第8回ワークショップ「自己と道徳:感情と身体の観点から」
  • 日時:2016年3月19日(土)14:00−17:00
  • 場所:東京大学駒場キャンパス14号館308号室
14:00−14:10 司会挨拶

14:10−15:00 永房典之(淑徳大学短期大学部)「自己意識的感情と社会性」
自己意識的感情とは、自己意識を伴う感情、具体的には、恥や罪悪感、嫉妬や妬み、誇りといった感情である。これらの自己意識的感情は、発達心理学では、喜び、怒り、悲しみ、恐怖といった一次的感情のあとにみられることから「二次的感情」、社会心理学における研究では、対人関係の構築や維持に必要な感情、社会的適応に必要であることから「社会的感情」と位置づけられている。また、神経科学におけるMRIを用いた脳研究では、恐怖感情の生起に大脳辺縁系の下部にある扁桃体が重要な役割を示していることが知られているが、近年の研究では、自己意識的感情の生起の場合には、島皮質前部や前部帯状回といった皮質領域が関与している可能性が示されている。本発表では、自己意識的感情の研究のなかでも、羞恥感情の発達、犯罪非行と自己意識的感情に関する研究を通じて、人間(ヒト)の社会性、モラルについて議論したい。

15:10−16:00 田中彰吾(東海大学)「道徳へのミニマルなアプローチ」
もっとも単純な状況設定(二人の行為主体、身体化された相互行為)から出発して、道徳的な行為がいかに発生しうるのか考える。法や社会規範など、関係性の外部から作用しうる要因をすべて括弧に入れたとしても、人と人との関わりにおいて道徳的な行為は生じうるだろうか。また、それはどのような過程を経て生じるのだろうか。間身体性の議論から始め、エナクティヴな間主観性、あいだ、などの概念を参考にしつつ、可能な地点まで考察を進めてみる。

16:10−17:00 全体討論

オーガナイザー:片岡雅知(東京大学)

(本研究会は日本心理学会研究会制度の支援を受けて開催されました)