Innovator'sDilemma-イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ

イノベーションとは、革新的技術などで語られることが多いが、その語源はラテン語の「innovare」で、<何かを新しくする>という意味である[1]。

従って、 カイゼン活動のような漸進的な活動であっても、それは、イノベーションなのである。
 
さて、その業界を牽引してきた既存企業は、なぜ、破壊的技術のような劇的に変わってしまうような事態にうまく対応できないのだろうか?

  • クリステンセンの分類は
  1. (ある技術や変化に対しての対応可能性として)既存企業が対応できないを「破壊的」有力な既存企業が対応し、成功する「持続的」
  2. 技術的性質として、不連続な技術発展であることを「抜本的」、従来の技術力をもとに築かれたものであることを「漸進的」とに分類している *。
  • *例えば、ミニミルのようにローエンド市場から、上位市場へ侵食するような、出現当時は「低コスト低品質」の特徴を持ち、有力な企業が見向きもしない市場を相手にする技術は抜本的で破壊的、本書で示されるHDDの小型化は、漸進的で破壊的な特徴を持つと考える。

 

これらの関係を下表にまとめた。右書籍で表された各種の技術からみると、抜本的であれ、漸進的であれ、既存企業の対応性は「持続的」「破壊的」と、どちらの様相もありえることがわかる。著者はこの説明をバリューネットワークという概念から説明している 。

つまり、HDDが小型化するにつれ、用途がデスクトップ型からラップトップへ変遷していくと、その部材を供給するサプライヤー、そしてそれを求める顧客が変わってしまうため、従来の顧客をターゲットにしていては対応できないのである。

  • その対応はどのようにすれば良いのだろうか?

試行錯誤が可能なプロジェクトを結成し、①少しの進展にでも前向きになれる組織へ任せる、②当該プロジェクトが必要な顧客をもつ組織に任せる、③既存組織の価値基準を適応しないように、その破壊的技術が評価される市場を発見、開拓する。

  • 企業が、なぜこれほどまでに注意を向けなければならないのか?

それは、「破壊的イノベーションは、急速な変化(新市場型破壊)、または緩慢な変化(ローエンド型破壊)の形で現れ、経済変化を引き起こす強力な力となるからである」[2] 


<参考文献>
[1] ジョー ティッド他, 後藤晃,鈴木潤訳,『イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』,NTT出版,2004,「イノベーションとは何か?」,p49.
[2] マイケル・E・レイナー, 高橋淳一,松下芳生 監修, 櫻井祐子 訳,『戦略のパラドックス』,翔泳社,2008, 第四章「適応の限界」, p124.
 

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