NO.222 反骨爺のつぶやき

2014/09/08 23:50 に 山根岩男 が投稿   [ 2014/09/09 0:20 に更新しました ]

 アメリカには「ジャパンハンドラー」と呼ばれる日本の政治を手玉に取るグループが存在する。2012年4月、石原都知事はこのグループも関わるシンポで講演し、尖閣諸島の一部を都が買い上げる意向を示して日中間の緊張関係を一挙に高めた。米国国防省は、将来の国防政策を中国の脅威を軸として構築しようとしており、その場合日本と韓国はその尖兵としての役割を期待されている。そのためにアメリカは、1972年の沖縄返還時に、尖閣諸島の主権問題に中立を宣言し、日中間に領土問題をめぐる火種を残した。サンフラシスコ講和条約で、日本に千島列島を放棄させながら、その範囲を曖昧にして、日ソ間に紛争の火種を残したのと同様の手法である。石原発言は、その火種に火をつけるものとなった。
 孫﨑亨氏の「小説外務省 尖閣問題の正体」(現代書館)の出だしである。小説と銘打ってはいるものの、大半は実録である。尖閣諸島の領有権問題は、1972年の日中国交正常化、79年の日中平和友好条約締結の2回にわたって、棚上げの合意がなされたという。石原発言は、この棚上げ合意に挑戦するものであり、同年9月これをうけた野田首相の国有化の方針は、日中の緊張関係をさらに修復しがたいものにまで高めた。
 尖閣諸島は近年まで「無主の地」であったが、日本人が「先占」したところから、国際法上の「無主物先占」の原則にもとづき、1895年以来75年間中国の異議もなく実効支配を継続してきた日本固有の領土である。しかし、もし棚上げ合意が存在するのであれば、とりあえず尖閣問題の一時棚上げによる話し合い解決への道を歩むべきであり、その中で領土の帰属問題をじっくり話し合うべきものであろう。このまま、ひたすら日中間の緊張関係を高めていくことは、アメリカの思う壺であり、ヘーゲルのいう「理性の狡知」である。ヒトラーの腹心・ゲーリングは、「国民を戦争に参加させるように仕向けることは簡単なことだ。国民が攻撃されると言い、平和主義者は国を危険にさらしていると非難すればいい」と言ったという。
アメリカは、尖閣問題を使って、安倍内閣に集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行させ、直ちにこれを歓迎する声明を発表した。アメリカのために、日本が血を流してはならない。ましてやそれが憲法破壊のクーデターによるものとあれば。たたかいはこれからである。
                                      常任理事 高村是懿             
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