アメリカで起業するために必要な心構え

アメリカで起業をお考えの方へ

アメリカで起業し一旗揚げようという考え方は、何も今さら起こったブームでもなく、日本人であるあなた方だけのものでもありません。 言うなれば「アメリカで起業して一旗揚げよう」という精神こそがアメリカの歴史でありますし、日本の大企業レベルではそれなりに歴史もあり、大きな会社も多くありますが、こと日本の個人レベルの起業家になると、大変マイノリティでパワー不足の感が否めません。 中国人、韓国人、インド人、中近東の人間たちの生き残りパワーは凄く、いつでも逃げて帰れる場所がある日本人は、ハングリー差で負けているのが現状です。

まず認識してもらいたいことは、アメリカは強いもの、頭の切れるもの、度胸のあるもの、金があるもの,我武者羅に頑張りの効く人間だけがのし上がっていけるシビアでエキサイティングな世界です。 これが、私がアメリカ生活17年間中15年間ビジネス世界に身を置き、取分けこの3年間不動産業を通して多くの方の起業のお手伝いをしてきた率直な意見です。 これは何も初めから、皆様の燃えている起業精神に水をさすつもりではなく、それぐらいの心構えが必要だという事を言いたいのです。

そして次に大事なのは英語力です。 英語を話せるだけではなく、英語を通常のコミュニケーションからビジネス交渉まで使いこなせる力が必要です。 これは仕事のレベルが上がれば上がるほど皆様が実感する事になります。 英語でも表面上の意味と本来の意味を遠まわしに表現することが交渉の場面では多く使われ,それをしっかり理解できる事が重要です。 まず以上の心構えを前提に起業方法のお話に移りたいと思います。

アメリカは「新しいことウエルカム」の精神が染み付いているお国柄なので、皆様がなにをもって進出しようが関係ありません。 ただし絶対に忘れてはいけないのは、アメリカのマーケットは世界のどこのマーケットよりも成熟しているという点です。 ということは、モノの売り込み方も、ゲリラ戦法、FAXDM,インターネットDMなどありとあらゆることをやり尽くしている国、商品もないものはないという国なので、何かあったときにでも決して路頭に迷うことがないよう、ご自身の航海の羅針盤となるビジネスプランを用意しておく事が必要になります。 前回の大統領選をみてもわかるようにアメリカは戦略(Strategy)の国なので、思いつきではなく、考えた戦略でゲームプランを進めるというメンタリティが大事です。 いつも日本からこられた方のお話を聞いていると、そのあたりの感覚に乏しい人が多いようです。

私は日本生まれの韓国人なので、韓国人の人生を垣間見るチャンスも多くあります。 韓国の政情が不安定なことと、元来見栄を張る生き方をする人間が多いことから、アメリカ移住希望者があとを絶ちません(ここの出発点が日本人と違います)。 彼らの多くは、本国の土地を売却してアメリカに渡り、生活のために何が何でもビジネスを始めます。 彼らも同じように言葉の問題があります。 
 
また、別のパターンとして駐在で住んでいた人間が本国へ帰らずそのまま居つくタイプ。 彼らは言葉の問題はないにしても、多くは管理職か中間職で、ある程度の年数を会社に飼いならされてきたタイプ。 変にインテリ色もあるので、昔の一世のように体一つでがんばるタイプでもない。 つまり、平たく言えばつぶしの利かないタイプが多いようです。 しかし、彼らはアメリカに残りたい。 そこで何か適当な商売はないものかと地元の韓国新聞を広げてみると、あるわ!あるわ! 10万ドルぐらいで買える商売。アイスクリームとサンドイッチの店、フレッシュジュースの店、ドライクリーナー、リッカーストアーなどなど。 どれもハイレベルな英語を必要としません。 パパ、ママで力を合わせればなんとか食っていける程度の収入が見込めます。 最近では韓国人オーナーのすし屋のほうが日本人オーナーの数より多いとも聞いております。 その職種は身近なものばかりですが、これも立派な起業家としてのスタートなのです。
私には今でも心に悔しさが染み付いていることがあります。 80年代の初め、スターバックスコーヒーがカリフォルニアに進出してくる以前から、私はフレッシュブレッドとカプチーノの店をやって大変流行っておりました。 しかし、結論からいえば私の店は過去の話になり、スターバックスは上場企業となったのです。 その違いは、「未来を描けるビジョンがあったか?」なのです。 たかがコーヒー、されどコーヒーなのです。 詰まり、皆様が何に取り組むにしても、自分なりのビジョン(大きな絵)から入ったビジネスプラン(具体的な行動プラン)を用意する事が必要だと冒頭に言ったのはこの為です。 「私のテーマはこれ! 切り口はこれだ!」というものがあり、そしてビジョンがあれば遭遇するであろう苦労も必ず乗り越えられると思います。 最先端の技術、又ノウハウを持ってアメリカ進出をお考えの方,その業態がどうあれ私は全く同じメッセージを全ての方にお送りしたいと思います。 結局いきつくところはそれしかないからです。

一方、皆様ご存知のようにアメリカで合法的に働くには、永住権か労働ビザ(L,H)、投資者ビザ(E)を取得するしか道がありません。 私は弁護士ではないのでビザに関しての詳しい説明はできませんが、小さな商売で手っ取り早く取得できるのはE-2ビザとよばれる投資ビザです。 これは10万ドルプラス程度の投資をする事により自分で始めたもよいし、既存のビジネスを買っても申請可能になります。 一度取得すれば、そのビジネスを続けている限り何度でも延長できるのが特徴です。 日本人には余り多くおりませんが、韓国人はこのパターンでがんばっている方々が非常に多いようです。

最後に、ビジネスをゼロからスタートさせる場合と、既存ビジネス買収でスタートさせる場合の違いを説明したいと思います。 なぜならアメリカではビジネス売買が大変盛んだからです。 他州にいる私の叔父は、偶然が重なってテリヤキテイクアウトの店の開店屋をやっております。10万ドルぐらいで店を作り、ある程度はやらせ1年後ぐらいに15万~20万ドルぐらいで売却しております。 それを連続してできるほど購入希望者が後を絶たないのがアメリカなのです。 先ほど韓国新聞で不動産エージェントが宣伝している商売の多さについて書きましたが、やはりその道の経験がない人間からすると既存のビジネスを買い取って、そのビジネスを継続するほうがはるかに苦労がすくなくて生活ができるようになります。 何しろビジネスを買う時のチェック項目はそれほど多くなく、売り手がトレーニングをしてくれて、最終的に手元にいくら残るのか? というボトムラインが決め手となるからです。 もし自分でビジネスをゼロから立ち上げるとなるとそうはいかないはずです。 オフィスや店のロケーションの選定、リースの取得、許認可の取得、顧客の開発、宣伝、ビジネスプランの遂行などのサブ仕事で相当な時間とお金そしてエネルギーが必要とされ、開店前からお金はどんどん消えていきます。 各種の雑用の為本来の仕事であるセールスになかなか集中できる時間がとれない羽目になります。 セールス活動についても、アメリカ、特にロスアンゼルス近郊あたりでは日本のように道行く人をプラカードなどで誘導する事は禁止されておりますので、宣伝費も嵩む運命にあります。 その点、既存店やビジネスを取得をすれば自分で作るよりは多少高いが、すでにいる固定客(Goodwill)に対してお金を支払うという考え方で価格設定がされている為非常に明確な投資計画やビジネスプランを持てるようになります。

別の考え方として、低予算で始めることが大前提の方にはアセットセール(設備等の資産価値のみの販売)で買いとる手もあります。 この手の物件は、グッドウイルが入っていないため(既存の商売としての価値はゼロのため)破格の値段で取引される事になります。 ただし値段が安いことだけで飛びついてはいけません。 アセットセールで売られるということは何かの理由があってビジネスが存続できなかったのですから,その理由をしっかり把握してから買うべきか否かの判断を下すようにしてください。 場所が悪いとか、サービスの面だとか、マネジメントが悪いだとか、味が悪いとか,そのビジネス崩壊の理由が色々あるはずです。 その結果,もしマネジメントがゆえに失敗であったと判断できれば、ノウハウに自信がある人であれば買う事をおすすめします。 然しノウハウも何も無い人がみようみまねでやろうとすると98%は1年以内に同じ道を歩むことになります。 私の知り合いは上手く行っていなかったハワイアンファーストフードチェーンを手に入れ、流行らすことに成功いたしました。

以上、簡単にアメリカで起業したい人に対して説明を試みましたが、これはあくまでも個人か資本や人数が限られた小さな会社を対象にしております。 ある程度の会社になれば、当然勝負をする世界が違ってきますのでテクニック的には当てはまらないところもありますが、しかし「まずアメリカで始めるのは大きなビジョン作りから」という基本線においてはまったく変わらないものと思います。

私は不動産業ですので既存店の売買、新規店舗取得等で皆様のお手伝いできると思いますが、その他に移民弁護士、ビジネス弁護士、公認会計士はあなたのビジネスチームの中に必ず必要な専門家ですので、それをお忘れないようお願い致します。

【質問、お問い合わせ先】
デビッド リー David Lee
パーソン不動産 Person Realty, Inc.
(住所) 688 Baker st. Suite4, Costa Mesa, CA. 92626
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