はじめに



労働組合法第5条第2項第7号の規定により、すべての労働組合に会計監査が義務づけられています。

すべての労働組合は、職業的資格のある会計監査人を選任しなければなりません。

当事務所では、労働組合の監査業務について、多くのお問い合わせをいただいておりますので、

こちらのサイトにて法制度などの解説をさせていただきます。






<目次>


3.労働組合の監査について 




1.労働組合とは


労働組合とは、労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持改善その他経済地位の向上を図ることを
主たる目的として組織する団体またはその連合団体をいいます(労組法2条)。
労働組合は、他の公益法人などとは異なり、主務官庁に対する届出・指導監督などはありません。

2.労働組合会計について


労働組合会計に関する指針としては、昭和60年に「労働組合会計基準」が制定されています。
公表されてから、すでに25年以上経過しておりますが、すでに多くの労働組合において採用されているものであり、
「一般に公正妥当と認められる労働組合会計の基準」として定着しているものです。

労働組合会計の特色としては、下記のような点があげられます。

①予算重視の会計

労働組合会計基準においては、予算書の作成が求められています(労働組合会計基準 第2.1)。
また、収支計算書では、収支の予算額と決算額との対比について記載することが求められており、
予算額と決算額との差異が著しい項目については、その理由を備考欄に記載することが求められています(労働組合会計基準 第3.2)。

このことから、労働組合に関する会計では、損益計算により期間の業績を明らかにすることよりも、
当初の活動計画に基づいて、忠実に業務を行ったかどうかを明らかにすることが重視されています。

②特別会計の内容開示

特別の目的を定めて徴収した資金を財源として組合活動を行う場合には、
当該活動状況を明らかにするための特別会計を設けなければなりません(労働組合会計基準 第6.1)。
特別会計には、当初から収入源泉を大会、規約等で定めた資金を財源として組合活動を行う特別会計(例えば、闘争資金特別会計)と、
活動部門の管理上の利便のために設定された特別会計(例えば、退職積立金特別会計、会館維持管理特別会計)とがあります。


3.労働組合の監査について


労働組合法では、すべての財源及び使途、主要な寄附者の氏名ならびに現在の経理状況を示す会計報告は、
組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、
少なくとも毎年1回組合員に公表されることが求められています(労組法5条2項7号)。
また、特定行政法人等及び地方公営企業の職員で構成する労働組合に対しては、
労働組合法の外部監査の規定が適用されており、会計報告について証明書の受領が求められています。

さらに、国家公務員及び地方公務員の職業団体については、労働組合法が適用除外とされているものの、
その職員団体が法人格を取得する場合には、公認会計士または信託会社の監査証明を受けることが必要とされています。

具体的には、計算書類(収支計算書、貸借対照表及び附属明細書)の適否についての監査を行うことになり、
業務監査や能率監査を行うことなどは求められておらず、不正誤謬の発見を直接の目的としたものではありません。

なお、労働組合が監査を受けない場合に関して罰則規定は設けられていないものの、労働組合法上の手続に参与し、
救済を求める資格がないものとされており(労働組合法5条1項)、具体的には下記の手続が困難になります。

・労働協約の地域的拡張適用の申立(法18条)
・労働者委員の推薦(法19条の3第2項)
・不当行為に対する救済申立(法5条1項)
・法人格を取得するための資格証明取得(法11条)


4.監査人(監査法人)の選定にあたって

労働組合の監査においても、労働組合監査における監査上の取扱い(非営利法人委員会報告第27号)に記載されているとおり、
監査リスクを評価したうえでの監査計画立案が求められていますが、ほとんどの監査人は年度を通じて手続を実施するのではなく、
労働組合が計算書類の作成を一通り終えた時点で監査手続を実施するということも多いようです。
したがって、決算を行うタイミングで監査人を選定するということも実務的には多いですし、
監査報酬の見直しを目的として監査人を変更するといった組合様も多く見られます。

労働組合は、組合に所属する従業員から拠出される組合費収入から成り立つものであるため、
その使途については公正性が確保されることが望まれますが、
その一方で拠出された資金の枠内で監査人への支出も行われる必要性が高いことは言うまでもないでしょう。
私どもの事務所では拠出された資金の枠内で監査人への報酬支払を考えなければならない組合様の事情に配慮し、
財務状況に応じた報酬のお見積りをご提案させていただいたおります。

ご質問・お問い合わせ等についてはお気軽にご連絡ください。


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今西・根本 国際会計事務所

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