「一粒の麦」NO.232 反骨爺のつぶやき 高村よしあつ

2015/06/24 19:12 に 山根岩男 が投稿   [ 2015/07/01 22:07 に更新しました ]
   戦争か平和かが最大の争点になった自共対決の一斉地方選挙で、日本共産党が引き続き躍進し、政治革新への流れを明確にしたのは、国民の一人ひとりが、戦後70年間戦争で一人も殺さず、一人も殺されなかった平和憲法の重みを噛みしめてきた結果に他ならない。
 政府の従来の安保政策の基本は、自衛隊とは日本を守る専守防衛の実力であり、したがって「集団的自衛権の行使は、自衛のための必要最小限を超えるため許されない」というものであった。この専守防衛と個別的自衛権に限定する論理は、9条との関係で根底において根本的問題があるにしろ、それなりに安保政策の大義名分となり得るものであった。
 安倍首相は米議会において、まだ国会に提出もされていない「戦争立法」について、「この夏までに必ず実現」と、対米隷属、民意無視の演説。これまで積み上げてきた安保政策を根本から転換し、アメリカに請われるまま「いつでも、どこでも」戦争する国にするため、やみくもに軍拡路線に突き進もうという法案である。元防衛官僚であり、自衛隊のイラク派遣にも携わった柳沢協二氏は『亡国の集団的自衛権』において、集団的自衛権の最大の問題は,対中国の関係やアメリカが描くアジアの将来像との関係から論ずべき日本の外交と安全保障の「理念」が存在しないことにあり、理念なき安保政策は「国民が欲する日本の未来像との矛盾」を先鋭化せざるを得ないと批判する。自衛隊員は、「私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し」ではじまる「服務の宣誓」をして入隊するのであり、「日本の平和と独立にかかわらない異国の地で命を落とすことを誓っているわけではない」。茨木・土浦市の井上圭一市議は元自衛官であるが、「米軍の戦争に行きたいと入隊する人はまずいない」「入隊時には平和憲法を遵守することを宣誓した若い自衛官を集団的自衛権で戦闘現場におくりこみたくない」と訴えて、今回初当選した。
 柳沢氏は言う。「イラクで現地の人に一発も弾を撃たず、一人も殺さなかった自衛隊というブランドが確立しつつあると感じていますが、これこそ日本が戦後70年かけて築いてきた日本ブランドであり、アメリカや中国には真似できない、日本ならではの優位性だと思います」。戦後日本が国際社会に復帰する前提となった平和国家の「理念」というブランドを守り、「理念」なき戦争国家への道との最後のたたかいが、いま始まろうとしている。
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