安保法制関連法に反対する大阪府立大学教員有志の声明

夢に見た  美しいくに
夢に見た  勇ましいくに
夢にまで見た  誇らかなくに
目覚めれば  廃墟。

2014 年7月に第2次安倍内閣は、憲法上違憲の疑念が強く、なおかつ歴代内閣が否定しつづけてきた集団的自衛権の行使を、憲法改正という手続きをへずに閣議決定のみで容認しました。たとえ個別的自衛権であっても、国権の発動を厳しく制限してきたのが日本国憲法であり、戦後日本の枢要な国家原則でした。

国家の基本原則は、憲法によって一政権を拘束こそすれ、一政権が自らの解釈だけで自在に運用できるものではありません。当然それは、総選挙の結果によってでさえ変更できないものです。主権者の意思に直接問う、つまり憲法を改正することが最低限不可欠の要件になります。しかも政府は、今まさにそれを法案化しようとしています。その意味でこの法案は、主権者である国民の意思を無視するものです。主権在民は人類が長い歴史的な闘争を積み上げて獲得した「人類普遍の原理」であり、そのことは日本国憲法の精神を表現した前文にも明記されているとおりです。

振り返れば人類は長きにわたって、大いなる逡巡を抱きながらも国家の存在意義を認めつつ、他方で国家権力をいかに制限するか、そのパラドキシカルな工夫を重ねる努力を続けてきました。人類の知恵として誇りうるものがあるとすれば、他ならぬ人類自身が自らの必要上作りあげた国家の権力を制限し濫用させないようにするため、「法の支配」に磨きをかけてきたことではないでしょうか。これこそが文明の証なのです。

その努力の足跡は800 年にもわたって人類史に刻まれており、その蓄積のうえに地球上に憲法が制定されてきました。日本も例外ではありません。19 世紀末にできた最初の日本の憲法は、君主による統治権を前提にしたものであるにせよ、西欧モデルに準じた立憲主義的原理を含んだものですし、20 世紀中葉にできた憲法は日本だけでも約310 万人もの犠牲者を出して作られた、主権在民を前提とする近代立憲主義的原理を包含したものです。いずれも歴史に根ざし、また世界に準拠した憲法でした。

その憲法に反してこの法案が成立すれば、日本国は地球の裏側においてでさえ「自衛権」の行使を可能とする国家原則を新たに持つことになります。これが日本の国家原則と憲法に対する重大な違反にあたるのは言うまでもありません。そして何よりも、そのような法案を政府が合憲だと解釈してしまうのですから、もはやこの国では憲法の存在は意味を持たないと言っても過言ではないでしょう。これは憲法の存立根拠を大きく揺るがす行為であり、近代立憲主義を破壊しかねない行為であることは明白です。

安保法制を正当化するために、政府は憲法13 条の幸福追求権を根拠にしていますが、憲法13 条はあくまで「すべて国民は、個人として尊重される」というのが基本です。個人としての「国民」の幸福追求を口実に国家が同盟国のために武力を発動させることは、「個人の尊重」と「国家の尊重」を暴力的に同一化させる所為であり、国家を民主的に運営する主体でありながら、それでもなお国家から自由であることを保障されるはずの個人としての国民の権利を侵害するものです。これは、主権在民下での民主主義の根幹を空洞化させるものです。

以上のとおり、わたしたち大阪府立大学教員有志は、人類とともに日本が歴史のなかで獲得してきた主権在民・立憲主義・民主主義に背馳する安保法制関連法案に反対し、その法案の廃案を強く求めます。
2015 年8月6日
安保法制関連法案に反対する大阪府立大学教員有志  
















大阪府立大学教職員・卒業修了生等関係者のご賛同を募っています。
賛同は声明文の下、あるいは左カラムの「賛同者フォーム」からお願いします】


<お知らせ>

TALK EVENT 民主主義ってなんや???
内田樹さん講演会とトーク
SEALDs関西・SADL,・関西の大学有志の会

  12月19日(土)18:30〜
  難波市民学習センター講堂
      (OCATビル 4F)
  参加費:無料



◆関西大学教員有志の学習会のご案内

日時:2015年10月9日金曜午後6時15分~(8時ごろまで)
場所:第3学舎A301教室
話題提供:高作正博(法学部教授)
「安保法制の論理構造と憲法――なぜ「クーデタ」とよばれるのか」
     西平等(法学部教授)
「軍事的組織の活動の限界を判断するための法的枠組について」
https://sites.google.com/site/kandaiprofs/meetings/oct2015



【転載】
◆「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い

http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html

 政府・与党は9月17日の参議院安保特別委員会で、2つの安保関連法案ほか計5件の案件を「採決」し、「可決」したとみなし、マスコミもそのように報道しています。
 しかし、「採決」の場面をテレビで視た多くの市民の間で、「あのように委員長席周辺が騒然とし、委員長の議事進行の声を自席で委員が聴き取れない状況で、5件もの採決がされたとは信じられない」という声が飛び交っています。至極もっともな感想ではないでしょうか?

 ということは、「強行採決」に抗議する以前に、「採決」はそもそもなかったというのが真相ではないでしょうか?

 このような余りに理不尽な状況が既成事実としてまかり通るのを見過ごすことはできません。
そこで、緊急に山崎参議院議長、鴻池安保特別委員会宛てに、添付のような申し入れをすることにしました。(以下詳細はHPをご覧ください。)
http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html

呼びかけ人
醍醐 聰(東京大学名誉教授)
shichosha_kangeki@yahoo.co.jp
電話:080-7814-9650


◆【お知らせ】
大阪府立大学教員有志の会の学習会・総会を開催します。

日時:9月29日(火)18:00〜19:30
場所:中百舌鳥キャンパスA15棟101講義室

学習会 18:00~19:00
 ・お話 住友陽文さん(本学教員)
 「立憲主義とは何か--日本史の観点から--」  
  ・8月26日100大学有志共同行動の報告 
        細見和之さん(本学教員)

     ・その他活動報告

◆総会  19:00~19:30
 


























































呼びかけ人
(五十音順)

浅井美智子
安藤幸江(名誉教授)
伊田久美子
入江幸右衛門
工藤宏司
黒田研二(名誉教授)
河野健司
児島亜紀子
斎藤憲
酒井隆史
住友陽文
総田純次
高橋哲也
田島朋子
田中智
田間泰子
中河伸俊(名誉教授)
東優子
福田珠己
細見和之
松田博幸
真鍋武嗣
三田優子
森岡次郎
山﨑正純
山中京子