【はじめに】
日本にはトノサマガエルと大雑把に呼ばれる3種類のカエル(トノサマガエル・トウキョウダルマガエル・ナゴヤダルマガエル)が分布している。外見は同じだが、トノサマガエルは中国大陸にも広く分布する種であり、ダルマガエルは日本固有種である。両者は300万年ほど昔に分岐したと思われる別種で(参考)、両者の交雑で生じる雑種は繁殖能力が低いことも知られている。両者の分布域は日本各地で接触しており、せめぎあいが生じている(参考)。
見た目は同じだが、よく観察すると彼らを区別することは可能である。なんとなくでも区別できるようになると、自然を見る解像度が上がり、自然観察が楽しくなるかも知れない。そして新たな現象にも気付けるかもしれない。
ということで日本産トノサマガエル種群の判別の一助となることを目指して写真を公開する。前述の通り、交雑するので分布重複域では同定は困難だが、頑張ればわかるようになるかも知れない。
【判別】
トウキョウダルマガエルとナゴヤダルマガエルは分布域が異なるので、両者は自然界では混同しにくい。関東平野から仙台平野、北上川沿いはトウキョウダルマガエル、愛知や岡山・広島のごく狭い地域にはナゴヤダルマガエルがいる。両者の分布域は接しない。
それ以外の地域はおおよそトノサマガエルだろう。ただし本種の形態は変異に富んでおり、判別には注意が必要である。とくに人為的に持ち込まれた地域もあり、場所だけで判断しないほうがいい。
トノサマガエルとダルマガエルの識別にあたって、背中の黒色斑紋がつながっているとか、後肢が長いとか、体がスリムだとか、お腹が白いとか、そういう議論があるが、あまり信じていない。
両者を見分けるには、黒色斑紋の大きさや並び、体型、体色の組み合わせ、横顔、目つきなど、様々な特徴を眺めて心で多変量解析をする必要がある。
文章では説明できないが、たくさんの個体を見ているとオーラを感じるようになってくる。
以下の写真をみればオーラを感じるようになる(分かった気になる)だろう。
なお写真の個体はいずれも長野県で採集した個体であることに注意。
(気になる個体を見つけたときは気軽にメールください)