C&D-Connect & Development
オープン・イノベーションという概念

オープンイノベーションの概念のひとつで、R&D(Research & Development)の拡大概念。
 
  • オープン・イノベーション

オープンイノベーションは、企業の研究開発が当該企業内にとどまらず、「企業が技術革新を続けるには、企業内部と外部(他社)のアイデアを用い、企業内部または外部において発展させ商品化を行なう必要がある。オープン・イノベーションは企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造することをいう」[1]

下の図に示すように、左が従来のクローズド・イノベーションモデルであり、アイデアがマーケットに向かっていく際に、”企業の境界線”を超えることがない。

右が、オープン・イノベーションのモデルであり、企業の中で生まれたアイデアが、企業の境界線を越え、企業の外へ向かうことや、逆に、企業の内部へ外部で生まれたアイデアがやってくることもある。企業の境界線が点線で示されるように、企業内外のアクセスが自由に行なわれている[1]。

 

  • 企業現場におけるC&D

近年の、市場の不確実性に対応することは、企業における喫緊の課題であるが、この課題へのアプローチとしては、アイデア・コンセプトを発案する行為の不確実性を低める、という観点から、この拡散した源泉に幅広くアプローチすることを実施しはじめている。

例えば、NineSigma社である。具体的には、「研究、技術情報のサーチではなく、ある技術課題に関して、技術者コミュニティのキーワードを入力すると、有料文献、特許、カンファレンスなどのホームページから関連する技術者の名前、メールアドレス、所属組織などを独自のシステムにより技術課題ごとに、能動的に数千~数万人の技術者に提案依頼のメールを発送 」し課題を解決していくというシステムでP&G[2]や3M[3]で効果が認められている。この特徴を評してC&D(R&DではなくConnect & Develop)と呼ばれている。

NineSigma社のホームページによれば、このオープン・イノベーションに取り組んでいる日本国内の企業は以下のように報告されている。

アサヒビール , アルプス電気, いすゞ自動車, オリンパス, サントリー, 昭和電工, 住友金属, 帝人, デンソー, 日本電気, 日立建機, 富士電機デバイステクノロジー, 三菱マテリアル, メタウォーター , 他25社(2008.8.1確認時点)

 


 
 
 
<参考文献>
[1] Henry W. Chesbrough, 大前 恵一朗 訳 『OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて』産業能率大学出版部, 2004. p8より。図表はp6,9の図表を参考に作成。
[2] Huston, L., Sakkab, N., "Connect and Develop", Harvard Business Review, 84, No.3, March 2006.
[3] Fiocchiaro. R., "Opening an Innovation Company to External Solutions Fueling the New-Product Pipeline through External Innovation", CoDev conference, 2006, Jun30-Feb1.での発表より。

 

  • 参考書籍