「一粒の麦」NO231 反骨爺のつぶやき

2015/06/24 19:05 に 山根岩男 が投稿   [ 2015/07/01 22:00 に更新しました ]

  中東が急に身近になってきた。日本人ジャーナリストがついにテロの対象になったからである。イラク人民に言わせると、「フセイン、バッド(悪い)。アメリカ、ワースト(最悪)」(西谷文和「報道されなかったイラク戦争」)である。アメリカの違法な戦争は、それまで存在しなかった違法なテロ、治安悪化、宗派対立を生みだした。しかし、それだけではない。
なぜアメリカは、イラクの人々にとって最悪なのか。アメリカは、「核濃縮技術」をもって核兵器や原発の原料を作り出しているが、当然濃縮した残りかすとして大量の核のゴミが出る。それが劣化ウランであり、アメリカは安上がりなゴミ処理方法として劣化ウラン弾を作り出し、アフガニスタンやイラクで大量に使用し、核のゴミ捨て場に変えてしまった。アメリカは91年の湾岸戦争に続き、03年のイラク戦争でイラク全土に大量の劣化ウラン弾をばらまいた。その口実にされた「大量破壊兵器」は存在しなかったが、非人道的「悪魔の兵器」の劣化ウラン弾は存分に「大量破壊兵器」の役割を発揮している。がん患者、頭や背中の腫瘍、白血病、奇形児が激増しつつある。イラクは「ヒロシマ」どころか、それ以上である。96年国連人権小委員会は「劣化ウラン弾使用禁止」を賛成15、反対1(アメリカ)で決議するが、アメリカは素知らぬ顔をして使用し続けている。
 ではなぜアメリカは、でっち上げの口実を使ってまでイラク戦争を引き起こしたのか?
中東の歴史が大きく動くのは、1979年のイラン革命である。アメリカに敵対するイランに始まったイスラム革命の影響は、豊富な石油の眠る湾岸諸国全体に拡がり、アメリカの脅威となる。アメリカはイラクのフセインに肩入れして、イラン・イラク戦争を引き起こし、その流れを食い止めようとする。その流れが止まったところでフセインは用無しとなり、湾岸戦争、イラク戦争でついにフセイン政権は倒され、アメリカは湾岸諸国に自国の権益を確保する。そんなアメリカに何で日本は協力するのかと言うのが、イラク人の率直な気持ちである。日本は、上記の国連決議も「保留」し、イラクのサマワに初めて公然と武装した自衛隊を派遣することになる。
これまで日本は戦争をしない国として中東でもテロの対象から外されてきたが、安倍内閣の戦争政策のもとで状況は大きく変わりつつある。改めて憲法9条の意義を噛みしめるべき時である。それこそ、世界の人民にとってテロの温床をなくす唯一かつ最大の希望の道筋である。

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