フォークロージャーとは?

フォークロージャー (Foreclosures) とは?

今日8月15日のニュースではアメリカのフォークロージャーが昨年の70倍にものぼるそうだ。大変な数字である。そもそもフォークロージャーとは、住宅を購入する際にお金を借りた人が銀行返済不可能な状態に陥り差し押さえがかかる状態になることをいう。それが銀行によって完全に差し押さえられた状態になったものはREO(Real Estate Owned)と呼ばれ、今度は銀行が売主となって売りに出していることをいう。

当然、一般市場の価格よりは安めなので不動産投資家の狙いどころでもある。またShort saleという言葉もよく耳にするようになった。これは完全にフォークロージャーになる前に銀行と交渉して、借入額を割り引いてもらうことで、一時救済を図る。どれも言ってみればさほど難しいことではないが、もしあなたが不動産投資家で中心的プレーヤーとなってバーゲンを手に入れようとする方であるなら、その行程を知り尽くしていないと大変大きなやけどを負うことになる。

1.フォークロージャーが起こるまで

カリフォルニア州の場合、家の持ち主が銀行の支払いを2度続けてしなくなると、通常持ち主にN.O.D.(notice of default) という書面が送られてくる。このN.O.D.は公表( public records)されるので、銀行がこの書面を発行すると世の中の全ての人が状況を知ることになる。新聞、裁判所、ウエブサイトなどである。しかし、その情報は裁判所に毎日見に行けば無料だが、普通そうはいかないので各メディアやウエブサイト会社はその情報を個人に売る商売をしている。ウエブなどで見つかるフォークロージャー情報サイトはギリギリの情報まで見せておいて、最後の肝心な住所のところになると有料の画面が登場して買わなければならない仕組みになっている。そして大半がこの手のサイトである。

N.O.D.のあと3ヶ月間のあいだ支払いが元通りにされないと、いよいよN.O.T(Notice of trust deed sale)が来る。この時点でもまだ回復させることができるが、そのN.O.T.にはパブリックオークションの期日が記載されているので最長21日間しか時間がないというステージになる。(この期間やオークションのやり方については各州で違います)

2.ショートセール(Short Sale)はいつ、どのように起こる?

このアメリカでもフォークロージャーという呼び方を正式に使われていないことが多く、ただ単に銀行支払いが遅れ、その銀行から催促状のようなものが届いただけでもIn foreclosureといわれる事もあるが、正式には銀行からNotice of Default(NOD)が届いてそれがパブリックレコード(公的書類)となった時のことをいう。先にも書いたようにNODが出されてから3ヶ月と5日間後にオークションとして処理されるが、ホームオーナーはそれまでにローンの遅れ分や延滞料などを支払えばモーゲージを再度もとの状態に戻す(reinstate)ことができる。しかし銀行側にとってみれば、債権が不良債権化するのでそのようになる約95日間の間に少しのロスを計上してもその方が得策と考える。銀行はロスすることが前提であるので、それをうまく買うことのできる投資家にとってみればお買得ということになる。それがショートセール(Short sale)と呼ばれるもので、銀行にとっても正式な差し押さえの手続きを踏むことがなくフォークロージャーを未然に防ぐことができるので好都合である。そして、持ち主と投資家にとって良いことは、銀行がエスクロー、タイトル、コミッションなど諸経費を支払ってくれることだ。

もし、あなた自身が持ち主であっても銀行と直接掛け合うことも可能だ。ただしこの場合、あなた自身が経済的困難に遭遇しているということを証明しなければならない。例えば 

  • 家族の病気や怪我がが原因
  • 仕事の強制的な転勤命令
  • 職を無くしたことによる収入の低下
  • 離婚
  • モーゲージのアジャストや予期せぬ生活費の大幅な支出

ただし、投資家にとってはよいことだけではなく注意しなれればならない点がいくつかある。例えば
第一抵当のだけでなく第二抵当がある場合(カリフォルニアはこのパターンが多い)は投資家は全ての債権者と交渉しなければならない。100%近く(あるいはそれ以上)借りていれば、当然話がスムーズにまとまらない場合が多い。銀行や債権者もなるべくロスを少なくしたいからである。また、一見話がついたかのように思えても、話合い通りに銀行がやってくれるかどうかも最後の最後まで安心できない。どたんばでひっくり返る話はこの世界ではよくある。


3.REOs (Real Estate Owned)とは?

さて、3ヶ月と5日間の間にホームオーナーも何もできず、そしてショートセールも起こらずいよいよオークションの日を迎えることになった物件はいよいよオークションを迎えることになる。普通はオークションで全ての物件が処理されると思うが、オークションになっても誰も手を上げない残り物件が出てくることも少なくない。この場合は銀行が一時的な持ち主となり、その状態のことをReal Estate Owned(REO)と呼ばれる。不動産投資家によってはREOが一番交渉しやすいという。何故ならば、面倒な銀行と持ち主との折衝がないし、オークションのような不安定要素もない。処理する時に感情がないと事がはるかに進めやすい。銀行は物件の持ち主であっても一般のホームオーナーではないのであるのは数字だけなのだ。

REOの時点で投資家は大きな割引で購入できる場合があるが、同時に裏に隠れている未払いの固定資産税やペナルティにも注意を払わなければならない。しかし、現状においてREOとして売りに出されている物件の価格を見る限り市場価格とそれほど変わらない場合が多い。おそらくそれは私のいる地域が南カリフォルニアのオレンジ郡だからだろう。少し片田舎に行って探せば、掘り出し物物件はゴロゴロしていると考えられる。

最後に、よく一般の人から
「フォークロージャー物件が安く買えると聞いたのですが?」
と質問されるが、素人の人がいきなりプロの投資家の中に入ってこそ「掘り出し物物件」にめぐり合える世界なので、新聞やインターネットで見かけるような「おいしい話」はおいそれとはないということを言っておきたい。ただ私「不可能」といっている訳ではないので、本当に真剣で時間と資金がある方はチャレンジする価値は大いにあると思います。

質問とご意見はdavidleere@gmail.comまで。

FAQ

Q: フォークロージャーに裁判の判決を待つことはないですか?
A: アメリカのフォークロージャー法は州法に基ずくので、州によって違いますが大きく分けてJudicial forclosure(裁判による判決)と Non-judicialと(裁判によらない方法)があります。カリフォルニアは債権者である銀行と借り手の債務者の間に第三者のトラスティーの存在があり、債務不可能な状態に陥ってフォクロージャーになった場合、トラスティーがオークションで売りさばく権限が与えられているNon-judicail stateです。そのオークションのことをTrustee's saleと呼ばれるのはそこから来ています。

Q: フォークロージャーになった場合、他のジュニア債権はどのように扱われるのですか?      A: 住宅を担保にある第二抵当以降の債権は、第一債権が処理されるとそのタイトルからは消えることになります。ただそれが同時に債権がなくなるということではなく担保が無い債権として残ります。ただし固定資産税だけは特別でどの債権よりも上位に扱われます。

Q: なぜ、銀行はショートセールに同意するのか?
A: 次の4つの理由による。

  1. 法的なプレッシャーー銀行は持ち主がその状況を打破しようと改善を試みているときには同じ目的で働き妥協案を見出さなければならない。
  2. ウォールストリートから見られているー一度ファンドされたローンは、銀行はウォールストリートに出せる魅力的な債権のパッケージに仕立てなければならない。そこに不良債権をほっておくことは許されない。
  3. アセットマネジメントの経費が上がるー物件がREOとなって、銀行自身が持ち主となれば当然維持費などがかかってくる。
  4. リザーブ経費ー健全なローンではないNon performing assetsには、銀行は余分なリザーブが要求されている。結果、余分な経費となる。

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