4月22日(金) 研究の申請書の構想を練る

Post date: 2016/05/03 23:37:26

とある個人研究の申請書に1日時間を投入して,今後の研究の方向性を考える.4, 5パターンを考え出した.それでもなかなか良い構想は出来上がらない.あとどのぐらい時間を投入すればよいのか,見通しは立たない.

良い研究構想の構造

ここで自分の考える良い研究構想とは,1つの大きいカテゴリの課題が解決し,新しい学術領域も形成されるようなものである.もちろん波及効果は大きく,実現の可能性も高くないといけない.

論理構造としては,1つの大きい命題を部分の内容が支えるピラミッド構造になっている.ここで最終命題は複数ではなく,単数(1つ)というのがポイントで,別々の関連のない2つの命題ではない.関連の薄い2本の独立柱にして,それぞれをうまく説明するのは難しい.

時間をかけても何がうまくいかないかというと,それは次の2つの失敗例に陥るからである.

第1に複数の内容が1つにまとまらない.直感的にはまとまると思っているのであるけれども,いざまとめようとするとまとまらない.それぞれが独立し,平行して交わらずに走っていく.それぞれの内容の2つの関連が少ない場合は,説明が2倍必要になるし,両方聞いたときの印象も薄れるので失敗することが多い.

第2に無理やりまとめようとすると,カテゴリが大きくなりすぎる.そうするとありきたりの内容になる.自分らしさが消えて,内容も曖昧になるのでこれも失敗.

新学術領域を参考に

規模は全く違うものの,参考になるかと思い,科研費の新学術領域を見たりもする.新学術領域とは,大御所が複数の研究者でチームを作って進める大きな研究プロジェクトである.HP上に内容が公開されており,それを見ると最新の研究構想がざっくりと理解できる.

自分がコメントするのは恐れ多いのだけれど,新学術領域では,意義のある問題に対して,うまく意味があるように研究テーマが分割できている.班構成がうまく頭に入ってくる.なぜ研究が必要なのかも流れがよく,すぐに分かる.

このクラスのプロジェクトは自分が応募するとしても,だいぶ先の話かもしれないが,この規模で研究を構想し,班が形成できれば面白いだろうな.誰でも考えるのは自由なので,今から考えていれば,自分にもチャンスがあるかもしれない.また考えていないと,チャンスはない.