NO.227 反骨爺のつぶやき

2015/01/02 19:56 に 山根岩男 が投稿   [ 2015/03/18 23:06 に更新しました ]
 早いもので、20世紀2番目の大事件、「ベルリンの壁」崩壊から4半世紀が経過した。1989年6月に始まったポーランドの崩壊は、わずか4か月余りで全ての東欧「社会主義国」に及び、間もなく旧ソ連がそのあとを追った。「社会主義は崩壊した、資本主義は勝利した」との大合唱が世界中を席巻した。
 昨年秋、東欧諸国を旅行する機会があった。チェコでは、ちょうど総選挙の最中であった。ガイドが「今度の選挙では、共産党が躍進しそうです」と語っていたが、帰国後第3党に躍進したことを知った。ぶり返しが始まっているのかな、と漠然と感じた。
 東西両陣営の対立を象徴していたのが、「ベルリンの壁」を挟んだ東・西ドイツの存在であった。東ドイツの中央集権的計画経済に対抗し、西ドイツでは「社会的市場経済」をかかげて、市場原理を踏まえた福祉国家の建設をめざした。西ドイツは、戦後の奇跡と言われた驚異的経済成長を実現し、東ドイツとの経済的格差はだれの目にも明確となった。その結果、社会的市場経済は全ヨーロッパに拡がり、東欧を含むEU27カ国全体の経済政策に発展した。これにより、アメリカ型資本主義に対抗し、ヨーロッパ型資本主義が確立したかに見えた。
 ここから歴史の弁証法が始まる。そのきっかけとなったのは、資本主義の不治の病、2008年の「リーマン・ショック」と呼ばれる世界恐慌であった。アメリカ金融資本を代表する世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、ヨーロッパ経済の立て直しと称して金融緩和と国民犠牲の新自由主義経済を押し付け、みる間にヨーロッパ型資本主義をアメリカ型資本主義に塗り変えてしまった。
ドイツでも21世紀に入り、新自由主義への転換がはじまり、リーマン・ショック以後社会保障削減、労働規制緩和が急速に進み、格差と貧困が広がった。これに立ち向かって勢力を伸ばしてきたのが、ドイツ左翼党である。左翼党は、2007年旧東独の政権党と旧西独の社民左派とが合流して誕生したが、むしろ旧西独地域において、しかも青年のなかでその影響力を拡大してきており、今後の動向が注目されている。『季論21』26号は、旧東独体制は「良い面が多かった」とする人が95・85%とする、圧倒的な旧東独地域での世論調査の結果を報じている。社会主義とは無縁の「ソ連型社会主義」でも、新自由主義の資本主義よりはましだ、とする選択が、チェコでも、ドイツでも生まれつつある。12月5日、初の左翼党州首相が誕生した。

Comments