伊師英之 :ベイズ統計によるデータの置換対称性の探索
[概要] 多次元正規分布にしたがう与えられたデータに対して,そのデータが成分の置換に関してどのような対称性をもつかをベイズ統計の手法で探索する.置換群の自然表現の既約分解を用いて,ある種の分配函数が明示的に計算できることがポイントである.
笹平裕史 :モース理論、フレアーホモトピー、位相的場の理論
[概要] 3次元、4次元トポロジーにおいて、位相的場の理論が最も強力な研究手法となっている。場の理論とは、多様体を対象とし、同境を射とする圏から、ベクトル空間の圏への関手のことである。本講演では、最近、場の理論をホモトピー論によって精密化する研究が行われていることを紹介する。
高津飛鳥:熱方程式の解の凹性について
[概要] ユークリッド空間上の関数を、熱方程式をに用いて時刻変化時刻変化させたとき、どのような形状(凹性)が保たれるか、また保たれる形状の中で最も強いものは何かについて講演する。本講演は石毛和弘氏とPaolo Salani氏との共著に基づく。
松本詔:ランダム・シフトヤング図形の大数の法則
[概要] 対称群のプランシェレル測度は, 最も基本的なランダムヤング図形を与える. そのようなランダムヤング図形の極限形状は, Logan--Shepp--Vershik--Kerov曲線として知られている. この講演では, 対称群のスピン表現に現れるシフトヤング図形上の確率測度を考え, 対応する極限形状をKerov推移測度の自由キュムラントにより特徴付ける.
森山翔文:ABJM行列模型の新しい展開
[概要] 円周上に配置されたブレーン配位に対応する理論は、継続的に双対性を適用できる。この双対カスケードの有限性と一意性から、理論のパラメータ領域が平行多面体をなすことが期待される。私たちの最近の研究で、ゾーン多面体の性質を援用して、平行多面体をなすことを示した。また、理論がワイル群の対称性を持つ場合には、平行多面体がアフィンワイル部屋と関連づき、物理量がアフィンワイル群の対称性を持つパンルヴェ方程式を満たすことを発見した。これらの発展を概説したい。
柳田伸太郎:Macdonald-Koornwinder多項式
[概要] Macdonald対称多項式やKoornwinder多項式といったWeyl群対称性を持った多変数q直交多項式系は、それを同時固有函数とするq差分鏡映作用素を含む作用素環である二重アフィンHecke環を用いてアフィンルート系に(殆ど)よらない取り扱いをすることが可能で、現在ではMacdonald-Koornwinder多項式と総称されます。今回はこの理論 (Macdonald-Cherednik理論) の簡単な説明と、私が現在取り組んでいる課題を紹介します。