Hexagons in a Cube

2006年7月26日 

 立方体切断パズル

 元ネタ:

http://www.hyuki.com/d/200607.html#i20060724225306 

問題(上記URLからの引用)

一辺の長さが1の立方体を平面で切断します。 うまく切断すると、断面が正六角形になりますね。 鏡像や回転を同一視しないで、別のものとして数えることにしますと、 断面が正六角形になる切り方は一通りではありません。 

  • (1) 断面が正六角形になる切り方は何通りあるでしょうか。
  • (2) その切り方をすべて使って立方体を切り刻んだとき、 全部で何個の「かけら」に分解されることになるでしょうか。
  • (3) どのような形の「かけら」が何個できるか、内訳を簡単に説明してください。
  • (4) 「かけら」の体積を計算して、 その総和が立方体の体積(つまり1)に一致することを示してください。

解答

 ※ 図はリンクになっているので、リンク先を開くと拡大して見ることができます。

(1)

 立方体を下図のような角度から見ると、一番外側の境界線が正六角形になっています。

この境界線で出来た正六角形の中に、一回り小さな正六角形を描いてみると、これはどうやらうまい具合に立方体の断面になっているようですね。証明は後述しますが、立方体断面が正六角形になるのはこの図のような場合と、その回転対称な場合しかあり得ません。

 そのような回転対称な正六角形が全部でいくつ作れるかと言うと、下図のように全部で4つです。

(2)

これらの断面で切り刻むとどのようになるのか、上の図を見てもなかなか分かりにくいので、色を塗って分かりやすくしてみましょう。

下図を見ると、立方体の角を含む「かけら」が8つ、立方体の面の中央部分を含む「かけら」が6つ、計14個の「かけら」になっているのが分かります。

(3)

立方体の角を含む方の「かけら」は高さの違う三角錐を2つくっつけた形をした6面体に、立方体の面の中央部分を含む方の「かけら」は四角錐になっています。

(4)

まず、立方体の角を含む方の「かけら」の体積を求めます。2つの三角錐の共通の底面は、上の図の真ん中の黄色と赤と緑の三角形からなる正三角形で、これは底辺が(√2)/2、高さが(√6)/4なので、面積は{(√2)/2}×{(√6)/4}÷2=(√3)/8になります。2つの三角錐の高さをa, b、今求めた底面積をcとすると、それぞれの三角錐の体積は(a×c)÷3と(b×c)÷3になるので、この「かけら」の体積は{(a×c)÷3}+{(b×c)÷3}={(a+b)×c} ÷3となります。(a+b)の長さは立方体の一番長い対角線のちょうど半分になっているので、(√3)/2になります。結局、角を含む方の「かけら」の体積は、{(√3)/2}×{(√3)/8}÷3=1/16となります。この「かけら」は全部で8つあるので、合計で1/2、ちょうど立方体の体積の半分になります。

 次に、立方体の面の中央部分を含む方の「かけら」の体積を求めます。四角錐の底面は正方形で、その面積は{(√2)/2} ×{(√2)/2}=1/2です。四角錐の高さも1/2なので、体積は(1/2)×(1/2)÷3=1/12となります。この「かけら」は全部で6つあるので、合計で1/2、ちょうど立方体の体積の半分になります。

ちゃんと「かけら」の合計は1になりました。めでたし。

(4) 小学生にも分かるような計算方法 (2006年7月27日)

上では平方根を使って計算しましたが、うまくすれば分数だけで計算できます。

まず、立方体の角を含む方の「かけら」の体積を求めます。上図は元の立方体の1/8の立方体を取り出したところです。「かけら」はこの図の赤で示した正四面体と、この1/8の立方体から正四面体を除いた4つの三角錐のうちの1つからなります。三角錐は、立方体の側面の部分を底面と見れば、底面の三角形の面積が(1/2)×(1/2)÷2=1/8、高さが1/2なので、体積は(1/8)×(1/2)÷3=1/48となります。正四面体の方は、1/8の立方体から三角錐を4つ取り除いたものなので、(1/8)-{(1/48)×4}=1/24となります。結局、角を含む方の「かけら」の体積は、(1/48)+(1/24)=1/16となります。この「かけら」は全部で8つあるので、合計で1/2、ちょうど立方体の体積の半分になります。

次に、立方体の面の中央部分を含む方の「かけら」 の体積を求めます。四角錐の底面を菱形と見れば、その面積は1×1÷2=1/2です。四角錐の高さも1/2なので、体積は(1/2)×(1/2)÷3=1/12となります。この「かけら」は全部で6つあるので、合計で1/2、ちょうど立方体の体積の半分になります。

こうして、初等的に計算してもちゃんと「かけら」の合計は1になりました。めでたしめでたし。 

考察・補足

問題は解けましたが、立方体の断面が正六角形になるのは本当に2つ目の図のような場合だけでしょうか? この正六角形の作り方では正六角形の頂点はすべて立方体の辺の中点になっていますが、たとえばこれが1:3の内分点であった場合にも図を描いてみると一見うまくいっていそうです(もちろん実際にはうまくいっていません)。

そこで補足資料として中点でなければならないことを証明しておきます。式を綺麗に表示する都合上PDFファイルです。

これは形式的に証明を与えているだけですが、ならば中点になっていないときはどうなっているのかと言うと、この正六角形(?)の各辺は同一の平面上には乗っていないのです。各頂点のところで折れ曲がっていて、これをたとえば針金で作ったとするとそこに一枚の紙をまっすぐに張ることができない状態になっています。うまくいっているように見えるのは、奥行を考慮していないからです。

証明の中でも用いていますが、立方体を平面で切断する場合、断面の多角形の1辺は元の立方体の1つの面に対応します。元の立方体で同じ面だったところに断面の多角形の辺が2つ以上くることはありません。立方体は六面体なので、これを平面で切断して六角形を作るなら、その六角形の辺はそれぞれ別々の面の上に乗っているはずで、また面は6つしかないのでどの面にも1つずつ六角形の1辺が乗ることになります。