02.土の歌 竜の声



パトリネ.26 雨

内陸の小さき国、エルネタリア国境まであと僅か。隣国だと云うのに、まさか移動にここまで日をまたぐことになろうとは思いもよらなかった。荷造りに4日、国境までまた4日。東の追放地区を避け、北寄りに迂回経路を取ったせいもあるだろう。

途中何度も強い雨に降られ、荷解きも出来ない状況だった。山の気候は恐ろしいほど移り気だ。 ようやく山の中腹にある移動者用の共用施設に潜り込み、雨が上がるまで足休めがてらこれを書いている。

小竜公と名乗る王がこの小さき国の王政を転覆させて早数年。未だ続く混乱の最中、断絶していた各国との国交を回復させようとする兆しが見えてきた。商人たちの談だ。
彼らの大半は政治に興味を示さないが、彼らは天性の目利きでもある。中には物流だけではなく、世界の大局さえ見透かす者も居る。それを、確かめに行くのだ。

出来れば、この雨が上がる時刻も目の前を行く商人たちに教えてもらいたいものだが。
生憎とそれは錬金術師に聞いた方が、早いのかもしれない。

〔注意〕
・南の裾野で土砂崩れ
・どこかで竜の鳴く声が聞こえた気がしたが、雷鳴に混じって判別は難しかった
・北からの旅人の談、ヘルハイムに動き有り 先ほどの妙な雷鳴はやはり竜か
・今のところは安全だが、行商を襲う野盗の類に注意せよとのこと
・見慣れない種族を用心棒に連れた商人たちを見かけた 竜人、ではないようだが



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