1.テレビがあっても、それだけでは払う義務なし/罰則規定はない

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【ポイント!】 
■ まず、トップページ「放送法64条一項」は必ず目を通して下さい。
■ 放送法上、TVを設置すると「NHKとの契約義務」が生じます。但し、これは税金のような「支払い義務」とは異なるものです。
■ 設置しても、契約してなければ払う必要はありません。逆にTVなくても契約してしまうと民法上払う責務が生じる可能性も。
■ テレビをただ持っているだけでは、NHKとの契約義務は生じません。契約が必要となるのは「設置」 した場合です。
※「NHKを見てる、見てない」は関係ありません。NHKを見てなくてもテレビが「設置」されていれば契約義務が生じます。
「設置」とは「NHKの放送を恒常的に視聴可能な状態にすること」。従って視聴できないなら、契約の必要はありません。
■ 「放送の受信を目的としない受信設備」なら設置しても契約の必要なし。DVD再生専用ゲーム専用ディスプレイなど。
■ 「アンテナ線非接続」のテレビなら、二重の意味で契約の必要はありません。(詳しくは本文参照)
■ TVを設置していて契約しなくても罰則規定(罰金含む)はありません。NHKが未契約世帯に手出しすることは不可能です。
■ 但し契約して支払を滞納すると民事訴訟を起こされて裁判所に支払いを命じられたり差押えをされる可能性は有ります。
「払わないと差押えされる」という書き方で、わざと混同させて不安を煽るサイトがありますが、未契約者は関係ありません
未契約者でも契約要求を拒否すると訴えられる、というのは「BSテロップ消去」を申し込んだ世帯限定の特殊事例です。


❏1.消費者としてまず理解しておくべき「受信料」の基本的性格


放送法で決まっているのはあくまで「契約義務」。「支払い義務(納付義務)」ではない

放送法64条では、「NHKを受信可能な受信設備を設置した者はNHKと契約しなければならない」(→※1と定めています(「NHKを見てる見てない」は関係ありません。このレベルの議論は当サイトではネグります)。ただし、これはあくまでも「NHKとの契約義務」であり、「NHKへの支払い義務(納付義務)」ではありません。テレビがあるからと言って、いきなり受信料を払わなければならない状況が発生するわけではないのです。

つまり、テレビがあろうとなかろうと、NHKと契約さえ交わさなければ、受信料を支払う責務など、金輪際発生しないということです。

もちろん、契約関係が成立すれば(→※2、契約時に合意した内容に沿った額を支払う責任が生じますが、これは放送法上の義務ではなく、一般的な民事上の債務です

逆に、たとえテレビが家になくても、間違ってNHKと受信契約手続きをしてしまい契約関係が成立すれば、解約(または契約取り消し)手続きをしない限り、民法上、受信料を支払う責務が生じてしまう可能性も考えられます。(→※3

ちなみに「税金」の場合、これは「民事上の債務」ではなく、払うことは「税法上の義務」であり、「脱税」は刑事罰の対象となります。もちろん「契約」などという手続きも存在しません。一方、電気・ガス・水道などの公共料金、さらには、電話、プロバイダー、家賃などなど、あらゆる民間同士の契約を通じて発生した料金は全て「民事上の債務」です。払わなくても法律で罰せられることなどありませんが、「契約不履行」となれば契約を解除され、最終的には民事訴訟を起こされて裁判所から支払い命令がくることになります。

契約を交わせば、受信料も「民事」で扱われるので、電気や電話や家賃などと同じで、払わなくても民事上の「契約不履行」にすぎず、刑事罰や行政罰が下されることはありません。ところが受信料の場合、なぜか契約不履行者であっても供給を止められたり契約関係を打ち切られたりすることもなく、一方的に「商品の送りつけ」が続いてダラダラと債務が増え続けること、そして、契約開始が(変則的な)義務制だということ、この2つの点において、他の「契約」にはない極めて特異かつ曖昧な性質を持っています。(専門的な言い方をすれば、「公法(ここでは放送法)」と「私法(民法)」がゴチャゴチャになった扱いをされています)

それにより、なんとなく税金と同じような、払わないと法律上のペナルティがあるかのような錯覚を抱きがちですが、放送法に「罰則規定」など存在しないので、契約を拒否しても何も起こりません※4) 。もちろん、契約してるのに支払いを滞納すれば、最終的にNHKに民事訴訟を起こされて、負ければ裁判所から支払命令がくる可能性がありますが(※5)、それでも、最大で過去5年分(地上契約なら約8万円)を払わされるだけです(※6)


※1  NHKが公式に「受信契約が必要だ」と主張している「受信設備」とは、「普通のテレビ」の他に、 「ワンセグ(orフルセグ)付スマホ・タブレット・ガラケー」 「ワンセグ(orフルセグ)チューナー付PC」 「ワンセグ(orフルセグ)チューナー付きカーナビ」などです。(ちなみに当サイトでは、「ワンセグ」で受信契約する必要は全くないと考えています。 参照→「3.ワンセグで契約させる根拠は怪しい」
インターネットに繋がっていても、ワンセグ/フルセグのチューナーが搭載されていないパソコンや、i-phone のような「ワンセグ非搭載」のスマホ なら、NHKが勝手に策定した基準に基いてですら、受信契約を結ぶ必要はありません。 この辺の区別が苦手な人も少なくないようで、悪質な集金人に「PCありますか?携帯ありますか?あるなら契約して下さい」などと詐欺られて、必要もないのに契約させられたという話もよく聞くので要注意。 ※補足 「何をもって『放送』というのか?」を、この頁の一番下でまとめています

※ 2 どの時点で「契約が成立した」ことになるのかについては、これも曖昧で、ケースバイケースな部分はありますが、一応当サイトでは、書類に押印やサインした後、1回目の料金を支払った時点という立場をとっています 参照→ 「9・クーリングオフと契約追認行為」

※ 3 もちろん、「テレビはない/設置していない」と言ってるのに、集金人に「それでも義務だ」とウソを言われて契約させられたなら、これは完全に詐欺ですので、NHKなり警察なりにそのように主張すれば、支払い義務は発生しません。また、「ワンセグ携帯のみ所有」の人や、レオパレスなどの家具付き賃貸住宅の入居者には契約義務はないのですが、「契約義務がある」と言われて契約させられた場合は、民法90条の『公序良俗に反する契約は無効』の規定にもとづき、契約を無効とすることが可能です。(受信契約させられたレオパレス入居者が契約無効求めてNHKを訴えた裁判では、実際にこの理屈が採用されて、「契約無効」とNHKに受信料の返還を命じる判決がでています。

※ 4 未契約者でも、契約を拒否するとNHKに民事裁判を起こされる場合がある、などという話は基本的に嘘です。また、集金人がこれを言って契約を迫る手法は「脅迫罪」になります。 参照 「14.受信料裁判の傾向と対策」

※ 5 裁判所からの支払い命令まで無視すれば、差押さえを食らいます。実際にそういう例もあるようですが、裁判所を無視すれば当たり前の話です。結果だけを抜き出して「受信料を払わないと給料を差押さえられる」などと思わせぶりに言うことで、未契約の情弱さんをビビらせようとしている、NHKの意向を汲んでいると思われるサイトがあるので注意して下さい。未契約者は関係ありません。

※ 6 「時効」についての最高裁判決が確定したため滞納した受信料を過去に遡って支払わせることができる期間は、最大5年だからです。ただし「時効の援用」は滞納者が自分からNHK又は裁判所に主張することが必要です。黙ってても向こうから時効を適用してくれたりはしません。また「債務の承認」による「時効の中断」にも要注意です 参照 「14.受信料裁判の傾向と対策


「受信料を払わないとどうなるの?」と聞く前に「契約しなきゃダメかどうか」を考えよう。

「払いたくないんだけど、やっぱり払わないといけないの?」「払わないとどうなるの?訴えられるの?」。相談サイトなどで、こういう表現を使う人をよく見かけます。こういう人は、おそらく、「見てもいないNHKなんかに大切なお金をとられたくない」という思いだけが先行しすぎて、上に書いたような「契約」というプロセスの存在を認識していないか、認識していても、ぼんやりしたものになってしまっていると思われます。

一方、NHKの集金人(地域スタッフ)も、訪問先で「契約」という言葉は極力使わず、「お手続き」だとか「ご登録」などの意味不明な言葉を使ってきます(NHK本体の指導のようです)。放送法には「契約」と書かれているにも関わらず、です。NHKは、わざと「契約」という言葉を避け、かと言って未契約者にいきなり「お支払い」と言うわけでもなく、このあたりを敢えて曖昧にすることで、何かを誤魔化そうとしているのでしょう。

「どっちみち最後は『決まりだから払わなきゃならない』ってことになるんだから、同じことだろ。」と思う人もいるでしょう。また、NHKの受信契約というのは、民間同士の一般的な契約と違って、非常に曖昧かつ特殊なものであることは上で述べた通りです。しかしながら、どうもこの、「契約」という概念をすっ飛ばした「払う、払わない」の短絡思考、基本的なところの無理解、誤解、雑な説明 が、様々な混乱や誤った対処法を生み出す原因になっているように思えてなりません。

「NHK受信料」に関して不条理、不信を感じ、何か有効な対策はないかとこのサイトを訪れた方は、まず、「何が法律で決まっていることで、何が決まっていないことなのか?」「義務って言うけど、何の義務なのか?」「どういう場合にその義務が発生するのか?」といった基本的な知識、大前提をきっちり押さえてほしいと思います。

そして、「『不払い』とよく言うけれど、それは、『契約しないこと』なのか、それとも『契約してるのに支払いを中止すること』なのか、あるいは『解約すること』なのか、それとも『契約は無効だと主張すること』なのか…などといった基本的なケース分けがあることを理解し、その中で、自分がやろうとしているのはどれなのかを見失わないよう、常に頭の中を整理しつつ読み進められることをお願い致します。


❏2.TVが家にあるだけでは契約義務なし。「設置」がポイント


NHKとの契約義務が発生する「テレビの設置」とは?

放送法64条を根拠とする、NHKとの契約義務が生じる要件は、「テレビの所持」ではありません。「テレビの設置」です。このこともまた、受信契約に関する議論を進める上で最も基本的かつ重要なポイントです。

NHK関係者はたいていの場合、「設置」されているかどうかの確認や「設置」についての説明、それに後述の「放送法64条の但し書き」についての説明もロクにせず、「テレビがあるなら払う義務があると法律で決まっています」とだけ言ってくるので注意が必要です。(というか、このような発言を伴う契約要求は、詐欺及び弁護士法違反《非弁行為》に該当すると思われます)

では、実際には、どういう場合に「設置」したと判断されるのでしょうか?

放送法に「設置」を定義する記述はありません。しかし、NHKや総務省の「見解」によると、「NHKの放送を受信できて、なおかつ視聴できる状態にすること」を指すようです。なので、明らかに設置状態にないテレビの例としては、購入時と同じ状態でダンボールにしまわれたままのテレビなどが考えられます。(ここまでは、筆者の住む地域を管轄する営業センターのNHK職員も認めていました)

さらに、ダンボールからは出されていても、アンテナ線に繋がっていなければ、NHKの放送を視聴することはできないので、「設置」されておらず、理屈の上からはNHKと契約する必要は生じないはずです。(→※7

このような「契約の必要性が生じるタイミング」「アンテナの扱い」については、「ビジネスジャーナル」というネットメディアがNHKふれあいセンターに問い合わせをして回答を得ているようです。回答したNHK職員の用語の使い方が雑なため、やや混乱を招く面がありますが、趣旨は理解できるし、それなりに参考にはなるので、以下に転載します。

--受信契約は、どの時点で開始になるのでしょうか? 

(NHKふれあいセンター)放送法では、世帯様にテレビが設置され、かつ視聴環境が整った時点と定められております。ですので、例えば新規にテレビが設置されても、その世帯様にアンテナがまだ整備されていない場合などは、契約開始になりません。
放送法64条の明文規定とNHKの「見解」、「設置の定義」などがゴチャゴチャになった答え方です。「視聴環境が整った時点」という表記は放送法にはなく、これはNHKによる「設置の定義」についての「見解」です。また、「アンテナがまだ整備されてない」というのが「アンテナ本体」のみを指すのか「アンテナケーブル」も含むのか、曖昧な答え方につき不明です)

ただし、アンテナケーブルがテレビと繋がれているとしても、屋外に取り付けられているアンテナが、「スカパー」などの「CS放送専用アンテナ(BSは受信不可)」のみであるなら、NHKの放送を受信することはできない(「協会の放送を受信できる受信設備」たり得ない)ので、契約の義務は生じません(これについてもNHKは認めています)。なので、ベランダにパラボラがあることを理由に集金人が契約を求めてきたなら、「あれはCS専用アンテナなのでNHKは関係ない。地上波のアンテナは繋いでいない」というふうに言えば、それ以上契約を求める正当性はなくなります。レアケースかとは思いますが、放送法64条の考え方を正しく理解するためのモデルケースとして例示しておきます。

なお、「アンテナ線非接続」については、後述の「放送の受信を目的としない受信設備」にも関係してきます。


※7過去にマクドナルドが、経費節減のため全店舗のTV受像機のアンテナケーブルをはずすよう通達を出したことがあるようです。


「設置」されてるかどうかの線引きはテキトー。NHKの言い分は、ほとんどが勝手な解釈

ただ、どの時点で「設置(=視聴環境が整った)」とみなすかについては、NHKの担当者によって見解や対応がバラバラで、担当者によっては「室内に置かれているがアンテナ線が繋がっていないテレビ」を「契約の必要のないテレビ」とは認めないことも多いようです。この場合の彼らの言い分は、「アンテナ線に繋がっていなくても、屋外にアンテナがあって、家の中にテレビがあるんだったら、すぐにアンテナ線を繋いで放送を見ることができるはず。なので契約の義務がある」ということになるようです。

もちろん、こんなことは放送法のどこにも書いていおらず、NHKの勝手な裁量・判断にすぎません。それに、どういう状態ならば、「すぐにアンテナ線を繋いで放送を視聴できる」と判断され、どういう状態なら「すぐには視聴できない」と判断されるのかについて明確な基準が示されてるわけでもありません。また、裁判所の判例があるわけでもありません。例えば、テレビが居間に置かれていても、アンテナケーブルを捨ててしまって家にない場合、放送を視聴するには電器屋にアンテナケーブルを買いに行かねばならず、「すぐに」放送を視聴できる状態にはできません。こういう場合はどう判断するのかなど様々な疑問が生じます。(→※8


※8 ちなみにNHKは、アンテナケーブルはリモコンの電池などと同じ「消耗品」であるため、家にケーブルがない期間(そのために視聴できない期間)が生じても、テレビを設置していないことにはならない、などと答えているようです。もちろん、何の根拠もないNHKの勝手かつ強引な、ほとんど思いつきに近いような解釈です。一般に消耗品というと、「耐用年数1年程度」のものをさしますが、アンテナケーブルが1年でヘタって交換が必要になったなどという話は聞いたことがありません。それどころかテレビの本体よりもはるかに耐用年数は長く、屋内で使っている限り、半永久的に使えるものと考える方が自然なはずです。それともNHKの局内および職員の家庭では1年で腐食がすすんで交換が必要になる特種な素材のアンテナケーブルを使用しているのでしょうか?


「放送の受信を目的としない受信設備」ならば、契約の必要なし。

「設置」を巡る論点とは別に、放送法64条一項の「但し書き」では、「放送の受信を目的としない受信設備」であるなら契約の必要はないと定めています。しかし、どういう場合に「放送の受信を目的としない」と判断されるのか明確な規定はなく、NHK(及びお仲間の総務省)は、この規定を自分たちの都合のいいように解釈し、恣意的な運用をしているのが実態です。(→※9

このため現状では、一般家庭のテレビ受信機を「放送の受信を目的としていない受信設備だ」と主張しても、NHKが素直にそうだと認めることは、まずありません。(なので、法律的会話力が高くない人、弁の立たない人が、契約を拒否する理由として、「放送の受信を目的としないうんぬん」を持ち出すことはお薦めしません)

しかし、数年前までNHKの公式サイトに掲載されていたQ&Aを見てみると、NHKは、「放送の受信を目的としない受信設備」について以下のような見解を持っていたことが分かります。

Q 市販のテレビをビデオテープ再生専用に使用する場合、受信契約は必要か。

◯放送法では、「放送の受信を目的としない受信設備」であれば、受信契約を必要としないことになっています。ビデオテープの再生にテレビを使用する場合は、「放送の受信を目的としない」かどうかで、受信契約の要否を判断することになります。まず、ビデオテープの再生のために使用することが多いといっても、アンテナを取り付けていたり、アンテナ端子へ接続していれば、放送を受信する目的が推定されます。この場合は、受信契約の対象となります。
一方アンテナを取り付けていなかったり、アンテナ端子に接続していない場合、または事業所において職員の研修専用で使っている実態がある場合など明らかにビデオテープ再生専用であれば受信契約の対象外となります。
◯いずれにせよ、担当の者がお伺いした上で最終的に判断させていただくことになります。

つまり、ビデオテープ再生専用であれば「放送の受信を目的としない」受信設備であり、そう判断する基準は「アンテナ端子にアンテナ線が接続されていないこと」であると、堂々と答えているのです。なお、これと同じ記述が、流出したと思われるNHK内部向けの想定問答集にも見られます(該当箇所は3頁目の12)。
(※現在では、「ビデオーテープ」という記録メディアはほとんど姿を消したので、DVD再生やゲーム専用機に置き換えても変わりないことは言うまでもありません)

ちなみに、現在のNHKサイトの「よくある質問集」では、なぜか上のQ&Aはまるまる消えています。
しかし、放送法64条の文言は、1968年の改訂(ラジオが対象から除外)を最後に、一度も変更されていないので、旧「質問集」が一般に公開されていた数年前と現在との間で「放送の受信を目的としない受信設備」を巡る法律の条文上の背景が変化したということは一切ありません。

なのに、NHKのウェブサイトだけがシレっと「改訂」されているのです。言うまでもないことですが、NHKのサイト上の記述が変更されたからといって、その論拠となる法律が変更されていないのであれば、一般国民がとらなくてはならない行動に変化が生じるわけはありません。

結論として・・・、

テレビをゲームやDVD再生専用などとして使ってる人は、(地上波やBSのアンテナ線が繋がっていなければ)数年前までNHKが公式サイトで示していた見解に従って、放送法64条の「但し書き」を理由に堂々とNHKの契約要求を拒否できる。(→※10) といういことになります。

ところで、旧サイトには「いずれにせよ担当者が見て判断する」などと書いてありますが、笑止千万です。そもそも法律上、利害関係のある片方の当事者にすぎないNHK自身に、契約義務があるかどうかの「最終判断」を下す権限など与えられていません。もちろん「家宅内調査」をする権限などあるわけもありません。もしそんなことを要求してきたら「応じる必要はありません。どんな権限があってそんなことを要求するのですか?」と言って、キッパリと拒否しましょう。


※64条「但し書き」の極端な解釈はやめましょう。

 受信料制度に批判的な人の中には、TVは設置(NHKや民放が視聴可能な状態に)しているけど、自分の「内心」で、「俺は放送の受信を目的としていない」と思ってさえいれば、64条「但し書き」の「除外対象」となり、契約義務はなくなるはず」と主張している人がいます。

また、「但し書き」にある「『放送の受信を目的としない受信設備』とは、「NHKの放送の受信を目的としない受信設備』のことである」と、勝手に言葉を足して解釈して、「民放をみていても、NHKの放送を見る目的でなければ、NHKとの契約義務はなくなる」という主張をする人もいます。

さすがにこういう子供じみた主張はやめた方がいいでしょう。こんな主張をしても法律の考え方の基本が分かってない情弱だと逆にナメられるだけだし、仮に裁判でこんなことを主張しても100%負けます。なんでか?と言われると、放送法がどうこう言う以前の一般的な法律の解釈・運用についての「そもそも論」になってしまうので書きませんが、まあ法律の実務、実際の運用というのはそういうものでしょう。常識の問題だと思います。(意外とこれに納得できない人が多いようなので→※11で補足します


 ワンセグ付き携帯」については「放送の受信を目的としない受信設備」であると考えるのが自然でしょう。「内心」の問題だけでなく「外形的」にも通常のテレビとは明らかに構造が異なる、放送の受信を目的としていないデバイスだし、客観的にみた購入目的も、放送の受信目的ではないと考えるのがごく常識的だからです。 参照→ 「3.ワンセグで契約させる根拠は極めて怪しい」

※9  放送法64条の「放送の受信を目的としない受信設備」について、NHK(及び総務省)は、一般家庭でDVD再生やゲーム専用モニターとして使われているテレビやワンセグ付携帯がこれにあたると素直に認めることはまずありません。しかし、その一方で、次のようなケースでは「但し書き」を適用し受信料を免除しています。それは「テレビ局(民放を含む)の建物内にあるテレビ受像機」や、「家電販売店の店頭に展示販売品として設置してあるテレビ受像機」です。どちらも実際に放送を受信しているにも関わらず、NHKの側から、「あれは電波状況や画質をチェックする目的であって、受信を目的とはしていない」と強弁するという、日本語的にも破綻した、強引かつ極めて恣意的な法律の解釈、適用です(「番組の視聴を目的としていない」ならまだ分かりますが)。テレビ局も、家電量販店のテレビ売り場も、NHKと共通の利害を持った「身内」であり、その現場から受信料をとると色々軋轢が生じるため、このような国民をバカにした法律解釈をしてお茶を濁しているようです。NHKの決まり文句「公平負担」が聞いて呆れます。

※10  あくまで「契約を拒否しましょう」です。すでに契約してしまっている人が、こういうロジックで「解約」を求めてもNHKは決して応じませんので念のため。また、新規契約を拒否する場合でも、家に来た「集金人」にこういう緻密な理屈を説明しても、頭が悪くて全く理解できず、「とにかくテレビがあるなら契約が義務です」としか返ってこない場合も多いので、そこは覚悟しておいて下さい。

※11 なぜなら、まず、「内心の思い」だけで「放送の受信を目的としていない受信設備」だと認めたりすれば、放送法64条そのものが、事実上、無意味化(空文化)されてしまうからです。つまり、受信契約は最初から義務でなく任意だったということになってしまうわけで、そんな解釈が通ったならば、受信料制度やNHKの存在はその瞬間に崩壊してしまいます(このサイトも、そのことだけ指摘しておけば、あとの記述は一切必要なくなりますw)。
放送法に限らず、「但し書き」や「別項」の記述を用いて本項の規定を無意味化するような条文解釈を、司法が採ることは絶対にありません。
次に、「放送の受信を目的としない受信設備」を、「NHKの放送の受信を目的としない受信設備」だと解釈した場合も、同じことになります。現状、「NHKだけが映らないTV受信機」は存在しないので、「放送の受信…」を「協会の放送の受信…」と限定して解釈する意味がそもそもありません。「民放は見てるけど、NHKの放送の受信を目的としていない」などと主張しても、民放の番組を見ているということは、外形上、NHKも視聴可能な状態にあることに変わりないわけで、結局は「内心の目的」の議論に戻ってきてしまいます。もちろん、「いや、内心だけでなく実際にNHKはみてない」などと言ったところで、これも無意味であることは言うまでもないでしょう。「見てるみてないは関係なく、NHKを視聴可能な状態(=受信設備を設置)にあるならば、契約義務が生じる」というのが、放送法64条の「立法主旨」であること自体は、過去の判例などをみても否定しようがないからです。


NHK職員は法律に書いてあることと書いてないことをゴチャ混ぜに話し、煙に巻くプロ

ただ、NHKは、上記のように放送法上、曖昧になっていたり、自分たちに都合の悪い記述になっている点について指摘されると、必ず、NHK独自の判断・解釈と、法律の明文規定とを、巧妙にないまぜにして論点をすり替え、さも自分たちの言っていること全てが法律で決まっていることであるかのような説明をノラリクラリと続けて煙に撒いてきます。彼ら(NHK営業部門の正規職員)のスキルの本質とは、放送法の権威を笠に着て、あることないことを言ってNHKとの契約は全ての国民の義務であるかのように錯覚させることだと言っても過言ではないでしょう。放送法の知識もしくは法律的な思考能力を持ち合わせていない平均的な市民が、こういう連中と放送法の解釈を巡って議論し、言い負かすのは容易なことではありません。

なので、ある程度の放送法の知識があり、NHK関係者の詭弁やすり替え、錯誤誘導に押し切られないだけの論理的な会話能力に自信のある方以外は、契約を拒否する手段として「設置の定義」や「アンテナ線うんぬんの話」には踏み込まない方が無難かもしれません。

じゃあどうすればいいのさ?とお考えのアナタ。答えは以下に続くページの中に必ずあるはずです。あなたが置かれた状況に合致する項目のページをじっくり読みこんで、ご自分最も適した方法を各自、 感じ取ってください。同じ環境でも、答えは一つとは限りません。(→※12


「罰則規定」 について

放送法に 「罰則規定」はありません。つまり、仮に受信設備を設置していてNHKと契約せずとも、罰則(=刑事罰《罰金を含む》)を科されるということはありません。ただし、契約していて支払いを滞納すると、NHKに民事訴訟を起こされて滞納分を請求されることは実際にあります。(⇒ 13. 受信料裁判の傾向と対策



※12 ちなみに、筆者宅ではどうしているかといいますと、テレビは所有していますが、NHKとは契約していません。なぜなら放送法には受信設備の「設置」の定義はなく、また、NHKが、「設置」に関する見解について積極的な公告や周知徹底をしている様子もないため、「私なりの解釈」でウチの受信設備は「設置状態にない」と判断しているからです。なのでNHKの集金人が来た時は堂々と「設置していません」と答えています。また、ウチの受信設備が設置状態にあるか否かについて、わざわざNHKに問い合わせて彼らの判断を仰がなければならないという法律上の義務もありません。もちろん、質問に答えなくてはならない義務もありません。したがって、私は一切、うそはついていないし、法律に違反することもしていません。ご参考までに。



※1の補足 何をもって『放送』というのか?

 「何をもって放送というのか」についてゴチャゴチャになってる人が想像以上に多いようなので、ここで整理しておきます。

近年、放送法が改正されて、「放送」の概念は伝送系路を電波(放送波)とするものに限らなくなり、CATVや光回線などでもNHKの番組が視聴できるならば「放送」とみなされ、受信契約の対象になると規定されました。これを「同時再送信」といいます。

しかし、そこでいう「NHKが視聴可能」とはTV放送と全く同じNHKの編成が24時間リアルタイムで流されているものを見ることができる状態 をいいます。

現状のインターネットを使ったNHKの動画サービス(「NHKニュースweb」のストリーミングや別料金の「アーカイブス」など)は、一度放送されたコンテンツの断片的な再配信にすぎないので、「同時再送信」ではなく、「放送」とはみなされません。よって現状では、PCがただインターネットに繋がっているだけでは受信契約の対象にはなりません。当然これはNHKも認めていることです。

一方「ワンセグ」は、「同時再送信」とは関係ないものの(→※13)、全編成がリアルタイムで視聴できるので、放送法でいうところの「協会の放送」であることは事実です。なのでNHKはワンセグについては受信料の対象に含めています。しかし、「ワンセグが放送であるかどうか」という論点とは別の次元で、「ワンセグ付スマホ」を受信契約の対象とするには法律上の無理矛盾、拡大解釈が多すぎるため、「ワンセグ付スマホ」のみで受信契約をする義務はないとするのが本サイトの立場です。 参照→ 「3.ワンセグで契約させる根拠は怪しい」

なお、NHK会長が時々口走る「ネット課金」というのは、普通にPC(またはi-phoneなどのワンセグ非搭載スマホ)をインターネットに繋いでいるだけでもNHKの全編成がリアルタイムで視聴できるようにしてインターネット同時再送信、テレビを設置していないネット民からも一網打尽にカネを巻き上げようとする悪巧みのことを言います。当然、放送法の抜本的な改正が必要になります。


※13 「ワンセグ」は昔からあるTVと同じく放送波をスカイツリーなどの電波塔から発射しているだけなので、「同時再送信」ではありません。技術的観点から見ても通常の放送です。時々、「ワンセグ」を「同時再送信」だと勘違いしている人がいて、そういう人は「『同時再送信』については放送法に規定されたのだから、ワンセグでの受信契約強制も放送法の裏付けがある」などと言う捻くり曲がったロジックでワンセグ課金の合法性を主張しているようですが、基本的な認識からして誤りです。