心を強くする方法

* 生命や人間の本質を知り、検証可能な事実にもとづいて、希望をもてる人生を送るために・・・・・・・・、
私たち言葉を持つ人間は、心とは何かを探求し、自己を見つめることによって、自律できる強い心をもつ人間になることができます。「自灯明、法灯明(自らを拠りどころとし、正しい教えを拠りどころとすること)」というブッダ最後の言葉は、自らを信じ、正しい知識(法)に従うことが、悟りの道であることを教えています。
自己の存在の意味と役割を自覚して、隣人同胞と相互に理解し助け合えば、さらに有意義な人生を送れます。人間誰であれ、欲と感情に動かされる自己中心的存在ですが、人間の本質と真理に従うことが、自らの心を強くし幸福に生きる条件です。まず、人間とは何か、いかに生きるべきかを考え学びましょう。

◇ まず心とは何か」 を考えて下さい。⇒⇒  心の構造 心のはたらき模式図 心の事例
 ―心の働きは、身体の状態に影響を受けますが、その身体をコントロールするのが心の働きです。―
  「健全な精神は健全な身体に宿る」と言いますが、人間にとっての主役は精神(心)なのです。心について正しく明確に自覚することが、心を強くする前提です。自分の心について知り、自分を心でコントロールすることによって、あなたの心は一時的なマインドフルネス(気づき・念)の状態を越えて、永続的安らぎ(幸福)を得ることができます。

◇  人間の心と行動の中核にある快・不快、幸・不幸、苦・楽等々の肯定的・否定的感情は、両者共に生きる原動力(動因)となります。そして、人間は、対立する否定的な不快・不幸や楽しみ・苦しみの感情を、言語的コントロールによって快・幸福や楽しみの持続的・不変的な意志的感情に変えることができます。このような心のメカニズムを活用することによって、あなたは自分の心を強くすることができます。 

☞ 嫌なこと、辛いこと、くじけそうな心、いつまでも残る心の傷・・・・そんな傷つき疲れた心を癒すだけでなく、どんなことにもくじけない強い心を創ることができます。そのためにまず、わたしたちの生命のすべて(足のつま先の細胞から、筋肉、骨、血液、神経、内臓、そして感覚器官や脳細胞の働き等々)を感じ取り、それを言葉で表現しましょう。「心を強くする方法」は、まず自分自身の心と体(精神と肉体)のありのままを知ることから始まります。

自分の欲や感情をすっきりコントロールする。そのために苦行や薬物やハーブ等は必要ありません。
心をすっきり理解することで、難問を解いたときの爽快感と同じように心をすっきりさせることができます。そして人生の基本的な疑問(人間とは何か、いかに生きるべきか等々)を解く正しい知識があなたとあなたの心を強くします。
 (私達は、他者依存の少ない自己コントロールをめざします。瞑想・ヨーガや薬物・ハーブ等は役には立ちますが、あくまで付属物です。まずは心についての正しい知識が必要です。そして、検証できない偏見・迷信・嘘・欺瞞・偽善に騙(ダマ)されないことが、<永続的・不変的に>心を強くすることの条件です。)

「彼れを知り己を知れば、百戦して殆[あや]うからず。彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎に必らず殆うし。」(『孫子 謀攻篇』)

心を強くする方法  ♪~ 心の理解と心の強化のために
――心を強くし、認識力・創造力を高めて、人生を豊かに生きる!――

【 心を強くする方法(1) 】
 ―まず心の働くメカニズムを知る―
 
  人間の心は、「欲求感情言葉とそれらに関係して学習された脳の記憶情報(経験・知識・価値判断)によって構成されています。 
 心の強さは、不安や悲しみ・怒りなどの否定的感情を引き起こす刺激や情報(ストレス要因)を、どのように受容し、適切な知的・言語的判断を下して、それらの問題状況にいかに柔軟に反応・対処できるかにかかっています(ストレスコントロール)。 
 人は何かを行なおうと(言葉で意味づけられた欲求・意図を実現)する時、様々の困難や障害(ストレス
)に直面します。そして欲求や意図がかなえられないとき、不安や悲しみ・怒りなどの否定的感情に心が打ちひしがれ、心身に不調を来たし、正常な判断を下せなくなる(心のパニック状態)ことがあります。 
 そんな場合に、強くて柔軟な心をもてば、解決策や希望を見いだしやすくなります。人間は、通常、解決策や希望を経験的に獲得し学習・記憶しますが、心の働くメカニズムを知ることによって、さらに強い心を有効に獲得することができるのです。
※ ここでは、言葉は、人間が経験的に獲得した心の中の観念・情報・知識をまとめて表現し行動を導く働きです。言葉は、必要な情報を整理することによって欲求を実現し、感情反応を統制する役割を果たします(新しい脳、とくに前頭葉による古い脳、脳幹、海馬・扁桃体のコントロール)。
 
 
【 心を強くする方法(2) 】
 ―検証可能な開かれた知識に基づくこと―
 
強い心は、宗教的信仰のように神仏等を心の支え (拠り所) として、心を “狭く堅く閉じこめる” ことによって得ることもできます。 しかし、本当の強い柔軟な心は、検証可能な開かれた科学的知識にもとづく「言葉」によってこそ可能になります。 
 心の不安や恐れは、空想上の神仏への信仰・帰依に転嫁(昇華・依存)することによって軽減(救済)できますが、「神仏」という言葉で表現される対象はその実体を検証することはできません
 
 なので、神仏信仰つまり言葉(教義・理論)で統合されている心が混乱し、他の信仰・帰依の対象(人、物、金等) に向かって、その場しのぎの物質的刹那的快楽主義に陥る(単なるストレス解消)か、心身の不調と行動の退行がはじまってしまいます。それが現代人の心の病(うつ症状)といわれる状態です。
 
 
【 心を強くする方法(3) 】
 ―否定的感情は、強い心を育てるきっかけにできる―
 
 心の混乱は、ストレス(問題状況への緊張)による否定的感情の過敏さ(神経質・感じやすさ、固執・とらわれ)にあらわれます。 
 否定的感情の持続は、常に心の緊張、動揺(イライラ,不安、パニックなど)を引き起こし、心身に不調が起こり、知的判断を困難にします。 
否定的感情は、正常であれば困難の認識や危険を予知し、問題解決の動因(意志的感情の喚起)となり心を強くします。しかし、否定的刺激(ストレス)の持続は、心の安定や問題解決能力を奪い、病的な心身症状を生じてしまいます。 
 ところが、人間は、人生の真実と困難さ、そしてその解決法をあらかじめ知れば、起こりうる問題状況に耐え克服できる真に強い心を育むことができるのです。
 
 
【 心を強くする方法(4) 】
 ―強い心は、弱い心を肯定的に理解し、正しい言葉による強化で成立する―
 
 心を強くすることは不断の努力(意志力)を必要としますが、万一そのような機会に恵まれず、不安や悲しみ・怒りなどで落ち込むような場合、自己自身で、またはセラピスト(治療者)の援助によって、安定的自己を取り戻し、心を強く柔軟にすることができます。 
 そのためには、心身の不調をもたらす否定的感情によって混乱した不安な弱い心を受容し、ストレスを方向転換へのシグナルであると理解(肯定的理解すること、そのうえで、弱い心(苦しみ)を生じた具体的原因と人生の真実を知り、自分にとっての人生の意味を見直すことが必要です。
 
 そして、それらの過程を言葉によって強化(反省・了解)できるなら、心を強くすることができるのです。
 
【 心を強くする方法(5) 】
 ―人間存在の生きようとする意志を感じ言葉にすること―
 
 人生の真実とは何か。何を、どんな言葉を心の拠り所とするか。まず自らの存在の意義を知ること、その知識は誰もが納得できる検証可能で開放的なものであること、そして、その内容は人間として生きていることの意義、文化的伝統と家族の意義、人間の心や行動の意義、自己と他人を生かす政治的経済的社会的関係など、義務教育段階で学ぶ一般教養を前提とします。 
 しかし、もっとも肝心なのは、自らの欲求と感情の理解によって、「生命」として生きていることを自覚することです。生命とは、細胞のことであり、人間は約60兆個の細胞の結合体です。
 
 家族や友人仲間との日常の生活の中に、生命としての自分を認めて、自分の中の生きようとする意図、すなわち生き続けようとする意志的感情を感じとり言葉にすることです。意志的感情とは、言葉を持つ人間固有の感情であり、言葉によって方向付けられた持続性(永続性)を持ちます。
 
 

【 心を強くする方法(まとめ) 】 (^_^)v
―強い心は、生きるという意志的感情が、正しい言葉と知恵で支えられている状態です―

生命は生きようとする力を持ちます。しかし、その力の実現のために環境からの様々の刺激・情報を、生きるのに必要なものかどうか判断・選択しなければなりません。また、個体は、生きようとする意志(欲求・感情)をもつとしても、老化・個体死という限界を持ちます。正しい言葉(心)と智恵が、個体死を安楽に導きます。

 私たちの行動と心(思考・想像・想起)の刺激が有益で肯定的なものであれば、まず安心や喜びの感情反応が起こります。反対に、危険や不利益を与えるような否定的な刺激であれば、不安や悲しみ・怒り等の感情が起こります。

 しかし、感情反応が否定的なものであるとしても、自己を守りさらに生かしていくための動機を与えることができます。たじろいではなりません。そこから新たな問題解決の認識と知恵が創造されるのです。

 そしてさらに、主体的に・肯定的に・前向きに生きるため意志的な感情が強化されます。それこそ未来への希望であり信仰であり真理であり、また、人生苦を克服し、安楽のうちに生きることのできる揺るぎなき永遠性の意志的感情なのです。

 強く柔軟な心は、単なる肯定的(ポジティブ)な感情ではなく、言葉によって得られる目的と決断(プラス思考・向上心・思い切り)を必要とします。「柔(じゅう)能(よ)く剛を制す。」 単なる肯定や否定を越えた正しい言葉(知恵)が、真の強い心を育てます。そして真の強い心は、「持続的幸福」を前提とします。それは、一時的なその場限りの幸福でなく、仏教的な悟りや解脱に通じる「永遠不変の幸福」と言えるのです。

(※ わたしたちは「仏教の現代化」によって、「心を強くする方法」をさらにやさしく明らかにします。)

 

【 強い心とは――自己と社会に対して
①自己に厳しく、他人に優しさと思いやりがあること
②自己の欲望と感情をよく認識し、柔軟に抑制と制御ができること
③肯定的感情が、言葉で強化され意志的感情(希望)に転化していること
④真実と正義を追求し、社会的責任を果たせる(自信・存在感をもつ)こと
⑤病気と死を恐れないで、心と体の健康につとめていること
⑥どのような言葉(知識・反論)に対しても、正しく理解し対応できること 
――慈悲と正義(中庸)を求めることが強い心をつくります。――
(※ここで言う強い心とは、他人を支配し排除するような自己中心的な強さではなく、人間としての
普遍的善性にもとづく強さのことを意味します。つまり、人間の悪性を含む欲求や感情の科学的
理解の上に、人間の善性としての持続的生存と普遍的幸福を追求できるような強い心のことです。だから、
他人に勝つための強い心ではなく、自分の弱さに克つための強い心です。)

 
心の三要素」から見る強い心の条件
欲求追求の持続力(意志)と欲求不満耐性があること
否定的感情が過敏でなく、意志的感情が言語的に強化されていること
知的(言語的)情報処理能力とそれにもとづく欲求・感情のコントロール力があること
 
 
  “ある人、弓を射ることを習ふに、諸矢(数本の矢)をたばさみて的に向かふ。師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言う。わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろ(そ)かにせむと思はむや。懈怠(ケタイ:なまけ、おこたる)の心、みづから知らずといへども、師これを知る。この戒め、万事にわたるべし。” (兼好法師『徒然草第92段』) 
① 的(マト)に当てたい(欲求)、② 当たるか不安(否定的感情)、③ 一本の矢をムダにせず集中しなさい(言語的情報処理)。――常に目的追求の意志を持続させ、不安や心配などの否定的感情を抑制し、なおざりや怠けの弱い心を克服(コントロール)する知恵(情報)をよく知っている(知ろうとしている―意志的感情)のが強い心の条件です。
 
【ブッダのことば】 
 324 いかなる戒めをまもり、いかなる行いをなし、いかなる行為を増大せしめるならば、人は正しく安立し、 また最上の目的を達し得るのであろうか。
327 真理を楽しみ、真理を喜び、真理に安住し、真理の定めを知り、真理をそこなうことばを口にするな。みごとに説かれた真実にもとずいて暮らせ。
328 笑い、だじゃれ、悲泣、嫌悪、いつわり、詐欺、貪欲、高慢、激昂、粗暴なことば、汚濁、耽溺をすてて、驕りを除去し、しっかりとした態度で行え。
329 みごとに説かれたことばは、聞いてそれを理解すれば、精となる。聞きかつ知ったことは、精神の安定を修すると、精になる。人が性急であってふらついているならば、かれには知慧も学識も増大することがない。
330 聖者の説きたもうた真理を喜んでいる人々は、ことばでも、こころでも、行いでも、最上である。かれらは平安と柔和と瞑想とのうちに安立し、学識と智慧との真髄に達したのである。(中村 元訳 岩波文庫)


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◇ 心を強くする方法の誤った理解:成功哲学と神仏依存の新宗教
――唯心(観念)論的な「心の神秘化」から自らを解放しよう――

○ ジェームズ・アレン(James Allen, J.1864-1912英国作家、自己啓発・成功哲学者)
    『「原因」と「結果」の法則』(山川紘矢・亜希子訳 角川文庫 2016)
       (原題“As a Man Thinketh”人は考えるように)

「『人は自分が思っているとおりのものになる』という有名な格言がありますが、それは人間そのものの在り方だけではなく、人生の全ての条件や環境でさえも自分が作っている、という意味です。
人は文字通り、『自分が思考するものになります』。自分の人格は自分の思考の完璧な集大成なのです。」(p17)

 ☞ ジェームズ・アレンは、本来は文学者なので、文学的人生観に科学的哲学的批評を加えるのは見当違いかもしれません。しかし、彼の人生成功哲学は平易でわかりやすく説得力があるので、社会的影響が大きく、しかも、資本主義的な競争原理や成長発展原理の中では有効性が高いのです(実際この著書は、世界のベストセラーになっています)。しかし、順調な成長とそれに伴う成功物語が、限界を迎えるグローバルな縮小社会では、持続的な説得性を持たなくなると思われます。
 アレンが言うように「思考」や「願望」「意志」「思い」等の精神性(意識性)が、人間の行動に大きな影響力を持つことは万人の認めるところです。しかし、思考や精神性がなぜ人間の行動に決定的な影響を持つかは、科学的哲学的な検討を必要とします。というのは、現代は単純に個人の成功や幸福が社会や世界と結合し、環境の限界が人間の限界を明らかにしているからです。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下つづく

 ○ 谷口雅春(1893-1985「生長の家」創始者・宗教家)
「生長の家七つの光明宣言」
① 吾等は宗派を超越し生命を礼拝し生命の法則に随順して生活せんことを期す。
② 吾等は生命顕現の法則を無限生長の道なりと信じ個人に宿る生命も不死なりと信ず。
③ 吾等は人類が無限生長の真道(マコトノミチ)を歩まんが為に生命の創化の法則を研究発表す。
④ 吾等は生命の糧(カテ)は愛にして祈りと愛語と讃嘆とは愛を実現する言葉の創化力なりと信ず。
⑤ 吾等は神の子として無限の可能性を内に包有し、言葉の創化力を駆使して大自在の境に達し得ることを信ず。
⑥ 吾等は善き言葉の創化力にて人類の運命を改善せんが為に、善き言葉の著述、出版、講習、講演、ラジオ放送、テレビジョンその他凡(アラ)ゆる文化的施設を通じて教義を宣布するものとす。
⑦ 吾等は正しき人生観と正しき生活法と正しき教育法とにより病苦其(ソ)の他一切の人生苦を克服し相愛協力の天国を地上に建設せんが為に実際運動を起す。

                    (『生命の實相 第1巻』より、番号太字下線等追加)
 ☞ 谷口雅春の「言葉の創化力」という概念は、他の近代的宗教家の世界理解よりも群を抜く卓越性を示しています。「万教帰一」によって伝統的宗教の限界を克服し、それらの長所を取り入れ融合し、近代宗教として体系化したのです。極東の近代日本に流入した宗教や科学の成果を、東洋的「物心一如(天地萬物と和解)」と日本的現世主義に統一融合させた見事な宣言といえます。
 人類の文化・文明の源を生命の獲得した「言葉の創造力」にみいだし、受動的な西洋的被造物から脱却し、合理主義の根源である「言葉」を、相対的手段でありながら人間の創造力の主体的原動力と見なして、人間と世界の変革を説いています。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下つづく










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以下は「である調」です。 (^_^)v   
 
【 持続的・不変的幸福は、感覚的・物質的対象(刺激)にあるのではない 】
今日のような物質文明では、生活は豊かで便利になったが、それらの利益や利便は視覚や聴覚・味覚等の感覚的快楽や欲望を充足させるものではあっても、精神的持続的(不変的・普遍的)快楽・幸福をもたらすものにはなっていない。
 
 これらの感覚的・物質的快楽は、物質的対象・刺激が存在することを前提に得られる快楽・幸福に過ぎない。
 
 感覚的快楽は、物質的対象・刺激から目や耳や鼻や口を通じて得られるが、それらの対象・刺激がなくなると不快・不幸が訪れる。たとえ対象を得るための一時的な夢や希望が快楽をもたらしても、その対象を得てしまえばまた新たな対象を求めたくなる。
 
 物質的欲望には際限がない。しかし、欲望の対象である物質や肉体は確実に持続的ではない
 
【 持続的・不変的幸福は、言語的・観念的対象(刺激)によって可能である 】
人間は、信仰・希望・愛・慈悲・救済・幸福等の感覚性を超えた観念的な言葉の刺激によって、肯定的感情を意図的に生成し、心を強く安定的にすることができる。これらは外的対象(刺激)ではなく、言葉とそれによって構成される観念によって意志(内心)的に形成されるために、意志的感情と呼ぶことができる。
 
意志的感情とは言語的・観念的に形成される感情であり、精神的・理性的で、持続性・不変性をもつ人間特有の感情である。それは呪いや自己否定のような否定的感情にもなるが、自然の偉大さと生命の精妙さへの自覚があれば克服することができる。
 
 人間は、自らを強く美しく正しく見せるために、人間としての誇りと、生きることへの自信と、人間の創る未来への確信をもつことができる。そしてそれが持続的・不変的幸福の基礎になるのである。
 
 
 欲求、情動、感情と人間の言語文化的行動
――動物は生理的欲求のみを行動の動因とするが、人間は心理的感情的に裏付けられ想像された観念的心理的欲求を動因として文化的行動を取る――
 
 
 動物が欲求を充足するメカニズムは、唾液の分泌のような生理的反応とともに、情動反応を引き起こすことによって行動を促進させる。例えば、食餌としての肉の刺激(視覚・嗅覚)は、無条件(直接的・直知的)に摂食反応を引き起こし、無条件反応としての生理・情動反応によって摂食行動の動因となる。また、パブロフの犬のように、ベル音の刺激で摂食反応(行動)が学習されれば、ベルの音は条件(間接的)刺激となり、摂食行動が起こる。

 
 人間の言葉にも同様のメカニズムが働く。「レモン」や「梅干し」という言語刺激が間接的な条件刺激となり、酸っぱいイメージを想起させ唾液分泌が起こる。ある人は「ショートケーキ」と聞けば食欲が起こり、「食べよう」となれば、喜びと期待の感情がふくらむ。人間の情動・感情反応の場合、欲求が充足されるか期待や想像によっても快反応が起こり、欲求が満たされず期待はずれや否定的な想像であれば不快反応が起こる。人間の期待や不安、空想・イメージによる快・不快の感情反応や、信仰や決断などの意志的感情反応が起こるのは、言葉を持つ人間だけの特質である。

 
 快を求め、不快を避ける欲求は動物にもあるが、動物は快・不快の<反応>を動因とすることはなく、快・不快は欲求に対する行動の促進と抑制を引き起こす生理的結果に過ぎない。しかし、人間は反応結果としての快・不快感情とそのイメージや観念を動因として、更なる快感情を求め不快感情を避ける行動を取る。これは<心理的二次的な欲求>であり、言葉を持つ人間の構想や想像力の結果である。人間は生理的欲求だけでなく、「あれも欲しい、これもしたい。あれは嫌だ、これもしたくない」と予知的・想像的に行動する。しかし、動物は本能的な予知的行動はあっても、後天的にイメージを描いて行動することはない。

 動物や人間は、後天的に快・不快刺激への反応行動を学習して、抑制した行動様式を獲得することができる。動物の子育てや子どもの躾けは、後天的に教育され学習されたものである。動物は、親の子育てや試行錯誤等を通じて後天的に条件反応(行動様式)を学習するが、刺激に対する行動は、刺激の対象が直接に知覚できるものに限られる。これに対して人間の場合は、刺激の対象が直接目前になくても、頭の中のイメージや観念によって欲求が想像され、それが刺激となって行動する。それらのイメージや観念は、言語(刺激)を媒介して構想されたものであり、複雑な言語文化的行動となるのである。
 
※⇒人間の心は、欲求、感情(情動)そして言語によって構成されている。そして、言語とそれによって構成される知識(人生観・世界観)は、個人の置かれた文化的背景と生育歴(学習)によって左右される変数である。そのため、言語・知識を変えることによって感情(と行動)を変容させる力を持つ。
 例えば、宗教の教えや哲学等は、言語的に構成されるものの見方や考え方(価値観)で成立しているため、それを学ぶことによって自己の価値観を変えることができる。言語的な認知の変化が、感情や行動を変えるというのは、言語によって考え方や感じ方が変わることを意味している。「私は日本を愛する」とか「環境保護に努めたい」とか「仕事に誇りを持っている」等々のような表現は、感情を刺激し行動をコントロ-ルしているのである。
 
 
【人類は、言語的存在の自覚による欲望と感情の抑制によってのみ危機から救われる】
 
 
◇ 心の中の言葉によって、欲求と感情をコントロールできることが強い心の条件です。言葉は、基本的欲求を変えることはできませんが、過大な欲求を抑制することができます。また快的な感情は、善い言葉と結びつくことによって意志的感情を育成し、さらに心を強くします。
 では、善い言葉とはどんな言葉でしょう
 
 まずは、自分や他人の心の中の悪い言葉に欺かれないことが大切です。
 
悪い言葉とは、自分や他人への配慮がなく、心を傷つけ自他を欺き、成長をさまたげるような言葉です。成長をさまたげる言葉とは、考えさせない言葉、心地よいだけの言葉、歓心(笑い)を得るだけの言葉、内容のないうわべだけの言葉、不誠実・欺瞞・偽善を含む言葉、そして公正と正義を隠そうとする言葉です。(ただし、不快や欲求不満を排除してしまおうとしても成長は望めません。)
 
 それに対し、善い言葉とは、自分や他人への配慮と思いやりがあり、自他の心や気持ちを理解し、人間的成長を促す言葉です。成長を促す言葉とは、考えさせる言葉、厳しさを伴う心地よい言葉、具体的な内容のある励ましの言葉、誠実・真実・透明性のある言葉、そして公正と正義を明かそうとする言葉です。つまり、善い言葉とは、人生苦とその克服法を自ら考えさせる援助的言葉のことです。
 
 さらに忘れてはならないことは、善い言葉も悪い言葉も、人間の欲求や感情の本質から生じているということです。つまり、善悪の心はすべての人間に存在するけれども、その中で、善の心を成長させ、欲求と感情をコントロールできることが、善に対する意志的感情を育て、人間の心を強くすることにつながるということなのです。
 
 
事例:心の構造とはたらき――もっと心のはたらきを、具体的に知ることができます。
 
 
 
◇ 強い心で
人に勝つため、競争に勝つためでなく、
また、地位や名誉や金銭を得るためでもなく、
自分自身のいかなる運命をも恐れず――
不慮の事故にも、予期せぬ失敗にも、
不治の病や老化や死の不安、
そして人生における様々の困難にもたじろがず、

あらゆる生命の生きつづける力を感じ、
また、自然と生命の偉大と限界を知って、
ともに生き感じ行動する同胞・隣人を大切にし、
欲や感情の高まりを抑えてお互いに分かち合い、
社会の正義と真実を求めることのできるような心、
そんな心をわたしたちは「強い心」と呼びます。

心を強くすることは、
人間の心のしくみとはたらきを知り、
少しの努力をすれば誰にでもできます。 
これからの社会は、心と心をささえる言葉が、
ヒト、もの、金、情報をコントロールする時代です。
あなたも私も、人間としての強い心で、
お互いを大切にしながら、幸福を分かち合い、
自分の人生を、これから生まれてくる人たちとともに、
新しい時代と社会を創造しながら、
この世に生きていることに自信を持って前に進みましょう。
                              by kakasi
 
 
§ 自分の心が分からない 
 
自分が見えない、自分の心が分からない
自分は、今どこにいるのだろう
何をすべきか、何に頼るべきかが分からない
そんなあなたも 
この世に生まれてきたこと
この世に生きていくことの意味を
一緒に考え、生きる目標を見つければ、
必ず希望を持って前に進めるでしょう
 
今のあなたの心には、一体何がありますか
心はうつろで何もない?
いや しんどさ、つらさだけがつまっている?
そんなことを考えるのも、考えたいとも思わない?
この心の苦しさ、胸の痛みはいつまで続く・・・?
そんなあなたがいる暗闇の中で
あなたの不安な心に灯をともし
あなたの居場所を示します
初めはほのかな明かりでも
あなたの心がときめいて自分の道を探すなら
世界はもっと明るくひろがり
道は必ず見つかります
それは、あなた自身の力でできるのです
 
あなたの心には 幼いときから刻み込まれた
たくさんの経験と言葉がつまっています
言葉とつながる思い出は
お母さん お父さん、お友達や先生達
あなたと関わったあの人この人
あそび いたずら けんか ぼうけん 
メロディー 騒音 ドライブ 自然 驚き  
しかられたこと ほめられたこと
嫌な思い出も多いけど
好きな言葉 良かった思い出を見つけましょう
 
心はあなたに命じます
おなかがすいたら食べなさい 危ないところに近づくな
悲しい悔しいやるせない、嫌な思いを払いのけ
気持ちをしっかり持ちなさい
弱い心に打ち勝って、強い心で励みなさい
やがて神様現れて、救いの御手をさしのべて
(やがて菩薩が現れて、仏法の力に助けられ)
あなたの信仰と努力(功徳)を認められ
あなたの気持ちは晴れやかで希望と勇気が得られます
 
でも信仰がなければどうするの?
神も仏もいないなら、何を信じて待てばよい?
そこであなたは考える、あなたの心の働きを
嫌な思いとやる気のなさは、どうして起こるのか
心のしくみが分かるなら、自分の気持ちを癒やせます
何ができるか考えて、できないことはしないこと
何かを食べて動くこと、見ること聞くこと触ること
それができれば考えよう、おいしさ楽しさ嫌なこと
今まであった過去のこと、できればノートにメモをする
心は何かを感じます 感じた訳(言葉)を探ります
なぜなぜ、どうして私はここにいる
私は不幸か幸福か、どうして私は悩むのか?
 
あなたの悩みは心の動き、否定の気持ちが強すぎる
言葉の力を引き出して、弱い心を強くする
心の弱さが目立つのは、感情が生きる力を疎外する
生きる気持ちを大切に、肯定的感情を引きだそう
生きる力を感じとり、それを言葉で確かめよう
心を強くするために、勇気と希望を育もう
あなたの心の目的が、小さな希望であるとしても
積み重なれば山となり、やがて自信が育まれ
強い心になるでしょう
 
 
by kakasi  (工事中)
 
 
 
 
 
 
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