9.クーリングオフと「契約追認行為」/慌てて解約しない方がいい場合

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「クーリングオフ=契約取り消し」と「契約追認行為」


サインだけでは、まだ「正式契約」とはみなされず、契約者登録はされていない。

集金人に言いくるめられて彼らが差し出す「受信契約に関するお手続きの書類」にサインまたは押印してしまっても、1回目の料金支払いや引き落としがすむまでは、民法上、契約が成立したとは言い切れません。なので、状況によっては「クーリングオフ」(「解約」ではなく、契約手続きそのものを無効とし、取り消しをさせること)ができる場合もあるようです。

NHK局内の手続きでも、正式な契約者として登録するのは、初回の支払いが確認できてからのようです。これは、地域スタッフがノルマをこなすためにサインを偽造して契約をとったようにみせかける不正を防ぐために設けられた内規のようですが、民法や消費者契約法の規定とも合致しています。

不本意にもサインや押印をしてしまっても、決してそこであきらめず、すぐに居住地域担当のNHK営業所に連絡し、契約無効を申し出れば、契約手続した事実そのものを「なかったこと」にできる可能性も残されています→※注意!

過去、サインだけして一円も払わず、数年後NHKに契約状況を確認したら未契約状態だったという例もあるようです。このため集金人は、サインさせるのと同時に現金やカード読み取りなどで、その場で初回分の受信料を支払わせようとするようですが、 決してその手に乗ってはいけません。一度でも料金を支払ってしまうと、民法上の「契約追認行為」と見なされ、クーリングオフができなくなります。(その場合は一度契約が成立したことは認めた上で「解約」を試みることになります。当然、初回分の料金支払いは有効になります)

また、銀行引き落としやクレジットカードで手続きしてしまっても、最初の引き落としがされるまでは支払ったことにはなりませんので、銀行引き落としの場合は、すぐに口座のある支店に行って、NHKからの引き落としを止めるよう要請すれば、支払いを阻止することができます。クレジット払いにしてしまった場合はカード会社に要請しても対応不可能ですので、NHKに電話して、カード払いから請求書払い(コンビニ払い)への変更を申し出なければなりません(もちろん「銀行引き落とし」からコンビニ払いに変更させることも可能です)。

なお、支払い方法変更の申し出を拒否されることはありませんが、「解約」ではなく「契約無効」を主張する人が、先ず最初に「支払い方法の変更」を申請するというのも変な話なので、まあそのへんは臨機応変にやって下さい。

(※ 注意!) ただし、NHKに電話して「サインしちゃったんだけど、まだ1回目の支払い済んでないから、契約は成立してないんですよね?」などと聞いたとしても、素直に「ええ、実はそうなんです」と認めたりはしませんので、そういう野暮な交渉の仕方はしないようにしてください。


受信契約に正式にクーリングオフという制度があるわけではない

ここで注意すべきは、NHKの受信契約に正式にクーリングオフという制度が存在するわけではないことです。なので、たとえ一度も支払いをしていない状態であっても、「落ち着いて考えてみたらやっぱり契約は見送りたいのでクーリングオフさせて下さい」と言ってもNHKは決して契約手続きの取り消しに応じません。契約手続きの取り消しに応じさせるためにはクーリングオフなどというNHK側の対応マニュアルにない言葉は使わず、

a.「受信設備がない(設置してない)と言っているにも関わらず、(半ば)強引にサインさせられた」

b.「受信設備が有るとも無いとも、特に答えたわけでもないのに、(国民の義務だのなんだの言って)(半ば)強引にサインさせられた」
※本当に「強引にハンコ押さされた」ということでなくても、特に女性の場合、「怖くて拒否できなかった」と言っても同じことです。

のいずれかの状況があったと強く抗議し、いずれの場合も、契約の必要が生じていないのにサインさせられた。よって契約手続きの取り消しと、今後、私を契約者として登録しないことを求める」と明確に告げることが重要です。

b.の場合、応対したNHK職員は必ず、「訪問員に不適切な言動があったとしたらお詫びしますが、ところで◯◯様はテレビはお持ちなんですか?」と切り返してきます。そこで曖昧な受け答えをしたり、口ごもったりすると、すかさず「訪問員の態度についてはお詫びしますが、テレビがあるなら契約の必要があることは法律で決まっています」という論点のすり替えをして契約取り消しや解約を拒否し、正式契約登録に持ち込もうとしてきます。このような場合は決してNHK側の土俵に乗らず、

・「ウチはNHKとの契約の必要がない(つまり受信設備は設置していない)世帯であるまたは

・「テレビ受信機を設置しているか否かなどという個人情報をあなたに教えなくてはならない法律上の義務はな い。よってその質問には答えない」

といういずれかのスタンスをブレずに貫き通すことが必須となります。


集金人がしつこいので取り敢えずサインして後でクーリングオフしよう、はNG。

上でも述べた通り、NHKの受信契約にクーリングオフという制度が存在するわけではありません。なので、集金人がしつこいので、帰って貰うために取り敢えず契約手続き書類に判を押し、あとでクーリングオフしよう、などという考えはもってのほかです。

集金人の契約要求をキッパリ断れないような優柔不断な人、押しに弱い人、機転の効かない人は、大抵の場合、交渉力も乏しいでしょうから、そういう人が「解約交渉」より数段難しい「契約取り消し交渉」に挑んだところで、NHK職員の「ところでテレビはあるんですか?あるなら法律上契約が必要ですよトーク」に言いくるめられて逆にその場で「契約追認」させられて、正式契約に持ち込まれるのがオチです。

また、「集金人に不意を突かれて、つい、うっかり契約してしまいました」とか言ってるような、色々な意味で「弱い人」が「契約取り消し交渉」をしても、狡猾なNHK職員にうまくかわされてしまう可能性が高いでしょう。

このページは、例えば、何も知らない留守番の家族などが、強引な訪問員に押し切られて不本意にもサインさせられてしまって、怒りに震えてらっしゃる世帯主の方などを想定して書いています。(但し、女性のひとり暮らしなどで、集金人に本当に恐怖を感じさせられて不本意なサインをさせられた場合は別です。NHK職員に、ありのままを主張して契約無効を訴えましょう。但し、その場合でも、上段で触れた、a.or b. の大前提がブレないようにするのは鉄則です)



慌てて解約手続きしない方がいい場合
   ~契約が曖昧な人、突然、高額の滞納金の請求が来た人~

「料金の支払」とともに、「解約手続き」も「契約追認行為」となります。

この段で対象となるのは、契約した記憶がなかったり、契約時期が曖昧だったりする上に、長期間に渡って受信料の支払いなどしておらず、また、その間NHKからの支払い請求が送られて来ることもなく、受信料のことなどすっかり忘れていた頃、突然、腑に落ちない高額請求が送られて来たような人です。

このようなケースでは、「契約関係の存在」そのものが曖昧になっている可能性が高いと思われます。そういう人が解約手続きをしてしまうと、契約した事実と払うべき滞納金があることが確定してしまいます。 (これを「債務の承認」といいます) 参照 「14.受信料裁判の傾向と対策」の「債務の承認」の段

たとえ過去に、「地域スタッフ」の来襲を受けて、しぶしぶサインさせられた記憶が残っていたとしても、それだけでは確実に契約が成立し、その後も契約関係が継続しているとは限りません。前段でも述べたように、サインはしても、一度も料金を支払っていないのであれば、契約は成立していない可能性が極めて高いですし、たとえ最初の方にちょっとだけ払ってしまったとしても、その後何年に渡って支払実績がないのであれば、やはり契約関係は曖昧になってしまっている可能性があります。

一般に、契約が成立していると判断されるためには、請求者側と請求を受けている側の双方に「契約の根拠となるもの」が存在している必要があります。具体的には「契約書」とともに「継続的支払い実績を示す書類(領収書など)」です。これらが存在しない場合、民法上、契約関係が継続しているとは言い難くなるということです。

ちなみに、今は改善指令がでたようですが、つい最近まで、NHK局内に保管されている契約書のうち、5年を過ぎたものは順次廃棄されていた模様です。(まさに「消えた年金記録」を彷彿させるような杜撰極まる顧客情報管理です。)契約書が現存しない場合、NHKは契約関係の存在を立証することができない可能性があります。突然、長期に渡る滞納金の請求が来た人は、営業所に連絡し、「契約した記憶がないので契約書を見せてくれ」と要求し契約状況を確認してみることをお勧めします。

契約書が存在しなかった場合、NHK職員は、「NHKのコンピュータに契約者としてデータが残っているから契約は有効だ」と答えることがあるようです。こちらの筆跡も印鑑も確認できない、いくらでも偽造可能な「ただの登録データ」を「契約の証拠だ」と言い張るなど、民間企業では考えられない傲慢不遜なNHKの「お上意識」の表れですが、最終的には裁判所が個別に判断するしかないグレーな領域です。ただし、「契約者登録したデータ」だけが残っていたとしても、「支払ったデータ」がないのであれば、契約が成立している根拠とは言い難いというのは確かなので、その場合は無視してもいいと思います。

中には、契約書は存在していても、筆跡が自分のものと全く違っていて、「地域スタッフ」による契約書偽造だったことが発覚した事例もあります。このような場合に解約手続きをすると、わざわざNHKによる犯罪行為の隠蔽をお手伝いしてあげることになってしまうので、慎重な対応が必要でしょう。

なお、請求書が長期間届いてないことが気になって、自分から問い合わせる人もいるようですが、その必要はないでしょう。例えば、「引っ越し」を契機に、それっきり何年も請求がこなくなったという話をよく聞きます。そういう人は「契約が曖昧」になっている可能性が高く、自分から行動を起こすと逆に「やぶ蛇」となるリスクがあります。NHKから何か言ってくるまで放っておけばいいでしょう。契約関係が曖昧なまま突然訴えられることはまずありません。