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IT翻訳入門【TRADOS編】08:TRADOS FAQ

発表機会:株式会社エクストランスのホームページ、1999年掲載(ウェブ公開)

1999年から一年あまり『通訳翻訳ジャーナル』(イカロス出版)という業界誌に「IT翻訳入門」というタイトルで連載記事を書かせていただく機会がありました。現在同誌は年四回発行ですが当時は月刊誌でした。このホームページの内容は、雑誌向けの原稿に加筆修正し、連載と並行して当時のホームページに公開したものです。『通訳・翻訳ジャーナル』の概要は下記のリンクから参照できます。


利用上の注意:このホームページは執筆当時(1999-2000年)の状況について述べており、すでにかなりの記述が「時代遅れ」となっていますが、原則として当時のままの内容を修正せずに公開しています。ご注意ください。

TRADOS FAQ

ここでは、TRADOS Translator's Workbench (以下 TWB) に関してしばしば質問される事項をあげ、できる範囲で回答をあげてみます。

Q. [ファイル] メニューの [設定]/[インポート]/[エクスポート]/[最適化] コマンドが薄い色で表示されて実行できません

翻訳メモリが排他モードで開かれていません。これら 4 つのコマンドを実行するのは、対象の翻訳メモリを排他モードで開く必要があります。翻訳メモリを開くときに、ダイアログボックスの下のほうにある [排他的アクセス] チェックボックスをオンにしてください。

Q. TWB を起動するたびに [翻訳プロジェクトの設定/Translation Project Settings] というダイアログボックスが表示されてうっとうしいのですが、どうすれば表示されなくなりますか?

[オプション/Options] メニューの [翻訳メモリ オプション/Translation Memory Options] を選び、[全般/General] タブの [スイッチ/Switches] グループにある [プロジェクトの設定情報の表示/Show Project Settings] チェックボックスをオフに設定してください。このチェックボックスがオンだと、TWB の起動や翻訳メモリを開くたびに質問にあるダイアログボックスが表示されます。

Q. TWB のマニュアルはありますか?

TWB は日本語版と英語版があり、それぞれに日本語版と英語版の『ユーザーズ ガイド』がバンドルされています。このマニュアルは少なくとも一度は通 読するほうがいいと思います。その他に『ワークフローマニュアル』というのがありますが、題名の割には期待はずれの内容なので、自分に役立ちそうなページだけながめればよいでしょう。

『ユーザーズ ガイド』日本語版の最新版はトラドスジャパンのサイト (http://www.trados.co.jp) からダウンロードできます。日本語版は 1999/6/29 時点で 1999/4/27 版が最新版です。

英語版が見たい人はトラドス本社のウェブサイト (http://www.trados.com) からダウンロードしましょう。英語版は 1999/6/29 時点で 1999/3/18 版が最新版です。1999/6/29 時点では、トラドスジャパンのサイトにある英語版は去年の旧版で、最新版はトラドス本社のサイトからでないとダウンロードできません。

マニュアルについてもトラドスは地道に最新版に改訂しながら PDF ファイルをサイトにアップロードしてくれています(ぱちぱち)ので、手元に紙マニュアルがある人も、ウェブサイトをチェックして版が更新されていないかどうか確認したほうがいいと思います。

私が TWB2.0 を購入したのは1998 年なので、TWB2.0 を購入したときに添付された紙マニュアルでは当然ながら TagEditor に関する記述などはありませんが、ウェブサイトの最新版では TagEditor への言及もあります。ちなみに 1998 年購入版にバンドルされた紙マニュアルの場合、英語版と日本語版のマニュアルの違いとして、英語版では付録Bとして 38 ページにわたり掲載されている TRADOS API の解説が、日本語版ではきれいに割愛されています。

ウェブサイトでは、この部分の日本語版マニュアルも入手できるようです。ただし、API リファレンスについてはときどき更新されるので、日本語版への翻訳が英語版の改版頻度に追いついていないようです。英語版の最新版 PDF マニュアルをウェブサイトからダウンロードして参照することをトラドスも推奨しています。

『ワークフローマニュアル』日本語訳も、トラドスジャパンにウェブサイトから入手できます。ですが、内容的にはけっこうナンセンスなことも書いてあります。「整合する文書が多い場合は、複数のスタッフで作業しましょう」「お客さんになるべく原文ファイルを更新しないように頼みましょう」みたいな...なんだかなあああ...そんなの当たり前じゃん...必要なところだけピックアップして読めばいいと思います。(『ノーナンセンスなワークフローマニュアル』を書いてください>柳くん!)

Q. Word 上に TWB のツールバーが表示されなくなってしまいました

Word 上の TWB の UI (ツールバーやメニューコマンド) は、Word のテンプレート ファイルによって実現されています。したがって、TWB のツールバーが正しく表示されないのは Word が TWB のテンプレート ファイルをなんらかの理由により読み込んでいないことが考えられます。

TW4Win97.dot テンプレート(Word97の場合)を、Program Files\Microsoft Office\template フォルダあたりに入れてやり、Word 側でテンプレートとして追加アドインしてやるといいわけですが、最初から起動時に自動的にテンプレートが読み込まれるほうがラクチンでしょうから、Program Files \Microsoft Office\Office\startup フォルダのほうに入れておくとよいでしょう。

このテンプレートは、TWB インストール時に自動的にこのフォルダにコピーされているはずですが、何かのきっかけでその環境が壊れると、質問にあるような状態になるものと思われます。TWB の再インストールなどは不要のはずです。多分。

Q. ドングルさえあれば TWB は使えますか?

ドングルがないと翻訳ユニット数が 100 を超えた翻訳メモリにはアクセスできないため、翻訳メモリはお試し的にしか使えません。しかし、ドングルさえあればいいかというとまだだめだと思います。筆者の考えでは、

  • ドングル
  • ある程度以上のスペックのマシン
  • TWB へのある程度以上の習熟

の 3 つの条件が揃わないと、TWB を使ってもフラストレーションがたまる場面が多いように思います。遅いマシンでドングルだけあっても、かえってあまりのレスポンスの遅さに逆切れして、TWB 嫌いになるような気がします。じゃどの程度のスペックならいいのかというと、1999/7 月時点では、450MHz 以上の CPU で 256 MB 以上のメモリを搭載したマシンに NT40+SP3 をインストールして、その上で TWB を使えば、まずまず使えると思います。TWB にある程度習熟するためには、『ユーザーズガイド』をソフトを操作して動作確認しながら通 読することをおすすめします。ただし、ふつうは通読するのに最低3日間かかるようにぼくは思います。

Q 解析結果のテキストファイルを Excel で読み込みたいのですが?

解析結果のログはテキストファイルだけでなく、同時に csv 形式でも生成されています。書式はテキストファイルと異なりますが、ほぼ同じ情報が含まれています。この csv ファイルを Excel で読み込んでやればよいでしょう。

ただし、csv と言いながら区切り文字にセミコロン ; (コロンだっけ?)を使っているため、そのまま Excel 97 で開いても ; を区切り文字として認識してくれず、ぐちゃぐちゃになります。そこで、いったん拡張子を txt として Excel 側のインポート ウィザードを起動させてやり、そこで区切り文字を ; に指定して読み込んでやると期待通りに表が得られます。

ちなみに表の Placable は、日本語版で言う「固定要素」のことです。

Q.新規メモリを作成するときにはどのパラメータを設定すればいいでしょう?

[新規メモリの作成] ダイアログボックスにはシステムフィールドという設定項目があり、デフォルトでは右側の 2 つの項目 ([使用された日付] と [使用カウンタ]) がオフになっています。

なんでもかんでもあればいいかと思ってこの 2 つの項目をオンに設定すると、翻訳メモリへの登録時間が長くかかるようになってしまうので、必要なければこの 2 項目はオフのままにするのがよいでしょう (この 2 項目を設定すると翻訳メモリを登録するたびにこの 2 項目を上書きする処理の分だけ処理時間が長くかかります)...マニュアルの受け売りですけど。

これら 6 個のシステム フィールドのオン/オフを設定できるのは新規作成時のみで、後で変更はできないそうなので、独自の設定に変更する場合はよく考えてください。

Q. 翻訳メモリのフォルダをみると 5 個もファイルがありますが..?

たとえば demo.tmw という翻訳メモリを作成すると、拡張子 tmw のファイルの他に、demo.mdf、demo.mtf、demo.mwf、demo.iix の 4 個のファイルが生成されており、合計 5 のファイルがあります。しかも、mdf ファイルのほうが tmw ファイルよりずっとでかかったりします。

マニュアルの説明によると、これら 5 ファイルのうちデータベースファイルは tmw ファイルだけで、他の 4 ファイルは「ニューラル ネットワーク ファイル」だそうです。要するに TWB のニューラル検索で使うインデックスファイルだと思います。

これら 5 ファイルが揃ってないと翻訳メモリを開くときにエラーが表示されるようなので、翻訳メモリを引っ越すときは 5 個とも家族全員で引っ越しましょう。

(1999年6月29日執筆)

利用上の注意:このホームページは執筆当時(1999-2000年)の状況について述べており、すでにかなりの記述が「時代遅れ」となっていますが、原則として当時のままの内容を修正せずに公開しています。ご注意ください。