次回予告


第28回
後藤 晋さん
東京大学大学院農学生命科学研究科・附属演習林
北方針葉樹の標高に沿った適応:遺伝的基盤の解明に向けて
針葉樹は花粉も種子も風によって散布されるものが多く、一般には遺伝的に分化しにくい。しかし、標高が変化すると、気温、積雪深、風の強さ、生物相などが大きく変化するため、比較的狭い範囲内でも標高に沿った形態や性質の変化がしばしば認められる。これまで標高別に採取した種子を用いた圃場実験で標高勾配に沿った成長やフェノロジーの変化が見られることなどから、自生標高に遺伝的に適応していること が予想されていたが、そのような標高適応に関与する遺伝子についてはほとんど明らかになっていなかった。私たちは、北海道に自生するマツ科モミ属の針葉樹トドマツを対象に、30年以上が経過し、結実期を迎えた高標高×低標高の標高間交雑で作出された個体を用いて人工交配して分離集団をつくり、標高に沿った適応の実態を解明するとともに、遺伝的基盤の解明に向けて、いくつかの研究を展開している。個体もゲノムも巨大なマツ科針葉樹ならではの難しさ、そして、そのような難敵に挑む研究の意義について紹介したい。
参考文献 Goto S, Kajiya-Kanegae H, Ishizuka W, Kitamura K, Ueno S, Hisamoto Y, Kudoh H, Yasugi M, Nagano AJ, Iwata H (2017) Genetic mapping of local adaptation along the altitudinal gradient in Abies sachalinensis. Tree Genet. Genom. 13: 104. https://doi.org/10.1007/s11295-017-1191-3 Hisamoto Y, Goto S (2017) Genetic control of altitudinal variation on female reproduction in Abies sachalinensis revealed by a crossing experiment. J. For. Res. 22: 195-198 Ishizuka W, Goto S (2012) Modeling intraspecific adaptation of Abies sachalinensis to local altitude and responses to global warming, based on a 36-year reciprocal transplant experiment. Evol. Appl 5: 229-244 Ishizuka W, Ono K, Hara T, Goto S (2015) Use of intraspecific variation in thermal responses for estimating an elevational cline in the timing of cold hardening in a sub-boreal conifer. Plant Biol 17: 177–185  

日時 2017年 12月4日 16:30~
会場 九州大学 伊都キャンパス ウエスト1号館D-208 * 懇親会もあります。


趣旨
「Qecoセミナー」(九州(Q)ecological セミナー)です。
生態学に関するあらゆる研究について、第一線で活躍中の研究者をお招きして、講演会と懇親会を開きます。
九大内外、教員、学生問わず自由な参加をお待ちしています。

講演者募集
講演者を募集しています。希望される方はご連絡ください。

連絡先
九州大学 理学研究院 生物科学部門 生態科学研究室 
Tel: 092-802-4277
大原 隆之 t.ohara.63920(at)ees.hokudai.ac.jp
岡部 憲和 3SL14065S(at)s.kyushu-u.ac.jp
永濱 藍    polygonum.ak(at)gmail.com
衛藤 美咲 3SL17029M(at)s.kyushu-u.ac.jp
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Shun Hirota,
2015/06/15 2:58
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Shun Hirota,
2015/07/23 4:54