には,農薬の残留量に関わる無毒性量(NOAEL),一日許容摂取量(ADI),残留農薬基準の関係を示す3種類の表示方法が残留農薬に関するリスクの認識に及ぼす影響について検討した。3種類の表示方法は,①文章のみでの表示,②残留農薬の基準と身体への影響をシグモイド曲線で表したグラフによる表示,③残留農薬の程度を一次元で表現する温度計状のデザインによる表示であった。これらの3種類の表示方法を参考にする参加者たちを3群に分けた。参加者は,上記の3段階の残留農薬に関する値以下の農薬が残留している可能性がある農産物について,その安全の程度に関する認識を評定尺度を用いて評価した。その結果,3段階の値のリスクの順位の正解率は, 温度計状のデザインによる説明の方が,文章とグラフによる説明よりも有意に高かった。一方でグラフによる説明は,文章のみの説明よりも正解する人数が少なかった。この結果は,一次元で量を表したデザインの方が,従来のシグモイド曲線を用いた説明よりも消費者に対してリスクを適切に伝達することができる可能性を示唆するものである。

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