スクミリンゴガイの分布調査

ピンク(P)は市民調査による確認地点、灰色(X)は同じく確認できなかった地点、黄緑(P)は農水省地方農政局の調査による確認地点を示します。

(データ更新:2020年1月12日22:30 市民調査によるプロット数:1820、農水省提供プロット数:629)

スクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)は、南米原産のリンゴガイ科の巻き貝です。日本には1980年代に食用目的で移入されましたが、食卓には普及せず、結果として水田や水路・河川に広がり野生化してしまいました。現在では西南日本に広く定着しています。水稲の初期苗を食害する被害があるほか、在来水草を食べる影響も懸念されます。

スクミリンゴガイは、鮮やかなピンク色の卵を護岸や抽水植物に産みつけます。この調査では、特徴的で見つけやすい卵塊を目印にしてスクミリンゴガイ(リンゴガイ属貝類)の分布を調べたいと思います。※調査は終了しました。ご協力ありがとうございました。

データペーパー公表について(2020年11月20日)

お知らせしていたデータペーパーがEcological Research誌に受理され、2020年11月に出版されました。

S. Ishida. 2020. Distribution records of apple snails (Pomacea spp.) in Japan collected during 2017–2019 through a citizen science project for introduced species conducted by the Osaka Museum of Natural History. Ecological Research 35:1114–1118. https://doi.org/10.1111/1440-1703.12152

データはJaLTERサイトからダウンロードできます:http://db.cger.nies.go.jp/JaLTER/metacat/metacat/ERDP-2020-19.1/jalter-en

データのライセンスはCC BY 4.0です。引用元を示せばデータの利用に許可はいりません。

◎報告者名の公開ポリシーは、データペーパーのデータにも引き継がれています。

・1地点ごとのデータに報告者名を記しています。

・お名前を公開可とした方は、そのお名前が報告者名です。

・Twitterの公開ツイートでご報告頂いた方は、Twitterのスクリーンネーム(@で始まるアカウント名)が報告者名です。

・報告者名をニックネームで指定した方のお名前は、そのニックネームが報告者名です。

・お名前を非公開とした方(公開の了承がない方を含みます)は、報告者名は記載していません。

◎データペーパーでは以下のデータを除外しています。

・調査期間(2017年〜2019年)以外の分布情報

・国外の分布情報

データペーパーのPDFが必要な方は、石田までご連絡ください(連絡先はこのページの下)。改めまして、ご協力頂いたすべての方に感謝申し上げます。

 卵塊マグネットプレゼント(2018年6月6日)※終了しました

2018年4月1日以降に「30地点分」の卵塊位置情報(貝そのものもOK)をご報告くださった先着8名の方に、特製の手作り「スクミリンゴガイの卵塊マグネット」を差し上げます。

*「探してもいなかった」位置情報は数に含めません。

*プロット間は少なくとも500mは離してくださるようにお願いします。

*マグネットの長径は3.5cmぐらいです。

*手作りなので、クラッチサイズに個体差があります。あらかじめご了承ください。

マグネット製作:三藤清香氏

(2018.10.31追記)お一人が30地点を達成されました。おめでとうございます。

(2019.7.14追記)30地点達成、お二人目です。おめでとうございます。

(2019.10.8追記)お二人の方が30地点達成されました。おめでとうございます。合計4名となりました。

(2019.10.31追記)お二人の方が30地点達成されました。おめでとうございます。合計6名となりました。

調査方法

スクミリンゴガイの卵塊を見つけたら、以下の情報をお送りください。

<スクミリンゴガイの卵塊を見つけられなかったら・・・>

おおよそ500メートル四方の範囲を30分間探索してスクミリンゴガイの卵塊(または貝そのもの)を見つけられなかった場合は、調査した範囲の中心付近の位置情報と日付をお知らせください。「探してもいなかった」という情報としてマップにプロットします。

調査範囲

情報の送り先

調査期間

報告者名の取り扱い

調査方法のFAQ

Googleマップ(スマホの場合はGoogleマップアプリ)で任意地点の経緯度を調べることができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

 https://support.google.com/maps/answer/18539?hl=ja&ref_topic=3092444

国土地理院の「地理院地図」でも調べることができます。

https://maps.gsi.go.jp/

ネットで調べるのが難しい方は、紙の地図に印をつけるなどして、博物館に郵送やファクスで送って頂いても、持参して頂いても構いません。

だいたい500mから1kmを目安としますが、これより細かくても、あるいは粗くても全く差し支えありません。例えば空間的に近くても、お互いに接続しないような水路で見つかっているのであれば、それは記録の価値があります。また、一定の調査努力によらない情報(散歩の途中でたまたま見つけた1地点を報告する、など)も大歓迎です。

スクミリンゴガイ(リンゴガイ属貝類)を同定できる方でしたら、貝そのものの目撃情報でも構いません。

間違える可能性があるのは、タニシの仲間です。以下の図を参考にしてください。臍孔("さいこう"、殻の軸部分にできるいわゆる「へそ穴」)の有無を基準にすると、間違いがないと思います。リンゴガイ属貝類には深い臍孔があります。

その他

日本ではスクミリンゴガイの他に同属のラプラタリンゴガイ(P. maculata)も移入しています。ラプラタリンゴガイも同じようにピンク色の卵を産みます。スクミリンゴガイとラプラタリンゴガイは卵の大きさや卵塊当たりの卵数(クラッチサイズ)に差のあることがわかっていますが(Hayes et al., 2012 Zool J Linn Soc 166:723-753; Matsukura et al., 2013 Biol Invasions 15:2039-2048)、卵・卵塊の形態を手がかりに種を弁別できるかどうかはまだ検証できていません。本調査の手法で得られた結果には、現状ではラプラタリンゴガイも含まれている可能性があります。

調査主宰・問い合わせ

大阪市立自然史博物館 石田 惣(@soishida)

e-mail: <sukumiringo[at]icloud.com>(報告データ・問合せ受信用アドレスです。[at]を@に置き換えてください。)

〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23

tel: 06-6697-6221 / fax: 06-6697-6225

この調査はJSPS科研費(JP17H02027「博物館をコアとした外来生物の市民調査、その生物多様性理解の促進効果の評価」)により実施しています。