X11環境に日本語フォントを導入する

X11環境に日本語フォントを導入するための手順。 

 

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前口上

1. X11のフォントの取り扱い

 X11は、Open Type Font (OTF) を使用することができない。つまり、日本語フォントとしてMac OS Xがもっているヒラギノ書体を、そのままでは使うことができない。そのために、ビットマップフォントTrue Type Font (TTF) を導入する必要がある。ビットマップフォントの場合、あらかじめ用意されていない文字サイズを指定するとジャギーが出て美しくないので、TTFを使うことになる。

 方法としては、フリーのTTF形式のフォントを入手してインストールする方法と、ヒラギノ書体(など、Aqua環境ですでに導入しているOTF形式のフォント)をTTFに変換する方法とがある。

2. インストール先

 X11上で使用できるフォントは、/usr/X11R6/lib/X11/fonts/ 以下に格納されたものである。TTFなら /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/ 以下という具合。

3. ティップス

 上記のディレクトリに直接フォントを置かなくても、シンボリックリンクで代用 することができる。つまり、Mac OS Xがフォントの格納場所としている /Library/Fonts/ や、ユーザのフォント格納場所である ~/Library/Fonts/ にTTFがあるなら、そのシンボリックリンクを /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/ に置いてやっても良い。

 一部のX11アプリケーション(たとえば OpenOffice.org )は、初回の起動時に「Aqua側で使っているフォントを使えるようにするか」「システムにインストール済みのフォントを使えるようにするか」と訊いてくる。ここで YES を選択すると、TTF に限って利用できるようになる(それ以外のソフトでは利用できないが)。

フリーのフォントの入手

1. 入手可能なフォント

 フリーなライセンス(無料・改変自由の両方の意味を含む)で利用できるフォントは、あまり多くない。とくに、TrueType Font が少なく、印刷の際の品質を考えると状況は厳しい。

 無償配布されているもので有名なところでは、以下の3つがある。

  • 東雲フォント
     フリーの ビットマップフォント として有名。「電子書体オープンラボ」から入手できる。ライセンスは Public Domain であるから、再頒布、改変は自由に行える。文章向けではないが、表示用として利用できる。
     入手すべきファイルは、「2004-09-15 0.9.11 リリース」のリンクにある「shinonome-0.9.11p1.tar.bz2」である。

  • さざなみフォント
     明朝体、ゴシック体の両方が用意されている TTF として有名。「書体関係Wiki」からリンクをたどると入手できる。複数のフォントが統合されていったようで、ライセンス関係は若干複雑である模様。
     入手すべきファイルは、sourceforge.jpに置いてある「sazanami-20040629.tar.bz2」である。

  • IPAフォント
     その他、無償で利用できるフォントであり、表示が美しいものとして、独立行政法人 情報処理推進機構が配布しているフォント(IPAフォント)がある。紹介ページとしてこちらも参照(さざなみフォントとの比較画像もある)。

2. インストールと使用

2.1. 東雲フォントの場合

 上記のファイル(「shinonome-0.9.11p1.tar.bz2」)を入手、解凍した後、Terminal.appから以下のようにコマンドを実行する。以下の例はデスクトップに解凍した場合。

$ sudo /usr/X11R6/bin/mkfontdir /usr/X11R6/lib/X11/fonts/local/

$ sudo cp ~/Desktop/shinonome-0.9.11/bdf/フォント名.bdf /usr/X11R6/lib/X11/fonts/local/

 「フォント名.bdf」は、解凍してできたフォルダ内の「bdf」フォルダにある各フォントファイルの名前に適宜置き換える。

2.2. さざなみフォントの場合

 解凍してできた2つのTTFファイルを、Mac OS Xでの各ユーザのフォント格納場所である ~/Library/Fonts/ に置けば良い。これで、テキストエディットやMicrosoft Officeなど Aqua側アプリケーションからも 利用できるようになる。

 次に、X11用にシンボリックリンクを作成してやる。コマンドは以下の通り。

$ sudo ln -s ~/Library/Fonts/sazanami-gothic.ttf /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/

$ sudo ln -s ~/Library/Fonts/sazanami-mincho.ttf /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/

$ sudo fc-cache -v

 上2行がシンボリックリンクの作成、最後の1行がフォントキャッシュの再生成(-vオプションはなくても良いかも知れない)。

 この方法は、他のTTFファイルに対してももちろん有効。たとえば、Microsoft Officeをインストールしていれば MS明朝MSゴシック が手に入るので、同様の方法でX11上でも利用可能になる。OpenOffice.orgを利用する場合には、フォントの互換性が保たれるので良いかもしれない。

ヒラギノ書体を利用する

 Mac OS Xには、標準で美しい日本語フォント「ヒラギノ明朝」「ヒラギノ角ゴシック」などがインストールされている。これを使わない手はない。しかし、ヒラギノ書体は OTF であるから、X11で利用するには TTF に変換しなければならない。

1. FontForgeの導入

 SourceForgeにあるFontForgeの 公式ページ日本語訳されたページ もある)からMac版の最新の実行バイナリを手に入れる。Fink や MacPorts の場合は、知らない。ビルド済みバイナリは、.pkg 形式で頒布されている。PPC版とIntel版とに分かれているので、プラットフォームに合わせてダウンロードすること。インストールは、インストーラの指示通りに勧めていけば良い。標準の状態では、 /usr/local/ 以下にインストールされる。

2. ヒラギノ書体をTrueType Fontに変換

 まず、失敗しても大丈夫なように、ヒラギノ書体をコピーしておく。オリジナルのヒラギノ書体は、 /System/Library/Fonts/ にある。たとえば、自分のホームフォルダにコピーしておくと良い。

 X11を起動すると、FontForgeのインストールが成功していれば、「アプリケーション」メニューに「FontForge」があるはずなので、起動する。スプラッシュ画面とともに、下のようなウィンドウが開くはず。

 日本語が化けているが、気にせずに目的のフォントを開く(ここでは ヒラギノ明朝Pro W3 の例)。

 読み込みの途中で、どのサイズのフォントを読み込むか問われるので、 Select All を選択し、継続する。

 読み込みが終わると、上のようなウィンドウが開く。ほとんどの文字が抜けているか化けているが、ここでは気にしなくて良い。

CID メニューから Flatten (日本語化されたバージョンであれば 単一化 )を選択する。

  上図の通り、すべての文字が1つのテーブルに集約される。

  File メニューから Generate Fonts (日本語化されたバージョンであれば フォントを生成 )を選択する。間違っても Save しないこと。

 フォントの種類が TrueType になっていることを確認して、保存する。必要に応じて、他のフォントも変換しておく。ヒラギノ書体に限らず、たいていのOpenType Font、CIDフォントが変換できる。

3. 変換したフォントのインストール

 X11が利用するフォントは、/usr/X11R6/lib/X11/fonts/ 以下に置くことになっている(自分でフォントパスを通せば、もちろんそこでも良い)ので、作成したフォントは /usr/X11R6/lib/X11/fonts/TTF/ に置くことになる。管理者権限が必要になる。

 上記の、 さざなみフォント の項を参考に、 フォントキャッシュを再生成 しておくこと。