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研究内容の紹介

環境統計科学とは

環境問題を解決するには,個人的感情に左右されずに,科学的根拠を提示した上で冷静な議論を行うことが必要です.新たな治療法や医薬品の開発では,臨床試験を通じて有効性・安全性を慎重に確認しなければなりません.医療の現場では,治療の選択について患者への説明が義務づけられています.

 このように現代社会では様々な場面で「判断の根拠」が求められます.統計科学はその根拠を客観的に提示する最も有効な手段です.飛躍的に発展する計算機の能力を活かしつつ,統計科学の研究を通じて,環境・生命科学の諸問題の解決に役立ちたいと考えています.


現在取り組んでいるテーマ

環境・生命科学のデータを解析するための統計モデル構築と統計計算の研究

環境・生命科学で観測される複雑な現象を解析するための統計モデル(罰則付きスプライン回帰モデル,混合効果モデルなど)や,最適な統計モデルを選択するための方法・基準などを研究しています.例えば,回帰関数の推定値,選択基準などを効率良く計算するにはどうすればよいか,さらに提案した計算手法が統計的に良い性能をもっているかなどを調べています.

要約・隠匿された情報を復元するための シミュレーションに基づく統計手法の研究

計算機の性能の飛躍的発展により,計算機集中型の統計手法,とくにシミュレーションに基づく手法が注目を集めています.古典的な統計的推測理論に比べて直観的に理解しやすく,旧来の統計解析の概念を大きく変えうることが期待されています.シミュレーションによって,要約された,ないし隠匿された情報を,個別の情報に適切に復元するための統計手法の研究を行っています.

「個に基づく医療」のための統計手法の研究

人間や動物を対象とする研究では,性別,年齢,体格・体質などの個体ごとに異なる背景因子が,観測される応答(生死,疾患,薬効など)に複雑に影響します.よって,集団を対象とする(個体差を無視した)旧来の解析方法には限界があります. 私たちは,背景因子を考慮に入れたり,個体ごとの特徴を明示したりすることができるような,「個に基づく医療」に寄与すると考えられる統計手法の研究を行っています.