このウェブサイトでは、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)「南インド先史文化編年の構築」(研究代表者:上杉彰紀、研究期間:平成27〜30年度)の研究成果をご紹介します。

南インドでは、大まかに前3000〜前1200年頃の時期に新石器文化が前1200年頃〜西暦紀元前後に鉄器文化が展開したことが知られていますが、新石器文化から鉄器文化への移行過程についてはほとんど理解が進んでいません。鉄器文化期には、鉄器はもとより巨石墓(メガリス)と呼ばれる墳墓が出現し、南インドに広く分布しますが、これらの文化要素は新石器文化期には存在しておらず、新石器文化から鉄器文化への移行が、南インドの内在的な変化によるものであるのか、北インドをはじめとする周辺地域からの外来的要因を受けたものであるのか、非常に重要な研究課題として認識されます。

そもそも新石器文化についても鉄器文化についても、南インド各地においてどういった共通性・差異があるのか十分な理解が得られておらず、南インド各地がどのような関係において結ばれていたのか明らかにすることが重要な研究課題となっています。この点を明らかにするためには、まず南インド各地の遺跡の記録化を進め、その特徴と年代を明らかにし、新石器文化、鉄器文化それぞれの諸相を明らかにするとともに、どのような文化変化・変遷が存在したのか、時空間軸上に正しく位置づけていくことが求められます。

本研究では、南インド各地で分布調査および発掘調査を実施し、南インド先史文化研究の基礎データを蓄積し、その実態の把握を進めていきます。その上で文化変化・変遷の過程を明らかにすることによって南インド先史文化の歴史的展開とその意義を明らかにします。