先天性側弯症

先天性側弯症患者さんの病態を説明するために作成しました 

 特発性側弯症の4病態

 little by little VEPTR COM JAPAN 〜先天性側弯症.特発性側弯症&側わん症考察〜

先天性側弯症を説明する上で、最初に左上の「特発性側弯症の4病態」をクリックして下さい。先天性側弯症と特発性側弯症とは、側弯症とはいっても、その骨形態(変形状態)が違うことが下図4形態と比較しておわかりになるでしょうか? 

脊柱は、7個の頸椎と12個の胸椎と5個の腰椎より形成されています。椎とは「椎体」と呼ばれる骨のことで、椎体と椎体のあいだにある椎間板(柔らかい部分)で結合し、全部が連続して繋がって脊柱を構成しています。

先天性側弯症を一言で言い表すと、この椎体(椎骨)が変形しているものを含む側弯症の場合を先天性側弯症といいます。1個または複数の椎体が変形し、それが起点となったり、あるいはそれも含めた変形が発症している状態です。

特発性側弯症は、そのような椎体(椎骨)の変形は発生していません。脊柱全体または一部が連続して(ねじれながら)カーブしている状態です。従って、特発性側弯症の場合は、カーブ全体を戻してあげるような物理的作用(装具)を加えることで矯正します。装具での矯正では変形進行が食い止めることができないとなれば、外科的手術によって、これも基本は物理的作用を治療原理としているわけですが、チタン製のインプラントにより、カーブを矯正することになります。

先天性側弯症の治療を困難なものにしているのは、椎体(椎骨)が変形....例えば三角形をしていたり、隣同士の椎骨が癒合していたり、というような様々な状態を呈していることと、さらには、肋骨にも変形が併発していることが多々あるためです。左の二枚目の絵を見ていただくとわかるように、肋骨の一部が癒合していたり、一部が欠損していたりすることがあります。(特発性側弯症ではこのようなケースはありません)

左の三枚目と四枚目は、3D CTと呼ばれるコンピューター処理した画像です。先天性側弯症の治療では、上記に説明したように、変形が様々な部位に生じている可能性があるために、患部を三次元的にとらえて、病態をしっかりと把握する必要があるためこのような特殊なCT撮影装置を使用します。

五枚目は、先天性側弯症患者さんのレントゲン写真です。ねじれながら変形していること、胸郭(肺部)が非常に狭くなっていることがわかります。別ページに「胸郭形成不全症候群」という病態を説明していますが、このレ線写真のように、患者(幼児小児)の肺成長が阻害されてしまうために、生命予後にも影響を与えてしまうことになります。

このような病態に加えて、他の内臓器官(心臓等)や部位にも障害を併発している可能性もあるために、患者さんは、精密に検査を受ける必要があります。患者さんの個々の病態や症状により、側弯治療の前に、例えば心臓疾患の手術をしたりというような治療コースをたどります。

治療の基本は、最終的には外科的手術になります。左図は、一般的な脊柱固定術の絵ですが、このような感じでチタン製インプラントで曲がった脊柱を矯正し、固定することになります。この基本手技に加えて、先の椎体(椎骨)の変形に対する処置をすることになります。これは、脊椎専門医師であれば誰にでもできるという技術ではなく、さらに専門性と経験が必要となる手術です。かつ、医療スタッフの面、施設の設備の面、他科(小児科、小児外科、呼吸器科、心臓外科、麻酔科等々)との連携体制等が求められることになります。 

下記の掲示板にて、全国の先天性側弯症のご両親と情報交換ができます。おひとりで悩まれずに、ぜひともご相談してみて下さい

先天性側弯症のこどもの広場 http://bbs11.fc2.com/php/e.php/SOKUWAN_VEPTR/