脳卒中の話

脳卒中とは

脳卒中って、語源からすると、「誰かから、突然、頭を殴られ、倒れてしまう」という事件を言います。

医学的には、このように突然、頭の中の血管が切れたり(脳出血、くも膜下出血)や血管が詰まる(脳梗塞)を起こした状態を、脳卒中としてまとめています。つまり、いろいろな病気が含まれていて、医学用語では「脳血管障害」と括られるものです。

以下のような病気が代表的です

  1. くも膜下出血
  2. 脳梗塞
  3. 脳出血
  4. 脳動脈解離

1。くも膜下出血

柔らかい脳みそはビニール袋みたいな「くも膜」に包まれていて、その中に水(髄液)が満たされていて、プカプカ浮いて、豆腐のように衝撃から守られています。

脳の底の方の表面にある色々な動脈があるのですが(脳に栄養分を送っている)、その動脈に「コブ」=動脈瘤ができてしまうことがあります(そんなに稀ではなく、成人の100人に一人くらいは持っているとも言われています)。その動脈瘤が血圧やその他のことから破裂することがあり、そうなると、先のビニール袋の中の水に出血を起こすわけです。これが「くも膜下出血」です。

脳動脈瘤のイメージです

症状

脳動脈瘤が破裂して出血を起こすと、一旦は止まる場合もありますが、出血がおびただしく、一発で亡くなる方もいらっしゃいます(頓死)。病院に来れる方が2/3ともいわれており、そこからまた再出血を起こすこともあり、命にかかわることも多々あります。

成人を襲うとても怖い病気ということがご理解できるかと思います。

出血があると、突然後頭部を殴られたかのような激しい痛みを訴える方が多いです。目の後ろが痛い!という方もいらっしゃいます。


左の写真は正常の脳の表面の写真です。

右はくも膜下出血を起こした脳の写真です。

脳の表面が赤くなり出血が脳全体に回っていることがわかります。

どうやって見つけるの?

くも膜下出血は、病院でCTscanを撮影すれば、ほぼ間違いなく診断できます。

出血の程度にもよりますが、その出血の原因をいち早く見つけて、なんとかしたいわけです。そのためには、脳血管撮影といって、股のところからカテーテルを頭の中まで導き、撮影を行います。

MRAで確認された動脈瘤

治療は

起きてしまった出血はしょうがないのですが、再出血を防ぐことは一刻も早くしたいところです。再出血すれば、やはり1/3は命が危ないわけです。ですので、僕ら脳神経外科医師は夜中であろうと、開頭術をして動脈瘤をつぶす「クリッピング」ということを行っていました。しかし、最近は、先のカテーテルの先から、コイルのようなものを出して、動脈瘤の中を埋めてしまう「血管内治療」が行われるようになっています。

予防は?

生活習慣病の管理は誰でもすべきことでしょうが、それでも知らない間に動脈瘤はできてしまいます。

それを見つけるのは、MRAというMRIの機械を用いた検査で見つけることができます。

痛みもなく、検査機械の中で15分くらい静かに横になっていれば撮影できる検査です

脳血管のMRA

これで、破裂する前の動脈瘤が見つかれば、ハッピー?というか事件を未然に防げることになるわけです。

僕が所属する東京慈恵会医科大学脳神経外科は全国でも有数の動脈瘤の血管内治療を行っている施設です。

ご紹介はいつでもさせていただきます。

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