研究紹介

いくつか選んだ論文について森本がコメントつきで紹介します。

高齢出産のためにサルは成長し続ける

Morimoto et al., 2023, PNAS, 120 (30):e2300714120

ちょうど京都市でマラソン大会が開かれている朝に最初の投稿をしました。

学術的な意義に加え、個人的な思い入れのある論文です。この論文の出発点は、「ヒトの女性では、閉経後に骨盤形態が男性化する」という発見です。2016年に発表されたものですが、これは私が博士課程で留学していたスイス・チューリッヒ大学の先生たちが行った研究なのです(出版時に私は日本に戻っていました)。この論文を読んだときから私が抱いていた疑問に答えたのが、本論文です。私の先生たちは既に定年退職していますが、このような形で研究の歴史に1ページを加えられたことは、思いの外大きな喜びでした。

ヒトとは異なり、サルには基本的に閉経はなく、死ぬまで子供を産み続けます。本研究では、日本人に馴染み深いニホンザルをCT撮像し、赤ん坊から高齢期まで、出産の要である骨盤の形態変化を詳細に分析しました。その結果、ニホンザルのメスでは骨盤形態がオトナになっても成長期のように変化し続け、高齢になるほどより出産に適した骨盤になることを発見しました。サルは死ぬまで出産を続けられるものの、高齢になるとホルモンバランスの変化などにより出産のリスクが高くなるといわれています。高齢期に至るまで骨盤形態が変化し続けるのは、加齢による出産リスクの上昇を緩和するためだと考えられます。メスが出産のためにオトナになっても身体的な「成長」を続けるという本発見は、成長は繁殖年齢に達した段階で終了するという従来的な生活史観を覆すものです。

閉経のないサルの研究により、閉経のある我々ヒトの進化に関する重要な示唆も得られました。閉経の影響は様々ですが、ヒトでは閉経に伴い女性の骨盤形態が男性化することが知られています(これが、私の先生たちの発見です)。従来、このような骨盤の加齢性変化は、ヒトだけが獲得した性質だと考えられてきました。これに対し本研究は、骨盤が出産に応じて示す加齢性変化がヒト以外にもあることを初めて示しました。閉経の有無という点では異なっていても、骨盤がオトナの間も変化し続けるという点に関しては、ヒトもニホンザルも同じだったのです。ヒトは一見特殊にみえているだけで、骨盤が出産に応じて示す加齢性変化の進化的起源は古く、サル段階で既に獲得されていた可能性を示唆しており、今後さらに深く研究を進める必要があります。

母と子で「協力して」出産−あかちゃんの頭とお母さんの骨盤の形はベストマッチ−

Kawada et al., 2020, PNAS, 117(35):21251-21257. 

データを取り始めたのが2013年で、出版までに長く時間がかかりました。2020年3月に最初の査読結果が返ってきてから、コロナの状況がどんどん悪くなる中で最後の追い込みを行いました。大変な状況の中仕事を進めてくれた匿名の査読者達には大変感謝しています。内容のほうも、なかなか面白いデータが出せたと思います。自分でも非常に勉強になった仕事です。

ヒトは難産です。これは直立二足歩行に適した骨盤であるため産道が狭いこと、脳の大型化のため胎児の頭が大きいことに起因します。ヒトはどのように難産を攻略しようとしているのでしょうか?この研究では、アカゲザルの胎児の頭の形と母親の骨盤の形が互いに対応しており、難産を緩和するメカニズムになっていることを発見しました。

 ヒトと同じく霊長類の一種であるアカゲザルは、ヒトと同程度に母親の骨盤に対して胎児の頭が大きくなっています。妊娠後期アカゲザルを麻酔下でX線CT撮像し、三次元形態計測、出産シミュレーションなど複数の手法を用いて分析した結果、丸い頭には丸い骨盤、長細い頭には長細い骨盤、というように胎児の頭蓋骨と母親の骨盤の形態が互いに対応(共変動)し、ベストマッチしていることが分かりました。母子間で形態が共変動しているおかげで胎児の大きな頭も産道を通りやすく、難産が緩和されていると考えられます。このような母子間での形態の共変動はこれまで間接的には示唆されてきましたが、実証されたのは初めてです。

本発見は、我々ヒトの進化にも深い示唆を与えてくれます。このような母子間の形態対応メカニズムの出現が、ヒトとアカゲザルの共通祖先段階にまで遡る可能性を示唆するのです。言い換えれば、このような霊長類的起源をもつ母子間の共変動のおかげで、直立二足歩行を獲得した人類は脳を大型化することができたのかもしれません。

出産 ・出生は、誰もが必ず一度は通過する、最も身近な現象のひとつです。本研究をきっかけに、この身近な現象が、人類の進化という壮大な歴史に思いを馳せるきっかけになればと思います。自分にとっては、一人の親として思い入れのある仕事になりました。

ヒトの祖先はチンパンジーやゴリラには似ていない。大腿骨の発生パターンから考える二足歩行の起源

Morimoto et al., 2018, Scientific Reports, 8:1930.

スイス留学時に出した胎児期のデータからさらに発展的に、出生後の成長も網羅した研究です。新聞やyahooニュースなど、日本では初めてメディアに紹介してもらえたことで、一般の人に研究を伝える重要性を認識した仕事になりました。

ヒトと、チンパンジー、ゴリラなど近縁な類人猿は、共通祖先から約1,000万年前以降に順次分化しました。直立二足歩行は、ヒトが共通祖先からの分化後に独自に進化した、他の類人猿と決定的に異なる生物学的特徴です。では、直立二足歩行の前は、どのように運動していたのでしょうか。

ヒトの直立二足歩行の起源に関する有力な仮説の一つに、「ナックル歩行仮説」があります。ヒトに近縁な類人猿は、手のひらを地面につける「普通のサル」とは異なり、「ナックル歩行」という指の背を地面につく特徴的な四足運動をします。ナックル歩行仮説は、ヒトの祖先はナックル歩行をへて二足歩行へと移行したとする考え方です。

この説を検証するために、運動機能の要となる骨格形態の発生パターン、つまり新生児から成体への骨格の形成過程に着目し、X線CT(コンピューター断層)データを用いた独自の形態解析手法により、これまでにない精度で詳細に分析しました。ナックル歩行仮説が正しいとすれば、現生の類人猿の発生パターンには、共通祖先から受け継いだ共通点があるはずです。しかし結果は、「ナックル歩行仮説」を否定するものでした。歩行様式の観察、そして全体的に類似したようにみえる骨格形態から、チンパンジーとゴリラの発生パターンは似ていると予想されていましたが、実は著しく異なる発生パターンをもつことが分かりました。この結果は、直立二足歩行はチンパンジーやゴリラのようなナックル歩行者ではなく、「普通の四足」の類人猿から進化したという説を支持するものです。

さらに、ヒトは他の霊長類にはない、特異的な発生パターンをもつことも発見しました。ヒトは、効率的な二足歩行のために後肢が長くなっていますが、どのようにして脚を伸ばしたのか、その発生基盤についてはよく分かっていませんでした。逆説的に聞こえるかもしれませんが、ヒトが長い脚を実現するために、発生を「進める」のではなく「遅らせている」ことを明らかにしました。

ヒトと大型類人猿の歯の「発生」比較

Morita et al., 2020., Journal of Human Evolution, 138:102706. 

フィールドワーク中に査読結果が返ってきて、宿舎の部屋で森田さんと色々議論したことが思い出される論文です。

口の中に生えている歯を見ると、それぞれサイズが異なることに気がつきます。哺乳類全体でも、臼歯の相対サイズに違いがあり、その違いは、概ね食性と対応していることが知られています。臼歯の相対サイズは、Inhibitory cascade model(以下ICモデル)と呼ばれる発生モデルによって、説明されると考えられています。逆に言うと、すでに完成した歯を見ることで、歯の発生過程を知る手がかりを得られるとも言えます。発生上、第一大臼歯を作ったときのプログラムを少し変化させて第二大臼歯を作り、第二大臼歯を作ったときのプログラムを少し変化させて第三大臼歯を作っています。このため、大臼歯間の形態変化は大臼歯の発生過程を反映していると考えられます。

歯のほとんど唯一の機能は、咀嚼です。咀嚼のために重要なのは、歯の形態です。歯を見るとその表面に凹凸がありますが、この凹凸のパターンは歯種、個体、また種によって異なります。ICモデルは、現生の哺乳類の臼歯の相対サイズをうまく説明する一方で、歯の形態については特に言及していません。この研究では、ヒトと大型類人猿の進化過程を明らかにするために、ヒト、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、オランウータン、テナガザルを用いて大臼歯における大臼歯間の形態変化(Metameric variation)を分析しました。

その結果、食性の違いにもかかわらず、ヒトを除いて大臼歯間の形態変化は一定であることが明らかになりました。これは、類人猿の誕生以降繰り返した種分化において、歯間の形態変化に関する大臼歯の発生パターンが概ね保存されていたことを意味します。一方で、ヒトはこの共通のパターンから逸脱しており、ヒト系統では「特殊な」発生パターンを進化させたことが示唆されました。今後、化石人類で同様の分析を行い、ヒトに特異的な発生パターンがどのように生じたのかを明らかにしていく必要があります。

ヒトの持つ3本の大臼歯はどう違うのか?

Morita et al., 2016, Journal of Anatomy, 229:343-355. 

歯の専門家である、森田さんと初めて一緒に書いた論文です。長骨のために開発してきた形態地図法を、歯に応用するために森田さんと試行錯誤しながら進めました。掲載誌の表紙を飾ることができたのは嬉しかったです。

ヒトは第1、第2、第3と3本の大臼歯が並んで生えています。従来、第1から第3大臼歯に向かって形態は退化する傾向にあるとされてきましたが、変異の幅が大きく、定量的な比較はなされてきませんでした。そこで我々は、長骨の形状解析に用いられていた形態地図法を大臼歯に応用し、ヒト上顎大臼歯間の形態変異パターンを定量化しました。その結果、第1大臼歯から第3大臼歯に向かってi)形態的勾配が存在すること、ii)変異が大きくなること、iii)サイズに相関して第1大臼歯の形態へと収斂する傾向があること、を示しました。これらの結果は、近年理解が進んできている活性因子–抑制因子メカニズムに基づく発生学的なモデルからも整合的に説明できることがわかりました。

大腿骨の形態は生まれながらにして異なっている。ヒトと大型類人猿の大腿骨形態比較

Morimoto et al., 2012, PLoS ONE, 7:e41980. 

骨の機能形態を読み解くには、進化的適応、発生プログラム、そして生体内でのリモデリングといった種々の要因を多角的に検証する必要があります。

骨の形を解釈する上で常に問題になるのが、環境要因、つまり、生まれてからの運動による形態変化です。有名な例はテニスプレイヤーの腕の左右差でしょう。この問題を解決するために、生まれる前の形態に着目しました。

出生後の運動の影響のない、「純粋な」形態を比較するために、ヒト及び類人猿の胎児標本を集め、歩行機能の要である大腿骨形態を形態地図法(Morphometric Mapping)を使って比較しました。その結果、歩行様式の類似したチンパンジーとゴリラとでは大腿骨形態が異なること、ヒトとチンパンジーとはゴリラ・オランウータンと比べると類似した大腿骨形態を示すことが明らかとなりました。この特徴は、ヒトとチンパンジーが分岐する前、共通祖先の段階で獲得されたものだと考えています。このことから、ヒトとチンパンジーの共通祖先段階ですでに大腿骨の発生プログラムに変容があり、部分的には二足歩行へつながる適応が起きていた可能性が示唆されました。

おしりのバーチャル解剖

Morimoto et al., 2011, Anatomical Record, 294:1433-1445. 

初めて掲載誌の表紙を飾ることができた点で思い出深い論文です。

大腿骨の形態学的特徴は、化石人類における筋肉のつき方、そして歩行様式を復元する上で重要です。しかし、ヒトと近縁種である大型類人猿については、骨の形態と筋肉のつき方の対応関係が明らかになっておらず、大腿骨に関連する筋骨格形態の進化過程は不明でした。従来の「リアル」な解剖手法では、骨と筋肉を同一個体で観察するうえで限界がありました。本研究では、法医学の分野で用いられている「バーチャル解剖」の手法を取り入れ、ヒト及び類人猿において骨と筋肉の「同時観察」を行いました。特に、歩行機能において重要な大殿筋という筋肉と、その筋肉が付着する大腿骨の表面形状の観察を行いました。その結果、従来類似すると考えられていたチンパンジーとゴリラとでは大腿骨形態と筋肉の対応関係が異なっていることが明らかになりました。これにより、大型類人猿をまとめて原始的、ヒトは派生的とする従来の仮説が必ずしも正しくないことが示唆されました。

この論文には後日談があります。出版後、この論文で扱った形質に最初に着目したラブジョイ先生達から反論がありました。その後、両陣営で共同研究を行い、一緒に論文(Morimoto et al., 2015, J Anat 226:258-267)を書くことになったという、非常に勉強になった仕事です。

また本研究については、以下の本で紹介させていただきました。

ウルフの法則の検証:野生下と飼育下のチンパンジーの大腿骨の形態比較

Morimoto et al., 2011, Anatomical Record, 294:589-609 

スイスに留学して出した最初の論文です。

骨の機能形態を読み解くには、進化的適応、発生プログラム、そして生体内でのリモデリングといった種々の要因を多角的に検証する必要があります。この研究では、特に生体内でのリモデリング(in-vivo bone modification or adaptation; いわゆるウルフの法則)を検証しました。形態地図法(Morphometric Mapping)を用いて、同種だが移動様式(ロコモーション)のパターンが異なる、野生下と飼育下のチンパンジーという2群間で大腿骨骨幹の成長パターンを比較しました。この解析により、大腿骨の骨幹形態の成長パターンは、2群間で統計的に区別できないという結果が得られました。これはウルフの法則による予想とは異なる結果でした。これにより、大腿骨骨幹の形態は、ロコモーションによるin-vivo負荷よりも、遺伝的に定義された成長プログラムにより強く支配されていることが示唆されました。また、野生群ではどの形態パラメータでも変異が飼育群よりも大きく、in-vivo負荷は変異の幅を抑制する(成長パターンを変えてしまうのではない)効果があることを示しました。

この研究を行うために、「形態地図法」という手法を開発しました。長骨は歩行機能の要ですが、その骨幹の形態的特徴は微細なため、既存の手法では定量的にその形態を比較することができませんでした。この問題を解決するため、形態地図法(Morphometric Mapping)という新規手法を開発し、これまで不可能だった微小な形態変異の解析を可能としました。これにより、ヒトと類人猿で大腿骨の形態を比較するなど、進化的な問題へのアプローチの幅が大きく広がりました。

胎児期におけるヒト頭蓋骨の形態変化

Morimoto et al., 2008, Journal of Anatomy, 212:627-635 

修士論文の内容が元になった論文です。

頭蓋の形態変異の大部分は、成長の初期にはすでに決定付けられていると考えられています。世界的にも非常に貴重な、京都大学医学部先天異常標本解析センターの所蔵するヒト胎児コレクションを用い、胎児期における頭蓋骨の三次元形態の発生パターンを解析しました。胎児期には、骨間の相対的な成長速度の差異と位置関係の変化により、出生後とは異なる特異的成長パターンを示すことを明らかにしました。

【古生物学】アンモナイトはなぜ絶滅したのか?絶滅種の基礎代謝を測る

Tajika et al., 2020, Scientific Reports, 10:2950. 

アンモナイト研究を、形態計測という解析面からお手伝いさせていただきました。以下は筆頭著者のアメリカ自然史博物館・田近周研究員による解説です。

本研究では,アンモナイト類,オウムガイ類,内殻性のイカ類の気室(殻の中で部屋に分かれた部位)の成長に注目し,それぞれのグループがどのような気室体積成長パターンを持っているのかを分析しました.分析の結果,イカ類の成長パターンは現生のオウムガイ類の成長パターンと大きく異なり,それはグループ間の基礎代謝の違いがもたらしている可能性を示唆しました.アンモナイト類もイカ類と同様の成長パターンを示したことから,アンモナイトもイカ類のような高い基礎代謝を持っている可能性を示しました.本研究は,未解明であった絶滅動物アンモナイトの生理学的側面を示唆する初めての知見となりました.また,このアンモナイト類の高い基礎代謝が,白亜紀末の大量絶滅事変においてアンモナイトを絶滅に追いやった要因の一つであることを示しました. 

【古生物学】「種」とは?アンモナイトの種内変異

Tajika et al.. 2018, Paleobiology:1-13. 

アンモナイト研究を、形態計測という解析面からお手伝いさせていただきました。以下は筆頭著者のチューリッヒ大学・田近周研究員による解説です。

古生物学における動物の分類において「形態的種内変異」は重要な概念です.なぜなら種内変異は種を同定する際に必須となる要素であるからです.しかし,絶滅頭足類であるアンモナイト類の分類学的研究においては,種内変異が議論されることはまれであり,その結果,アンモナイトの多様性の評価が正しく行われているのかについては頻繁に議論となってきました.本研究では,現生オウムガイ類を中心に,アンモナイト類,ベレムナイト類の成長に伴う種内変異を定量的に解析し,頭足類の種内変異のパターンに一般則はあるのか検証しました.CTスキャンを用いた3次元形態計測から現生オウムガイ類の成長に伴う種内変異を解析した結果,種内変異は成長に伴い著しく変化することが明らかになりました.また種内変異は成長初期で大きく,その後成長中期まで減少し,成長後期では再び大きくなる傾向があることがわかりました.古生代のアンモナイト類,ジュラ紀のベレムナイト類も同様の種内変異パターンを示したことから,この種内変異のパターンは頭足類の複数のグループ内に共通であることがわかりました.

【古生物学】アンモナイトはどんな姿勢で生活していたのか?

Tajika et al., 2014, Hist Biol:1-11. 

初めてアンモナイトの研究に関わった点で思い出深い論文です。

チューリッヒ大学の古生物学者のアンモナイト研究を、3次元モデリングという解析面からお手伝いさせていただきました。以下は筆頭著者のチューリッヒ大学・田近周研究員による解説です。

アンモナイトは、デボン紀から白亜紀末までの3億5千年にも渡って繁栄した螺旋状の殻をもつ頭足類(イカ・タコの仲間)です。この研究では、アンモナイトの浮力を解析するため、またアンモナイトの殻口に形成される奇妙な突起の機能を突き止めるために、物理研磨による断層写真法 (grinding tomography)を用いてアンモナイト(約1.7億年前の個体)を3次元的に復元、解析しました。その結果、復元した3次元モデルから、アンモナイトは殻に蓄えている液体の量を調節し、水中で浮かび上がりもせず沈みもしない、中立浮力に到達できたのではないかということが示唆されました。また、突起の形成はアンモナイトの生息姿勢、移動方法に影響を与えるものではなかったということがわかりました。私達は、過去のいくつかの研究で示唆されているように、突起は交尾時に捕食者からの身を守るための防御機構なのであったのではないかと考えています。