シンポジウム
疑似科学やデマに正しく向き合うために
 -科学教育で何をどう伝えるか-

趣旨:わが国では学校教育において数学・理科・情報などの教科を通して科学教育がなされてきている。しかしながら、近年、確率・統計・科学的定説・科学的検証についての誤解や無理解、ニセ科学・フェイクニュースの蔓延、証拠に基づく議論・合意形成の軽視など、科学的な態度や行動に係わる問題が数多く発生している。まさに、科学教育で伝えるべきことが正しく伝わっていないのではないかと考えられる。本シンポジウムでは、このような状況の背景について、お二人の講師に情報化社会論および認知心理学の面からご講演いただき、科学教育で何をどう伝えるのかについて、共に考えたい。



  日時:2019年12月8日(日)13:00~16:30(12:30 受付開始)
  会場:東京大学本郷キャンパス赤門総合研究棟2階200号教室 
  地図:http://www.utokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
最寄り駅:本郷三丁目(東京メトロ、都営地下鉄)、東大前(東京メトロ)
 参加費:500円
事前申込:こちらからお申込みください。
      (当日申し込み可)11月23日迄に申し込み頂けますと人数把握できるので有り難いです。
  主催:理数系学会教育問題連絡会*
問い合せ:日本生物教育学会都築功E-mail goodbye.tamakou◎gmail.com (◎を@に)

進行次第:
司会進行:都築功(日本生物教育学会)
13:00~13:10 開会挨拶および趣旨説明 市川洋(日本地球惑星科学連合)
13:10~14:00 講演1 奥村晴彦(三重大学・教育学部・特任教授)
          情報化社会におけるデマと科学
14:10~15:00 講演2 菊池聡(信州大学・人文学部・教授)
          疑似科学を信じる心理-クリティカルシンキングを育てるために-
15:10~16:30 パネルディスカッション
  コーディネーター:辰己丈夫(情報処理学会)
     パネリスト:奥村晴彦、菊池聡、構成学会からの指定討論者
16:30 閉会挨拶 都築功(日本生物教育学会)

★パンフレットはこちらからダウンロードできます。


講師紹介および講演概要

奥村 晴彦 三重大学・教育学部・特任教授
京都市出身。名古屋大学理学研究科前期(物理専攻)修了後、高校の数学教師を経て、総研大(博士)、松阪大学政策学部教授、三重大学教育学部教授、三重大学学長補佐(情報担当)など歴任。専門は物理→情報科学→情報教育。データ圧縮、統計学関係の著書多数。東日本大震災以来、情報社会と情報教育の問題点を分析した論文「大震災で見えてきた情報教育の課題」「The 3.11 Disaster and Data」などを発表。

講演概要
大震災時に等に流れたデマの問題、データ活用がうまくいかなかった問題や、現在でも福島をめぐるデマが絶えない状況、ニセ科学が横行する問題を分析し、情報技術を正しく活用する力、データに基づき科学的に判断する力をつける教育の大切さと、そのための方法を提案する。

菊池 聡 信州大学・人文学部・ 教授
埼玉県出身。京都大学教育学部卒業、京都大学教育学研究科博士課程単位取得退学。現在、信州大学人文学部教授。専門は認知心理学。疑似科学などに現れる人の思考のバイアスを明らかにし、実践的な批判的思考(クリティカルシンキング)の向上につなげる研究に取り組む。著書に「なぜ疑似科学を信じるのか」(化学同人)、「超常現象をなぜ信じるのか」(講談社)「自分だましの心理学」(祥伝社新書)など多数。

講演概要
疑似科学とは、外見は科学的に見えても、非科学的で誤っている言説や主張とされる、中でも詐欺的なものは一般にニセ科学や似非科学といった表現で知られている。現在の社会でのさまざまな意思決定は、政策決定から個人の選択まで、科学的な根拠の評価が重要な影響を与えることを考えれば、疑似科学を識別し適切に対処できる科学リテラシーの育成は教育の重要課題のひとつとなる。しかし、疑似科学を「正しい科学知識」の欠如とのみとらえるのは一面の真実でしかない。これらを信じてしまうプロセスに着目し、「反証不能で否定されることのない心理的信念(ビリーフ)」としてとらえることで、疑似科学の振る舞いをより的確にとらえることができる。これらの問題に関する心理学的な研究を紹介し、疑似科学を教育の現場でどう伝えていくか、そしてクリティカルシンキングの向上にどうつなげていくのかについて考える。


【理数系学会教育問題連絡会について】 
理数系学会教育問題連絡会は、下に挙げた理数系の学会間で教育に関する問題の情報を交換し、各 学会の有効な教育活動につなげるとともに、必要な場合には提言を公開してきました。これまで、定期的 に会合を行って情報交換や意見交換を行うとともに、シンポジウムを何回か開催してまいりました。今回 のシンポジウムのテーマの他に、教員の養成や研修の問題にも共通の課題として取り組んでいます。
 [加盟学協会]
日本数学会、数学教育学会、日本統計学会、日本応用数理学会、日本物理学会、 応用物理学会、日本物理教育学会、日本化学会、日本植物学会、日本動物学会、 生物科学学会連合、日本生物教育学会、日本地球惑星科学連合、情報処理学会